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やっぱり尊いJourneyツアー(2022年4~7月)と3人リトグリ「ファイト!」
リトグリのJourneyツアーは、2022年4月28日の東京・八王子から3人体制で幕を開けた。
芹奈とmanakaの脱退が発表されたのは7月15日で、22年4月時点では2人は体調不良によりツアーに参加できないとされていた。すべてのガオラー(リトグリのファン)は、2021年1月の武道館から同年4月のさいたまスーパーアリーナまで、芹奈抜きの4人で駆け抜けざるを得なくなった時のメンバーの苦闘ぶりを知っていただけに、3人でツアーを敢行することに対して大きなエールを送っていたと思われる。
しかし、実際に裏側で進行していたのは、われわれの想像をはるかに超えたシビアで辛い事態だった。
芹奈とmanakaの脱退の話は、どのタイミングでメンバーに持ち出されていたのか、どうして2人同時だったのか、実際にはどんな理由によるものだったのか、リトグリチーム内ではどんな議論があったのか等々の事情は、今もほとんど公表されていない。
個人的な推測として、タイミング的には2~3月頃に2人の脱退に関する突っ込んだ話し合いがなされていたような気がする。
メンバー3人は、Journeyツアーに向けて元々5人で歌っていた楽曲を3人用の編成に変更してリハーサルを行いつつ、同時にグループの存続という根本的な命題に向き合うことを余儀なくされていたと思われる。2人の脱退については決められたタイミングまで公言出来ないなか、時には(ずっと?)ぐちゃぐちゃの精神状態を自分たちだけで抱えたまま、7月13日の仙台公演まで駆け抜けてきたのだろう。
2人の脱退が正式発表された(7月15日)後に行われたのツアー最後の幕張公演(7月23~24日)は、冒頭から驚愕の演出がなされて、最後まであくまでも「5人のリトグリ」の集大成という構えを堅持したライブに徹していた。脱退が公表されて“もう泣いてもいい”シチュエーションになり、所々で落涙する場面はあったものの、3人で全力でやり切ったライブは「尊い」の一言に尽きると思います。
自分は5月27日の神奈川県民ホールを見に行き、幕張は配信を固唾をのんで見ていた。発売されたブルーレイもこれまで何度も見返していて、そのたびに“尊さ”を実感している。
ところで、尊いJourneyツアーとセットで記憶にとどめたいパフォーマンスがある。
ツアー開始直前の4月18日、リトグリはCDTVライブライブに3人で出演している。亀戸天神での出張野外ライブで、持ち歌の「心に空を」の他に中島みゆきの「ファイト!」を歌った。これまでも「ファイト!」のカバーをしていたリトグリだが、3人で歌うのは初めてだっただろう。
当日は土砂降りの最悪のコンディションで、太鼓橋の上から大きな傘を差しながら熱唱した「ファイト!」が文字通り鬼気迫る熱演だった。
この日の「ファイト!」は、主にアサヒとMAYUがリードを務めていた。リトグリとしては珍しく、ゆっくりとしたテンポの中で歌詞に思いを込めつつ、感情を前面に出して激しく歌い上げていた(歌の内容的にも「Break out of your bubble」に通じるものあり)。
3人の美しいハーモニーでの持ち味も発揮していたけど、出だしから「アサヒ、どうしたん?」と感じるくらいのエモーショナル全開の迫力があった。
もしかしたら、この時彼女たちが置かれていた自身の状況からの感情移入がなされたパフォーマンスだったのかなと邪推してしまうくらい、魂の「ファイト!」だった(必見です)。