経営者の皆様 M&Aのオファーにご注意を
中小零細でも、ビジネスオーナーをやっていると、割と高い確率で「弊社顧客企業から、是非、貴社にて提携のご検討をいただけないか?とのご要望がございます。」というようなM&A仲介会社からのオファーDMが来たことがあるのではないでしょうか?
ほとんどの方は無視されているとは思いますが、中にはかなり具体的なことを匂わす文面だったり、時には自宅まで手書きの手紙がきたりしますが、彼らはかなり熱心で、そしてしつこいです。
そりゃ、そうでしょう。
彼らの仲介手数料は最低でも1,000万円前後は発生します。
*諸説あります
その仲介手数料が高いか安いかは別として、売り手と買い手が直接話しにくい部分を間に立って交渉するわけだし、諸々の精査にもかなりの時間と労力が発生するのは事実だと思います。
と、最近までは思っていました。このルシアン事件が起こるまでは。
これは大規模な詐欺事件で、被害にあった会社は何十社とあるようで、また
M&A仲介会社も数十社がこのルシアンの成約案件に関与しているとのことでした。
今回のことで、M&Aに関しては何らかの法改正や規制が見直されることとは思いますが、基本的には、売り手・買い手の双方が仲介会社を立てる必要があると感じます。
裁判のように、原告の弁護士、被告の弁護士がそれぞれいるのと同じ状態にするべきで、現状では仲介会社が双方の代理人として入ると、利益相反になってしまいますからね。
特に売り手側(いわゆるオーナー経営者を想定)の目線になると、気になるのは
いくらで株式を買ってくれるのか?
買収後はどのようなビジョンを描いているのか?
という点が重視され、先方の財務状況はあまり気になってないというのが正直なところ。
「企業買収するくらいだから、お金に余裕がある会社だろう」という先入観があるだろうし、相手側が意図的に騙そうとしているとするならば、売り手側が買い手側の財務資料を読み込んだところで、看破できる人は滅多にいないと思います。
まとめ
M&A仲介会社からのオファーDMのほとんどはリスティング目的です。
本当に事業承継が必要な場合は、売り手側専属の担当者を付け、デューデリジェンスを実行しましょう。買い手先企業が過去に買収した企業がどうなったかを調査しましょう。
株式の売買は手続き漏れがないよう、何もかも同時に交換するのが原則で、司法書士同席で調印すべきだと思いました。