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おみくじで見る作品を決める:月に行く30の方法展
美術館に行くとつい、「すべてを見なくては!」と肩に力が入ってしまいます。展示数の多い展覧会だと特にです。
『月に行く30の方法』展(東京都写真美術館)では、そんな悩みを解消してくれるすてきなアイテムがありました。
今回は展示内容についてではなく、鑑賞や美術館を訪れることが楽しくなる展示のまわりのことについて書きたいと思います。
おみくじ
![](https://assets.st-note.com/img/1708220938090-HMsXCAfP0A.jpg?width=1200)
展示作品の多い今回の展覧会では、来訪者のためになんとおみくじが用意されていました。
![](https://assets.st-note.com/img/1708220982212-nRnluak9LN.jpg?width=1200)
ありがたい
引いてみます。
![](https://assets.st-note.com/img/1708221472656-k2BJ252cIt.png?width=1200)
右:神社でのおみくじ
形状同じ
中身はこんな感じです。
![](https://assets.st-note.com/img/1708221915666-n9fREnMx69.png?width=1200)
こんな風に、3つの作品を提案してくれています。作品のちょっとした案内だけでなく、その作品について考えるきっかけとなる質問が載っていてありがたいです。
二つ目の作品についてご紹介します。
《Caducean City》(2006)
ジェイ・チュン&キュウ・タケキ・マエダ
救急車の車窓からボローニャ特有の中世の街並みを撮る映像作品
サイレンを鳴らしながら街中を走り回るには、市役所、消防署、警察の協力が必要です。
「実現させてあげたいけれど……」とそれぞれの機関が躊躇してしまい、交渉は長期間に。
そんななか、このプロジェクトを気に入ったやんちゃな警察のおばさまの一声で急にみんなが動き出したのだとか!(ニコニコ美術館より)
![](https://assets.st-note.com/img/1708224268617-weA6odaIPA.png?width=1200)
観ていてこちらもうれしくなる
やんちゃな警官のおばさまはおそらく真ん中のグラサンの人
この作品のアーティストのお二方は、様々な人の協力があって完成する制作のプロセスを大切にされたそうです。
上の集合写真風の映像をみると、それがひしひしと伝わってきます。
![](https://assets.st-note.com/img/1708224868791-y7qW9piyiZ.png?width=1200)
心配そうにしているおじさんの気持ちがわかる
バスを見てから、(左)
救急車をみるおじさん(右)
ギャラリーを巡る地域連携プログラム
さて、ふたたびおみくじに戻ります。
『月に行く30の方法』展は、東京都写真美術館のB1F, 2F, 3Fの3フロアで展示が行われています。
![](https://assets.st-note.com/img/1708226676358-Wu9CNThl4b.png)
とすると、「AL」とは……?
私は、all(すべて)の略だと解釈しました。
今回、恵比寿地域にあるギャラリーなど巡ってシールを集めると、記念品がもらえる「地域連携プログラム」というものが同時に開催されていました。
さっそくめぐってみることに!
この日の東京は「春一番」。
強風で月まで飛ばされそうになりながら巡りました。
Koma gallery 藤林彩名「狸のいる風景」
最近、都内で野生のたぬきを2回ほど目にして、なんだか狸に縁を感じていた私は、Koma galleryで開催されている藤林彩名さんの展示をまずみにいくことに。
![](https://assets.st-note.com/img/1708227063919-ZgRH3uRVGI.png?width=1200)
たくさんのたぬきのお出迎え。
入れ違いでギャラリーを後にされた方が
「すごく可愛かったですよ!」
と教えてくれてなんだか嬉しかった。
ひとつとして狸のいる風景に同じものはない…!
様々に映り込む狸にほっこりしました。
藤林さんの「狸をめぐる旅」を応援したくなりました。
![](https://assets.st-note.com/img/1708227812357-zXFKtIr3oR.png?width=1200)
こういう図録のような冊子が売ってないことが多いので嬉しい
MA2Gallery 川内倫子「Tomorrow is another day」
つづいて、以前オペラシティアートギャラリーでの展示を見て、また見たいと思っていた川内倫子さんの個展へ。
「祈りを捧げることについて向き合う場を、来廊者と共有できたら」という作家の思いから、4層のフロアを新旧作を交えて構成します。
とある通り、ギャラリーの1階から4階へと作品を見ながら登っていくのは、聖堂の細い階段を進んで展望台へと行く道にも思えて、まさに「祈りを捧げることについて向き合う場」にぴったりのギャラリーでの展示だと感じました。
![](https://assets.st-note.com/img/1708228526934-zwM1xHrGTW.png?width=1200)
上に伸びる花が、祈る人の手のよう
トートバッグ
![](https://assets.st-note.com/img/1708228679132-SGSAKbLFoQ.png?width=1200)
無事に、ミニトートバッグを頂戴しました。
![](https://assets.st-note.com/img/1708228765297-2mvWVUvZBe.png?width=1200)
まとめ
映像祭をめぐる前におみくじを引いてみましょう。あなたの運勢とあなたへのおすすめ作品が書かれています。おみくじをきっかけに作品との偶然の出会いが生まれ、その作品をじっくり見ることで見方・理解を深め、作品との縁を深めます。
偶然の出会いから、作品やギャラリーとの縁を深めるきっかけを与えてもらったすてきなお祭りでした。別の展覧会でも、自分なりにじっくり見る作品を決めたり、関連するギャラリーに足を運んでみたいと感じました。
来年の恵比寿映像祭も楽しみです。
おまけ
恵比寿ガーデンプレイス センター広場にて、オフサイト展示されていたジェネラティブアートの作品。
![](https://assets.st-note.com/img/1708228941077-uFA3cdRNQF.png?width=1200)
以上です。