鉛筆画は冷たくなかった@鉛筆画展 心の灯り
『土田圭介 鉛筆画展 心の灯り』(武蔵野市立吉祥寺美術館 2022.1.8.〜2.27)
絵画の展覧会などで鉛筆による習作などは目にしたことがあったのですが、鉛筆画というものを今回、初めてきちんとみた気がします。
この展覧会を訪れる前、鉛筆画にはなんとなく冷たいイメージを抱いていました。おそらく、鉛筆独特のモノクロ感や、鉛筆の芯が物理的にひんやりしていることから、勝手に作品自体にも冷たさを感じていたのだと思います。
土田圭介さんの鉛筆画をみて、そのイメージは払拭されました。そしてその理由を考えてみました。
たとえば、<行方>という大きな作品。
近づいてよくみてみると、
なんだか可愛らしい生きものたちが…!
そのまま視線をおろしていくと、
飛行船だ…!
ちなみに、<行方>の下書きも展示されていて、上の2つの発見をみてみると…
つづいて、<明けの竜>という作品。
龍の手(足かも)をみてみると…
指がまんまるでやさしい。
<ココロノツルギ>という作品。
よくみると…
こんな風にじっくりみていくと、心がふわっと温かくなる小さな発見が全ての作品にありました。
これは<包む>という作品についての、土田さんの解説です。
10Hから10Bまでの鉛筆を使い分けて描く技術だけでなく、土田さんの慈しみのある工夫によって、作品に温かさが生まれているのだと感じました。
最後に…
この展覧会の帰り、<一日の終わりに>という作品に描かれていた虹のような雲が空にかかっていました。こういう偶然ってうれしいです。
以上です。