名探偵左京Season2*第23話「彼岸は何処に」
■あらすじ
火葬される遺体。その火を見つめる男。男は、葬儀会社社長の尾身信助(マキタスポーツ)。火を見つめながら「火葬は予定の時刻に終わる」と電話し、少しだけ笑った。
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DADAにやって来た女性・甲斐ちあき(光宗薫)は、ひとりでカウンターで飲んでいる。マスター(光石研)や常連たちはちあきに興味津々でいろいろ質問するが、彼女は話をはぐらかしてばかり。そんななか、左京が来店。左京はちあきをひと目見て、職業を言い当てる。
「おくりびと、でらっしゃいますね?」
ちあきは左京の第一声を聞き、驚いた。その様子を見た左京は、「やはり、納棺師の方ですね。普段から肌身放さず、大事に持ち歩いている筆入れケース。そして、消臭剤の香り。おくりびと、つまり死化粧師の方かと推測したまでです」と付け加える。
「あなた、刑事?探偵さんですか?」とちあきは消え入るような声で問う。「その両方でもないのですが、似たような職業、リサーチャーという仕事をしています。以前、納棺師の方を調べたことがございまして。突然、失礼しました。酒席で立ち入ったことを申しまして、無粋でした。お詫びいたします」と答える左京。
「ひとつ、お願いしたいことがあります…。うちに潜入してくれませんか?」
ちあきは重い口を開き、やっと話し始めた。
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ちあきは左京の見立て通り、納棺師だった。彼女の先輩・深川弥彦(土屋伸之)が最近、不審な行動を取っており、ちあきは、彼が犯罪に巻き込まれていると考えていた。そこで、左京に納棺師に扮し、深川に近づき、真相を突き止めてほしいという。
翌日、左京は新米納棺師に扮し、早速、ちあきとともに深川に接触。死化粧を行う遺族の屋敷に赴いた。広い屋敷には老人の遺体だけが置かれ、遺族の姿はなかった。左京は見学と称し、老人のご遺体に死化粧を行う深川に張り付く。深川は死化粧の最後に遺体の口をいじっているのを左京は見逃さなかった。老人の通夜終了後、深川が仕事を終え、接触したのは、葬儀会社社長の尾身だった。
深川と尾身の前に突然現れた左京は、「一体、何のお話をなさってるんですか?」と問う。深川と尾身は驚いた様子で左京を見つめる。「深川さん、実はあなたにお聞きしたいことがございまして…。今日の死化粧で、最後にご遺体の口元を閉じてらっしゃいましたが、あれはやはり最後に魂が抜けないようにする行動なのでしょうか?」と左京。深川は予期せぬ質問に表情をこわばらせたが、「そうなんですよ。死者の魂がご遺体から抜けなように、口を強く閉じる。僕の流派はそうやるんです。しかし、左京さん、あなたは勉強熱心な方ですね? 私に質問するために、こんなところにまで着いてこられるだなんて」と嫌味を交えて応えた。
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翌日、老人の葬儀を終えた尾身は火葬場へ向かう。火葬場にいたのは、左京。「立派な葬儀でしたね、尾身さん。ただ、ちょっと気になったのはご遺族ですね。ご遺族のお話が耳に入ったのですが、亡くなったおじいさまのことを誰も弔ってらっしゃらないようでした。遺産がどうの、土地がどうの、、、というお話ばかりなさっていましたね。葬儀が立派だっただけに、残念ですね。お疲れ様でした」ひとり話す左京を尾身は睨みつけ、「これから火葬です。厳粛な場です。ご遺族についてああだこうだ言う場ではない。失礼します」と言い、姿を消した。
左京はその後、深川を訪ねる。今日は独居老人の死化粧だ。深川の嫌味を聞きながら、彼の死化粧の作業を見学する左京は、昨日の資産家老人との作業の違いに気づく。その足で、左京はちあきと合流。事の真相をちあきに伝えた。
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資産家の老人の火葬を終えた尾身は、深川と共に骨壺を遺族に引き渡す準備をしていた。そこにやってきたのはちあきだった。
「あなた達は、私腹を肥やすために納棺師になったんですか? それで死者の魂が彼岸へ行けると思っているんですか?」そう叫ぶちあきを見て、驚くふたり。「あなたたちの行為は死者を冒涜する行為です。しかも、犯罪です。警察に通報します」ちあきがそう告げたとき、「ちょっとお待ち下さい!」と左京が登場した。
「ちあきさん。確かにあなたの言うように、おふたりはおくりびととしては失格かもしれません。しかし、おそらく事情があるはず。それを聞いてみませんか?」と左京は続けた。
納棺師と葬儀会社社長の企みとは?
左京が事件の真相を明らかにする!
■ゲスト
納棺師・甲斐ちあき…光宗薫(★)
納棺師・深川弥彦…土屋伸之(ナイツ)
葬儀会社社長・尾身信助…マキタスポーツ
■妄想放送日
2024年3月9日(土)23時〜
※通算第41話
■事件の真相と顛末
▼ちあきは、先輩納棺師の深川が遺体にダイヤモンドなど遺品を隠し、葬儀会社の尾身と共謀し、火葬後、遺品を横領していた。
▼ちあきはそれを知り、深川を軽蔑したが、実はこの遺品横領には事情があった。
▼深川の子どもの難病を治療するためには、多額の費用が必要だった。そこで、尾身が今回の遺品横領を思いつく。
▼尾身は、亡き家族を弔おうともしない遺族に遭遇した際、遺品横領することを実行していた。
▼左京は、深川の子どもの命を救うため、今回はこの事件を見逃すことに。そして、知人で泥棒の近衛龍太郎(山田孝之=回想)に連絡し、事情を説明。近衛に犯人となってもらうよう説得したところ、近衛は快諾。
▼近衛から遺族に盗んだことを報告する手紙を出してもらうことに。
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