名探偵左京Season2*第21話「大阪恋物語」(2週連続大阪SP)
■あらすじ
瑛美京子襲撃事件をきっかけに、天王寺警部補(山内圭哉)は由香里(中村ゆり)に夢中の様子。連日、左京に相談の連絡が入る。「由香里さんのこんな仕草にはどんな意味があるのか?」と名探偵としてのアドバイスを求める警部補。左京はそれとなく由香里の心中を確認すると、由香里も警部補のことを快く思っているようだ。しかし、由香里には暗い過去があった。10年前、由香里の父・由行(塩見三省)が殺人犯として逮捕されていたのだ。父親は獄中で病に倒れた今も冤罪を訴えている。それを気に病み、由香里は警部補との交際を諦めていた。左京は由香里から父親の事件のことを知り、捜査を始める…。
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2014年1月30日、由行が勤める会社の社長・東尾の刺殺体が発見される。第1発見者の由行の指紋が遺留品のナイフから検出され、由行は逮捕される。その後、由行は取り調べで犯行を自供したが、裁判で無罪を主張。高等裁判所で有罪を言い渡された。
左京は当時の捜査資料を見るため、天王寺警部補に事件の詳細を伏せて、協力を依頼。警部補は不審に感じながらも、捜査資料を左京に提供。左京は、由行以外の人物が犯行に及んだ可能性があることに気づいた。
【左京が捜査資料から見出した疑問点】
▼由行は右利きなのに、手袋痕は左利き
▼会社の関係者の集合写真で左利きの人間は現・社長(当時副社長)の作川(桂吉弥)のみ。
資料室から出てきた左京を見た天王寺警部補は、左京の隠し事に気づき、左京に詰め寄る。左京は、「この事件には関わらないほうが良い」と説得するが、警部補は「由香里さんの父親が冤罪で逮捕されたのなら、真犯人を捕まえるのが私の仕事だ。由香里さんへの想いとはまた別の話だ。だから、同行させてくれ」と話す。左京は警部補の覚悟を知り、ふたりで捜査を行うことにした。
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警部補に「10年前の事件だ…。どうやって真犯人を見つけるか、あてはあるのか?」と聞かれた左京は、「既に犯人の目星は付けています。これから会う人物が、おそらく真犯人」と応えた。驚く警部補をよそに、左京は東尾工業の作川社長を訪ねた。
作川は「上告中の裁判について、大阪府警の刑事さんが何の御用でしょうか?多忙を極めていますので、できればすぐに終わらせたいのですが」とそっけない。左京は深々とお辞儀し、「お時間くださいまして感謝いたします。実は、捜査に新展開がございまして本日はお邪魔した次第です。元従業員の三田園さんの冤罪事件です。作川社長におかれましても、その真相をお知りになりたいと思いまして。しかし、お時間がないのでしたら、仕方ありません。また参ります。突然参りまして、失礼を致しました」と言って、社長室を出た。
警部補は「せっかく来たのに、あれだけで良いのか?」と左京に問う。左京は「充分ですよ。足が見たかったんです。作川社長の足です。左の靴の外側だけが擦れていました。これもゲソ痕と一致します。左利きとゲソ痕。事件の後、副社長から社長へ昇格。状況証拠は作川氏が真犯人だと示しています。あとは、証拠です。しかし、10年前の事件ですから証拠は乏しい。わたしはこれから裁判記録を読み込みます。警部補、あなたは今夜、由香里さんと会うんでしょう?そろそろ約束の時間ですよ」と一気に話し姿を消した。
その夜、警部補は由香里と会った。そして、今、父親の事件について捜査していることも伝えた。父の冤罪が立証されると警部補の警察での立場がなくなる可能性があるため、由香里はひどく心配したが、警部補は一蹴した。「刑事としてやるべきことをやるだけです。あなたへの想いは何があっても変わらない」由香里は警部補の言葉を聞き、結婚を決めた。
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これまでの証言にほころびがないか?作川の犯行を裏付ける証拠はないか?左京は徹夜で裁判記録を何度も読んでいる。明け方、由行の担当弁護士が左京を訪ねてきた。「あなた、由行さんの冤罪の証拠を探してらっしゃるんですって?で、有力な証拠は見つかりましたか?10年前の事件ですから、なかなか見つからんでしょう?もし、そんな証拠があれば、次の裁判に出席してほしいですよ。ま、見つからんでしょうが…」と話す弁護士。「10年前の証拠はもう何度も、御覧でしょう?しかし、いま係争中の裁判の証言には、何かヒントが隠れていて、誰もそれに気づいていない可能性があります。だから、何度も何度も読んでいるんですが、いまはまだその突破口は見つかっていません…」と左京は応える。
徹夜あけの左京は、ぐったりしながら府警にいる天王寺警部補を訪ねた。疲れ切った左京を見て、警部補は「朝食食べて、元気にならないと、事件解決できませんよ!」とはっぱをかける。左京は「昨夜、あの後何も食べていないんです。署の向かいにある食堂で朝食をたべてきます」と言うと、警部補は「あの店は、やめたほうが良い!美味しくないですよ!」と大反対。隣にいた新米警官も「絶対やめた方がいい!」と猛反対…。左京は「なんでそんなに反対するんですか?」と二人に問うと、不思議な顔をしながら警部補も新米警官も「だって、行ったことがあるから」と答えた。「行ったことがあるからわかる…」左京はニヤッと笑いながら、つぶやき、「警部補、お手柄です!!」と元気になり、署を出て行った。
左京が見つけ出した作川の犯行の証拠とは?
上告裁判で、左京が作川を追い詰める!!
そして、警部補と由香里の恋の行方は?
■ゲスト
・三田園由香里…中村ゆり(★)
・天王寺警部補…山内圭哉(★)
・三田園由行…塩見三省(★)
・作川…桂吉弥
■妄想放送日
2024年2月24日(土)23時〜
※通算第39話
■事件の顛末
▼左京は由行の弁護士に申し出て、裁判の証人として出廷。
▼作川は、東尾元社長の遺体写真を見て、「このケガは社長室で負ったもの」と証言していた。
⇒なぜ、「社長室で負ったケガ」と作川はわかったのか?
⇒それは、作川自身も社長室で同じケガを負っていたからだった。
⇒ケガの原因となった機械は、事件当日の夜8時に運送屋から届けられ、東尾元社長がその日、作川とともに開封し使用し、ふたりでケガを負った。その後、東尾元社長が作川に横領について問いただしたため、作川は東尾を殺害。夜8時半に社長室を訪れた由行が第一発見者となった。
▼裁判で作川が真犯人だと自供し、由行は無事釈放された。冤罪事件についてマスコミは騒ぎ、当時の担当刑事・署長が懲戒免職に。上層部は天王寺警部補を非難したが、警部補は警察の悪しき体質を真っ向から批判。現役刑事らが真相追求の一端を担った警部補を支持。警部補の居場所は今でも署内にある。
▼事件報道が一段落し、警部補は由香里にプロポーズをし、由香里も快諾。出会って2ヶ月での超スピード入籍に至った。婚姻届の証人は、瑛美京子(上沼恵美子)と左京。