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#34 コストセンターとプロフィットセンター

札幌でちいさな貿易商社を経営している、ケニー(tsujikenzo)です。noteでは、Tweet以上、技術ブログ未満の、アウトプットを行っています。

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シリーズで「業務効率化の向こう側にあったもの」をお届けしています。第2回目のテーマは、「コストセンターとプロフィットセンター」です。


はじめに

組織だろうと個人だろうと、営利事業を行うときは、業務を以下の2つに分けられると思います。

  • 営業や販売などの利益を直接生み出す「直接部門

  • 経理や人事などを行う(もっと言えば直接部門をサポートするための)「間接部門

この2つの業務を、「資本」という経営活動に投入される財産的価値から見ると、直接部門を「プロフィットセンター」、間接部門を「コストセンター」と呼ぶことがあります。

営利企業は、様々な形態の資本(金銭的資本、物的資本、人的資本)を投入することにより、経済的な"価値"を生み出すことを目的としています。

具体的には、

  • 製品の生産

  • サービスの提供

  • 顧客への価値創出

などを通じて、企業は収益を獲得します。企業は投入した資本に対して、適切にリターン(収益)を生み出すことが求められます。それが企業の存在意義でもあります。そこは、まず否定しません。

コストセンター(間接部門)とプロフィットセンター(直接部門)の呼び分けの根底には、企業活動における「資本の投入と収益の生み出し」という観点があるからです。

DX推進と業務効率化の誤解

1年半前に、「バックオフィスは今後、汎用的な作業を行う部門と、価値を創造するサポートを行う部門に分かれていく」というブログを書きました。

「デジタル化によって、さまざまな業務改善が行われ、バックオフィスのコストが下がると、会社全体は「顧客と接して利益を生み出す組織」になっていきます。」と説いています。

1年ほど、マーケティングを学び、事業戦略について学んだ今のわたしは、この主張に「Noを突き付けます。

なぜなら、デジタル化によって、さまざまな業務改善が行なわれ、バックオフィスのコストが下がっても、会社全体が「顧客と接して利益を生み出す組織」にはならないからです。

もっとも分かりやすく、極端な例を挙げましょう。業務効率化により、会社全体の労働時間が20%削減された。その20%の時間を、以下に割り当てたとします。

  • 従業員の資格取得のため

  • 地域社会でボランティアなどのCSR活動に充てるため

  • ずっと行けなかった社員旅行に行くため

社長、御社は「顧客と接して利益を生み出す組織」になれましたか。答えは、「なれたかもしれないし、なれなかったかもしれない」です。

これが、「業務効率化の向こう側にあったもの」です。

利益を生み出す組織

最後のセクションです。

資本主義社会において、経営者に求められる最大の仕事は、投資された資本を使って利益を生み出し、資本を大きくする、ということです。

利益を生み出す組織を作る必要があるのですが、必ずしも「顧客と接する」という条件があるわけではありません。間接部門で働くひとさえも、顧客と接する、または顧客に価値を提供するような組織は、利益を生み出す可能性が高いと言えますが、利益を生み出す本質ではありません。

では、何が組織(個人事業主であっても)の利益を生み出しているのでしょうか。

実は、よくわかっていない経営者が多いです。(Kenny肌感)

あなたの会社(副業であっても)は、なぜ利益を生んでいるのですか?という質問があるなら、「コストより利益の方が高いから」と答えるでしょう。では、「なぜ利益を顧客からもらえているのですか?」と質問すると、「安いから」「技術力が高いから」「社長の人柄」「実は分からない」のような答えが出てくると思います。

この、「なぜ利益になる対価を顧客から支払ってもらえているか」という視点は、事業部門を「直接」か「間接」かを決める、決定的な要素になるでしょう。「おたくのとこの請求書発行システム、めっちゃ便利だよね。商品はよそより高いし品質も悪いけど、あの請求書発行システムは、うちに利益をもたらしてるんだよね」という取引先がいたら、社長、あなたの会社の「プロフィットセンター」は、経理部ですよね。営業部や製造部は経理部を支える「間接部門」なのです。

DX推進と業務効率化が目指すものは、その企業の価値、(利益を出すという文脈で言えば)どこで利益を出しているのか、利益を出せる可能性があるのか、を見極めることです。

長くなりましたね。
次回は、「戦略」をお届けします。

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