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ファイアーエムブレムサイファ~ボーイのすゝめ~

魂のデッキ

 ファイアーエムブレムサイファ。絆で戦う究極のトレーディングカードゲーム…本作は惜しくも2020年をもってサービスが終了してしまっているが、各地で交流会や対戦会がいまだに開催され続けられている、根強い人気のカードゲームだ。
 筆者も長らくこの作品を遊んでいるのだが、中でも5年ほど使い続けている、いわゆる魂のデッキなるものがある。それが、以下のものである。

 ファイアーエムブレム外伝/Echoesの魔導士キャラ、”ボーイ”を主人公としたその名も「ボーイ三姉妹」デッキである。今回は長年愛用している本デッキのコンセプトをnoteにまとめ、全国のボーイファンの一助になれればと考える次第だ。

デッキコンセプト

 「ボーイ三姉妹」というデッキ名から、サイファにある程度精通している方ならば、コンセプトは大方予想できるであろう。そう、「叡智を極めし者 ボーイ」の効果で「ヴァンパ」「フェトラ」「エリウ」の三姉妹とのコンボを目指すデッキである。
 本noteを見ているような、歴戦サイファー読者には不要かもしれないが、本デッキの肝となる、3枚のカードのテキストを確認しておこう。


それぞれ一体ずつ盤面に存在するとき、敵キャラを除去、オーブ破壊、相手手札を捨てさせる効果が使えるようになる。

 三姉妹はすべてのカードが盤面に揃うと、キャラの除去、オーブ破壊、ハンデスといった非常に強力な効果が使えるようになる。効果だけ見ると強力だが、問題はこの三姉妹をいかにして盤面に並べるか、ということである。前提として、サイファには特定のカードをデッキから手札に加えるような、いわゆるサーチカードが非常に少ない。サーチがない中で三種類のカードをすべて揃え、それをさらに最速ターンで盤面に並べられるようにゲームメイクするのは相当な労力であろう。また、よしんばカードがすべて揃ったところで、2コストのカードを一気に盤面に並べるとなると、6コストかかってしまうというのも難点だ。いかに強力な効果だとしても手札の消費と天秤にかけると、いささか割に合わない。三姉妹の難点をまとめると、以下のとおりである。

①三種類のカードを手札に揃えるのが大変!
②盤面に並べる労力と、カードの効果が割に合わない!

 主にこの二つの要因から、三姉妹は揃えば強い、ロマンコンボの一つという評価に落ち着いていた。しかし、そんな三姉妹の難点を解消し、実践レベルまで引き上げることのできる夢のような特効薬が存在する!それが、これ、「叡智の道を極めし者 ボーイ」である。

2コスト払えば退避エリアから2コスト以下のキャラを登場させることができる

 2コスト払えば、退避エリア(他TCGでいう墓地やトラッシュ)から、出撃コストが2以下のカードを出撃することができる、「レメゲトン」という効果を持っている。本カードは「Echoes」で追加された最上級職、「ソロモン」という兵種で参戦している。原作の「ソロモン」は、敵キャラであるゾンビやスケルトンといった異形のものを味方ユニットとして召喚できるというユニークな兵種だ。同作のシスターや女性魔導士限定で習得する「イリュージョン」や「聖魔の光石」の兵種の一つである「サマナー」に近い性能といえば、エムブレマーなら理解してくれるだろう。
 とにかく、異形のものを召喚するネクロマンサー的な兵種を、トラッシュや墓地のような扱いである退避エリアからキャラを復活、使役するという、原作の特性になぞらえたおもしろいデザインのカードなのだ。想定された使い方としては、同じ原作出身のカードである「ドラゴンゾンビ」、「魔女」などを復活させるのがセオリーだろうか。

 話題を戻して、本デッキのコンセプトへ。ボーイの「退避エリアから出撃コストが2以下のカードを一枚選んで出撃させる」効果を利用し、盤面に三姉妹を並べて制圧しよう!というのが、本デッキのコンセプトである。結論だけ書くと、短いね。

ボーイと三姉妹の相性

 さて、三姉妹の難点をいかにしてボーイで解消しようというのか。本項目で説明していこう。
①三種類のカードを手札に揃えるのが大変!
②盤面に並べる労力と、カードの効果が割に合わない!
 
まず難点①。サーチもない中、いかにして三姉妹のパーツをそろえるかであるが、ボーイの効果「レメゲトン」で、三姉妹のうち一体は退避エリアから出撃させることにする。そうすると、手札に揃えなければいけないのは、「退避エリアに落ちた三姉妹以外の」姉妹となる。つまり図にすると以下のとおりである。




 退避に落ちた三姉妹以外の姉妹を手札にそろえればいいので、実質2枚のセットが手札にできればいいのである。オーバークラスの上下セットをそろえるより容易なので、ボーイクラスチェンジ後の5ターン目に2枚用意するのは案外簡単なことなのだ。確率にするといかほどであろうか?50枚デッキを想定するとして手札、オーブ以外の39枚から5ターン目までに三姉妹の一枚が退避に落ちる確率と、それ以外の姉妹が手札に揃う確率は…筆者は数学が苦手なので、もし数値化できる方がいれば挑戦してほしい。
 ともかく、難点であった「三種類のカードを手札に揃える」を、退避エリアの利用によって「二種類のカードを手札に揃える」までハードルを下げることに成功した。体感ではあるが、5ターン目までに上記のセットがそろう確率は10回やって9回ほど。9割を超える割合でコンボができるならば、難点①は解消できたといえるだろう。
 次に難点②。手札を3枚消費し6コストかけてすることか?というなんとも燃費の悪いコンボを、ボーイの「レメゲトン」を使用することで、なんと最速5ターン目に、消費手札は2枚で盤面をそろえることができるのだ。6コスト使うところを5ターン目に出せているので、実質コストの踏み倒しが実現している。

 5ターン目にオーブ破壊、キャラ除去、ハンデスの脅威の制圧を実現。懸念点であった手札の消費とコストを削減することで、よりコンパクトに、スマートに盤面を整えることができた。難点②も無事、解消である。

まとめ

 以上から三姉妹とボーイの相性の良さ、デッキのコンセプトを理解いただけたと思う。本デッキの大本は16弾発売の2019年の3月ごろに考え付いたものなので、このデッキとの付き合いは5年ほどになろうか。サイファは2022年にサービス終了してしまったので、自慢のデッキをお披露目する場が少なくなってしまったのが残念である。
 デッキの回し方まで書きたかったが、文字数が多くなりすぎると大変なので、次回のテーマにしようと思う。マリガン基準やカードの採用理由などを紹介したい。今日はここまで。 
 「1、2、サイファ~」

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