愛は海のように/墓参り
9/2
無償の愛をあげるから無償の愛をくれ、という矛盾を抱えた1週間でした。
突如抱えきれない虚無に襲われた。
何のプロでもないことがつらいと分かった。
思いがけなかろうが、自分で目指そうが、働いて仕事をする以上みな何かのプロなのだ。
私はそれ以外のことは結構我ながら上手にできるのに、致命的に金を稼ぐことが苦手だと思った。
SNSで誕生日アピールをしてしまった。
そういうことをしないで定評があったのに。
自分の最適な睡眠時間が10時間だと分かった。
終わりですわ。どこに毎日10時間寝てる大人がいるんですか?
7時に起きて21時に帰ってきていたとき、リベンジ夜更かしをするので5時間睡眠で次の日も仕事していたな。考えられない。
私には奇妙礼太郎トラベルスイング楽団の「喫茶アラジン」が好きで、喫茶店風カフェでアルバイトしていた過去がある。この頃が1番かわいげがあったとされている。
かわいげを取り戻し、毎日10時間寝て、何かのプロを目指し、映画観て音楽聴いて本読んで、友達に大きい愛をあげられる人を目指すんだ。
私はU-NEXTを使っていて、最近ミュージシャンのライブ映像も観れると知った。THE BAWDIESのライブを繰り返し見ているのですが、2011年の武道館公演でROYさんが「惜しみなく言います。愛してます。」からの「LOVE YOU NEED YOU」、さらに「思い切り愛してます」からの「I'm in love with you」の流れで助かっちゃってます。
まじで「愛しているの響きだけで強くなれる気がしたよ」を実感した。私も言っていこうと思うし、もっとカジュアルに世の中で言った方がいい。
私のテーマは「Never for money, always for love」なのでね。
この前会った友達が「always on your side」と書かれたTシャツ着ていた。いいねって言ったら、メッセージ性で選んだと言っていた。私もその精神パクろう。友達みんな愛しているゾ。
9/3
ばあちゃんに会いに行った。
母の運転で施設へ向かう。何か音楽流してと言われた。母も知っている曲を流そうと、サカナクションをかけた。
「多分、風。」で涙が出た。なんかやっぱり言葉が好きだなと考えていたら泣いていた。
金を稼ぐことは苦手だけど、心は柔らかい。逆に言うと、心の柔らかさで金は稼げない。
アルバイトの書類を提出してから11日経った。何の音沙汰もない。「お待ちください」の連絡くらいくれや。人の時間を何だと思ってんだと、日々気が重い。これで落ちていたらその会社のやつら全員呪詛しちゃう可能性が出てきている。
全部落ちたらもう心が持たないから、時給とか夢とかどうでもいいし在宅バイト探そうかな。結局また逃げちゃいそうです。
先週面接に行った会社に出した課題です。まだ連絡は来ていないけど、会った感じお互いギクシャクしていたので落ちているハズです。墓参りして行ってくれたら嬉しいデス!
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スピッツ極私的概論
音楽にハマるときには自然とアルバムを解釈していると最近思いました。例えばこのアルバムは自分がいくつのときに、こういう思いで聞いていた、などです。前作とのつながりや変化を感じながら聴くのも解釈です。音楽が悩む人々に寄り添い、響くのも解釈があるからではないでしょうか。そこで、私も私なりに好きなアーティストであるスピッツをアルバムごとに解釈してみます。
1.スピッツ(1991年)
初期作品はアーティストの核となるものが込められているから重要だ。今でこそエバーグリーンのようなイメージのスピッツの曲たちだが、ファーストアルバムは爽やかと言い難い。ポップな曲とボーカルの柔らかい声に隠し切れない、突飛でつかみどころがない歌詞。この違和感が今もなおスピッツの核だと思う。メジャー1stアルバムの1曲目というと、自分たちはこういうバンドだと表明する曲を持っていきたいはずだ。スピッツは『ニノウデの世界』なのだ。エロスというには色気はなく、普段は隠して生きている性を暴くような歌詞だ。過激な言葉はないが、「おなかのうぶ毛に口づけた」など誰も口にしたことがない言葉たちが散りばめられている。
2.名前をつけてやる(1991年)
ファンに人気があるアルバムの印象。歌詞の妙は残したまま、『ウサギのバイク』や『プール』、『恋のうた』などセンチメンタルな曲が増えたからではないか。前のアルバムは心象風景を切り取った独自で、あまりに赤裸々な雰囲気だったが、その反応を受けてより聴き手を意識したようにも感じる。またロックバンドであることを体現した曲も多い。『日曜日』や『待ちあわせ』などは重厚な演奏だ。もちろん『あわ』など前アルバムを継承するような曲もあり、地続きだけど新たな一面も見せたのではないか。
3.オーロラになれなかった人のために(1992年)
ストリングスを取り入れたアルバム。2ndアルバムの最後の曲『魔女旅に出る』が次回予告となっていたのか。『田舎の生活』の歌詞は文学だ。「野うさぎ」「笹百合」などデティールのある情景で描かれる美しい田舎での君との生活と、それが叶わない妄想である切なさはすさまじい。ただ芸術性を見せるだけでなく、『ナイフ』では子どものままではいさせない残酷さを感じる。『海ねこ』はアップテンポで、共感しやすい余白がある失恋ソングだ。まさに「オーロラになれなかった人のために」あるアルバム。
4.惑星のかけら(1992年)
1曲目で表題曲の『惑星のかけら』はここまでのスピッツの総結集のように感じる。重厚な演奏でロックバンドとしての存在感を示しつつ、誰にも真似できない心象風景とサビの「骨の髄まで愛してよ」のチャーミングさが同居した曲だからだ。アルバムを通してギターロックが貫かれている中で、シングル曲の『日なたの窓に憧れて』だけがメルヘンでポップ。後に大ヒットとなる『空も飛べるはず』『チェリー』の系譜の源流のような曲だ。初期スピッツの集大成であり、第2章の片鱗も垣間見える作品。
5.CRISPY!(1993年)
前作のギターロックとは趣向を変えたキャッチ―な『クリスピー』『裸のままで』と、前作で見出した活路の『君が思い出になる前に』『夢じゃない』など切ないポップソングを混ぜ合わせたアルバム。セールス的に伸び悩んだと語られることが多いが、大ジャンプ(次作)に備えた、ホップ(前作)・ステップ(今作)の流れ。
6.空の飛び方(1994年)
前々作からの系譜が実を結んだバンドの代表曲、『空も飛べるはず』を擁する名盤。続くシングル『青い車』『スパイダー』などは爽やかな曲調だが、歌詞には死とエロが香る。初期に表れていた隠したい性を思い切り描き、培ってきたキャッチ―でロックなサウンドが盛大に発露したアルバムだ。最後の曲『サンシャイン』はさらなるヒット曲『ロビンソン』の布石のような、センチメンタルで詩的な真骨頂を予言する1曲。
7.ハチミツ(1995年)
今もなお抱かれるスピッツに対するイメージは、このアルバムの存在が大きいだろう。『ハチミツ』『涙がキラリ☆』など牧歌的で多幸感あふれる曲と、『ルナルナ』『トンガリ’95』など才気みなぎる稀代の詩人・草野マサムネのセンスが爆発した曲が同居しえる作品。そして美しく抒情的なアルペジオで幕を開け、クリーンな歌声が響く『ロビンソン』。多くの人の思い出を彩ったアルバムなのではないか。
8.インディゴ地平線(1996年)
『チェリー』『渚』『スカーレット』など、継続してヒットさせるすごさたるや……。前作で遺憾なく発揮されたセンスに少し血が通ったような、リラックスして作られたように感じる。(本当のところは分からないが) 『初恋クレイジー』『ナナへの気持ち』『夕陽が笑う、君も笑う』など穏やかな愛が歌われているからか。
9.フェイクファー(1998年)
セールス的に成功を続け、バンドとしての立ち位置を確固としてきたゆえに緊張感が漂うかと思いきや杞憂であった。むしろ暖かな雰囲気を増したよう。『運命の人』というロマンチックなタイトルと軽快なサウンド。だが歌詞の「愛はコンビニでも買えるけれどもう少し探そうよ」という特異さは、映画『くれなずめ』で引用されるなど多くの聴き手にインパクトを残す。今も数多くのアーティストからカバーされる『楓』。J-POP界になくてはならない存在なのだと知らしめる。
10.花鳥風月(1999年)
シングルのカップリング曲集。PUFFYに楽曲提供した『愛のしるし』のセルフカバーや、ファン人気の高い『猫になりたい』などが収録。B面としてなかなか目立ちにくかった曲たちが、こうしてアルバムの編成を成し脚光を浴びるとまたイメージが変わる。こうした試みはライブでも役に立つのではないだろうか。『鳥になって』が好例で、数年後のツアーではライブの起爆剤になった。
まだまだ続きますが、10枚という区切りで終わりたいと思います。
以上です。あくまで極私的な所感なので正誤は知りません。
仕事辞めて1ヶ月経ってしまったよ~。早や~。軽やかに飄々としていたいものです。愛を忘れずに過ごしましょう。