mutable instruments cloudsの回路を読んだメモ
良いグラニュラーシンセのギターペダルがないか探していた時に、cloudsの回路もソースも公開されてるからこれをギターペダル化したらいいんじゃないかと思い読み始めた時のメモ
案の定、既に世の中にはやってる人がいて
作る必要ねえなとなってしまったけれど、とりあえず勉強したことは残しておこうと思いここに残します
回路図
Mutable instrumentsの公式で公開されている。ソース等は別途Github上から見ることができます
1.Main Processor
特筆すべき所はない様に思うが、マイコンのVCAPという端子が気になりました。下記のリンク先によると
STM32というのはすごいマイコンで、万が一メインのVCCが電圧降下した場合バックアップ電源のVBATに自動で切り替わる機能、スリープモードなどいろんな電源機能があります。そのため、マイコン内部での駆動電圧は3.3Vよりも低い電圧で動いています。ではなんで3.3V入力できているかというと、内部にレギュレータが入っているからです。このレギュレータを安定して動作させるために、
メインのパスコンと別につけなければならないのが、2.2μFのコンデンサです。
https://www.stmicroelectronics.com.cn/resource/en/datasheet/stm32f446re.pdf
内部のレギュレーター用のパスコンらしい多分脳死で入れとけばOKなやつ、あと他にもパスコンがやたら付いていて、なぜこんなに付いているのだろうと思います。(アートワークを見ればわかるかも)
2.Audio and CV I/O
input(図面左上)
図面上段側は、入出力の増幅回路になっていて入力側は約0.15倍〜2.4倍までを可変抵抗で調整できる様にしている。R54,R56で分圧している。C43,C44はカットオフ周波数130k[Hz]のローパス(ハイカット)かな、その後でDCカットしてステレオアンプのICへ
ちなみに、シミュレーション作りました
https://tinyurl.com/y6q9ow7z
output(図面右上)
C33,C41とR59,R50はDCカットとハイパス?(カットオフ周波数0.4[Hz])
TL072で7倍程度の反転増幅とローパスでカットオフ周波数fcは
$${f_c = 1/2πCR_2}$$ なので、約227k[Hz]になる
最後にカップリングコンデンサとかはいらないのかな?
CV I/O関連(図面下部)
上手いこと-10Vの電源を利用して、0~3.3Vの電圧を作っている
CV入力が0.0 to 5.0 , -1.5 to 5.5 , -5.0 to 5.0と三つあるのがよく分からない
範囲外の電圧が来てもクリップされるだけとは思うが
3.User interface
POTとSWとLED周りが書いてある
RECがFreezボタンでPLAYがTrigに対応しているのが分かりづらかった
SW_RECとLED_RECもどこのことだろう、、(基板を見れば良いだけだけど)
あと、このスイッチの表記初めて見ました
4.Supply
コネクタ周りには逆流防止のダイオードがあるのと、12V→3.3Vに変換するIC(LM1117-3.3)が載っている。初めて見たのが、LM4040B10を利用したシャントリファレンスと呼ばれる回路
シャント・リファレンス
シャント・リファレンスは機能的にツェナー・ダイオードと類似し
ており、最小動作電流に達した後のデバイスでの電圧降下は一
定になります。シャント・リファレンスは、一定の電圧降下として
機能することによって負荷のレギュレーションを行い、負荷に必
要のない過剰な電流はデバイスを介してグランドに分流します。
ツェナー電圧(逆方向での降伏電圧)のゾーンで使うことによって電流の変動があっても電圧がある程度一定に保たれる様な働きをするらしい。一緒についてるコンデンサはパスコン?
おわりに
デジタルモジュールなのでややこしい所はない感じ
個人的には、入出力のインピーダンス設計をどう考えたら良いのか分からないので勉強が必要
改めてMutableの全商品を一人で開発するEmilie gilletは凄いお方だと再認識。自分も少しでも近づいていければなと思います。
※回路図はEmilie gillet 2019 cc-by-sa
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?