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幻獣を生活に取り入れる@古伊万里幻獣大全展
『古伊万里幻獣大全展』(戸栗美術館 2022/1/7〜3/21)
幻獣とは伝説、伝承上の動物のこと。『幻獣辞典』(Jorge Luis Borges “El Libro De Los Seres Imaginarios” 1967)にて「想像の存在」と訳されるものたちを指します。
この展覧会では、「想像の存在」に加えて、特別な力を備えている実在の動物が描かれた古伊万里が紹介されていました。
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なぜか幻獣に惹かれてしまいます。先日も「聖獣」の本を購入してしまいました。
今回は古伊万里の作品を通して知った、幻獣について驚いたことを3点ご紹介したいと思います。
古伊万里とは
そもそも伊万里焼というのは、
・日本初の国産磁器(1610年代に誕生)
・白い磁肌に色とりどりの絵付
・伊万里(佐賀県)の港から出荷されたため「伊万里焼」という名前
古伊万里というのは、
・伊万里焼の中で古い作品(江戸時代)
紹介されていた幻獣
幻獣ごとに展示がされていました。
・龍
・鳳凰
・麒麟
・獅子
・鶴
・亀
・鯉
・孔雀
・兎
・虎
驚き(1)龍は4種類いる
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蛟龍(こうりゅう):鱗がある龍
応龍(おうりゅう):翼がある龍
虬龍(きゅうりゅう):角がある龍
螭龍(ちりゅう):角がない龍
日本では雨龍とも言われる螭龍が伊万里焼ではよく見られるようです。
今までぼんやりとイメージしていた龍の姿でしたが、種類を意識してみると、たしかに見た目に違いが…!
お皿の底に円を描くように龍が描かれている作品が多かったです。
驚き(2)獅子は牡丹が好物
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絵画や工芸品では、獅子と牡丹の組み合わせが多く見られるそうです。
理由は諸説あり、
・能作品の一つである『石橋(しゃっきょう)』にて、牡丹の咲き誇る中で獅子が舞う場面の影響
・獅子の好物が牡丹
・獅子を死に至らしめる虫の弱点が牡丹の夜露
獅子と牡丹の組み合わせ、可愛らしかったです。
驚き(3)亀は背に大切なものを乗せてあらわれる
今回一の発見でした。
中国古典である『列子』で、蓬莱山(ほうらいざん)と呼ばれる仙人が住む山を背負う神獣とされている亀は、背に大切なものを乗せてあらわれると言われているそうです。
日本でも、蓑亀(みのがめ)と呼ばれる甲羅に藻を背負った亀は、長寿の象徴なのだそう。
池のある公園や、川沿いをお散歩していると、たまに亀をみることがありますが、今後は背中に何か乗せていないか注目してみようと思いました。
まとめ
焼き物にはあまり興味がなかったのですが、幻獣という自分の関心あるものを通してみると、俄然興味が湧いてきて、食い入るように鑑賞してしまいました。
例えば、煙草盆という普段見慣れないものがあったり、身近なお皿や鉢であっても様々な形(花形、雪輪形、十角、兎形...!など)があったりして、「このお皿は一体何に使われていたのだろう」、「私だったら何を盛り付けよう」と考えてみたりするのも楽しかったです。
生活の中で使用するうつわに破邪招福のモチーフが度々選ばれたのには、健康で豊かな暮らしを祈る人々の願いが込められているのでしょう。
祈りや願いの生活への取り入れ方が素敵だと思いました。そして、自然が生み出す現象をデザインにつなげることで、大地からの恩恵を生活に取り入れているフィンランドと少し考え方が似ているなあ!と感じました。
おまけ
戸栗美術館、とても静かで、落ち着いて作品を鑑賞することができます!
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展示されていた作品についてまとめた資料集がAmazonで購入できるようです!
以上です。