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『ヘヴン』

『ヘヴン』 川上未映子
講談社 2012.5


コジマ

いじめを受けている少女と少年が手紙のやり取りをきっかけに交流を深めていく。

先日新聞でブッカー賞の最終候補になったことを知り手に取ってみた。
有名な作家ということは知っていたけれどまだ手に取ったことがなかった。

読み応えのある作品だった。

コジマがしるしに固執する理由は何なのだろうか。
なんとなくわかるような気もする。しるしに固執することで理不尽な世界から自分を守っていたのだろうか。

僕が百瀬と話し、いじめの原因は斜視じゃないと知った時の絶望感が耐え難い。
斜視だからいじめられていると理由付けできていたものが、とたんにより理不尽なものに変わってしまって辛かった。
最後に手術をしたことで世界の見え方が大きく変わり、それと同時に人生観も変わり明るい世界で生きていけそうな展開に希望が持てた。
ただコジマはどうなったのだろうか。



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