日傘のUVカット効果は落ちるのか?
【結論】
太陽光が透ける生地は、UVカット効果が低下します。
太陽光が透けない生地は、UVカット効果が持続します。
「日傘は使っていくとUVカットの効果は落ちるのですか?」
「日傘の買い替えサイクルは何年くらいですか?」
というような質問が、最近増えてきました。
UVカット=紫外線カット、紫外線遮蔽、と同義です。
以下文章は、UVカットで統一して表記します。
UVカットの効果は落ちるのですか?
日傘には大きく2種類あって、冒頭の結論でも書いた通り、
太陽光が透ける生地
太陽光が透けない生地
があります。
太陽光が透ける生地
太陽光が透ける生地とは、雨傘用の生地にUV吸収剤を塗布したもの。
塗布したものなので経年劣化や使用による剥離があり、それがUVカット効果が低下する原因と言われています。
またUV吸収剤を使うタイプの生地は、UVカット率90%前後のものが多いです。
太陽光が透けない生地
太陽光が透けない生地とは、生地の裏面にポリウレタンコーティングや、ポリウレタンフィルムを貼ったものが主流です。
生地裏側の黒いのがそれです。
その裏側のコーティングそのものに、UVカット効果があり、UV吸収剤は塗布する必要がありません。
よってそのコーティング部分が、破れたりしないかぎり、UVカット効果は半永久的です。
メーカーによりますが、UVカット率は99.9%以上または100%のものが主流になっています。
UVカットの基準とは
傘の業界団体が制定する品質基準では、UVカット率が90%以上あれば、『UVカット』と機能訴求してよいとなっています。
ただ日傘を販売する業者の全てが業界団体に所属しているわけではないので、仮にUVカット率が80%でも「UVカット」と訴求している場合があります。よって具体的に何%なのかを確認するようにしてください。
また上記で書いたUV吸収剤は5〜10%程度UVカット率を上げるというものです。仮に無加工の生地のUVカット率が80%として、UV吸収剤を塗布して+10%、結果UVカット率が90%となり、UVカットの商品が出来上がります。
と、いうような作りですので、UV吸収剤を塗布するタイプはコーティングタイプに比べ、使用頻度により-10%程度のUVカット率減が考えられるため、不確実な部分が多く、買い替える必要があると言われています。
日傘の選び方としては、皮膚科医の友利新先生の解説がわかりやすいと思います。
シミを防止するには、熱を浴びないことというのは参考になりました。
日傘の買い替えサイクルは?
上記でも書きました通り、裏側が黒いコーティングのUVカット効果は、生地が破れたりしない限り半永久的としています。
が、日傘を使っていく過程で、生地が汚れたり、骨が曲がったり、ガタついたりしますので、快適に使えるのはおよそ3年位です。
太陽光が透ける生地ですと、傘としての機能はやはり3年位で、高いUVカット効果を維持できるのは1−2年くらいといったところだと思います。
ただ黒っぽいカラーは、UV吸収剤の有無に関わらず、UVカット率が高いので、UV吸収剤が剥離したとしても、UVカット効果は維持する場合もあります。
UVカット効果が落ちるからという推測で、日傘を買い替えるの必要はなかろうと思います。
まとめ
日傘のUVカット効果について、透ける生地は経年劣化で効果が低下し、透けない生地はコーティングによって効果が持続する。
UV吸収剤を塗布する生地は効果が不確実。
日傘の買い替えは、汚れや機能性の劣化を考慮し3年程度が目安。
UVカット率には注意が必要で、業界基準は90%以上だが、実際の効果は生地の種類や使用状況によって異なる。