Jリーグの日程について考えてみたら(不信感の本質編)

 今まで、丁寧に、試合をどのように準備をするか?から始まって、スケジュールを実際に組んでみてどうなるの?といったことを話してみたが、もう流石にネタが尽きたのでここでいったん終了としたい。

 前々回と前回で、選手はロボットではなく人間である。ただし、ギャンブルの対象であることは意識しているんだろうか?ということを書いた。おそらく、選手会なり新人教育なりでそれなりに言われているんだろう。Jリーグを通過点にしたい選手は、ブックメーカーがある海外では当然意識せねばならないことだから。選手はそれなりに触れられる機会はある。なんだけど、主催者の意識が遠いような気がしている。公平な開催は確保されているんだろうか?

 今回は、まとめのつもりで書いているので、個別には挙げるつもりはないし、そもそも、気球観測で記事にしたり、コタツもどきが記事にしたりと、報道についても不信感は貯めているのでいちいち元記事についても引用するつもりもない。
 なんだけど。移行に向けたロードマップはあるはずなのに出てくる感じもないし、あるにしてもまじめに議論していけばある程度軌道修正や検討の時期が生まれてくるはず。これは、ここでも書いたようにカレーを作るといった日々の生活から、日々の仕事、もっと大きなことを言えば多くの国家プロジェクトだって、軌道修正しながらいろいろとやっている。ただ、不思議なことに、そういった懸念が出てこない。懸念は出てこないけどこういった予定を発表をしている。

 おそらく、JFLについては、上から突っつかれて出さざるを得ない状況だったので多少の情状酌量の余地はある。けれど、ある程度決める必要があるとはいえ、今までの過程が出てこないタイミングで発表するのは炎上するのが目的としか判断できなかった。特に、シーズン移行に反対している人たちは、時間切れで強行する姿を想像しているんだろうと思う。

 どうして、そういった思考になってしまったのか?多分古い人じゃないとわからないが、過去にもこういったシーズン移行についての議論があって、村井チェアマンが2017年に公表している。

 ここから多少の引用を用います。理由として9つを挙げているが、試合日程の懸念については、今までの議論と重なるのでここでは省略する。
 ・移行しても開催期中の移籍は変わらない。
 ・学校年度と半年ずれてしまうマイナスは大きい。
 ・企業との期のずれも、修正は難しいとの見方が多い。
 2017年から7年は経過している。この間に議論は進んだんだろうか?移籍については、YouTube配信で軽く見た以上はクラブの責任だと押し付けているようにしか見えなかった。ただ、移籍に関しての議論はそこまで重くないと僕は考えている。
 一番の懸念は学校年度(4月始まり)や一般企業の会計年度(4月始まりが主流)の違いが一番と思っている。ただ、会見録には記載はなかったが、施設を借りるための自治体の年度(4月始まり)の違いもある。ただ、関係者に聞いたところ、学校年度の違いに関しては、選手個人についてはあまり影響がないとのこと。実際にこういったリリースも出てるぐらいに対応するという回答も出てる。

 一応、大学での選手活動を完走させてから加入という結論となった。けれど、この場合、選手枠のフォローはできているんだろうか?(結構ユルイ規定になったとはいえ)と、一つの答えが出たところで、「そういえば別の規定があるんだけどどうなの?」という疑問は当然出てくる。(そもそも過密日程が見えているので、既定の見直しは待ったなしだと思う)あと、Jリーグでは直接関係ないが、大学の社会人登録チームはどうするんでしょうか?

 一方、会計年度の違いは結構大きいと思う。現在はサッカーの年度は2月始まりになっている。少なくともシーズン移行したら会計年度を6月始まりにしなければならない。そうなると、既存のスポンサーはともかく、新規のスポンサーは厳しいのではないか?と考えている。
 2月始まりとはいえ、来シーズンの進むカテゴリーが決まるのは12月初め。営業がさらに力を加えながらスポンサーを入れる時期になる。
 一方、企業側は、大体この先3Q(9か月)あたりを見据えながら予算を組むものなのだが、あんまり動かせない。しかも期中だと予算増額なんかも難しい。ただ、決算から逆算するしてみよう。4月末に前年度の決算と合わせて、来年度の予算が出る。そこに合わせるためには、遅くとも決算と同時に(会社全体ではなく)部内の予算を策定しなければならない。来年の予算に乗せるなら3か月で決裁を取って承認する。そう考えると12月に来年のカテゴリーを考えて営業をかけて2月とか3月とかにリリースで「スポンサー継続のお知らせ(総額)」みたいなことができる。2月始まりの会計だと、こんな感じでそれなりに見直しができる。しかし、5月にカテゴリーが決まり増額したいと思ってもそうはなかなかできないだろう。どっかを削りながら調整して増額を頼むことになりそうだけど、結構そこまでは振り込めなさそうである。
 もう一つ言うと、自治体との連携だが、スタジアム確保に、それなりの調整が必要になる。一番わかりやすいのはジャパンラグビーワンリーグ。12月開幕で5月に閉幕する形となるが、3月や4月の日程が未定となっている場合が多い。追記でいろいろと決まっていく感じになるが、どうしても優先順位にかかわるところもあるので難しいところではある。今般、Jリーグの日程が出たわけだが、一部疑問が残る事象があるものの、開幕前の時期で、8月までの日程がすべて出て、9月以降は、時間までは未定であるものの、大体が開催スタジアムまで出ている。これは、今の開催スケジュールがうまくできている証でもあるんじゃないかと考えている。

 結局は、Jリーグには詳しくない人でさえ、これだけの建設的な疑問質問に対して、何も開示せずに、白色テロとまでは言わないが、異論を排除する。それに近い部類に入っているんじゃないか、とまで考えたくもなる。うまくコミュニケーションを取れてない、というより、取ろうとしない。延長も覚悟でしっかりと丁寧に疑問質問に取り組む。少なくとも、JFAにとっては、weリーグが先行でシーズン移行しているわけだし、そこからのフィードバックはあるはずなんだけど、開示さえしていないし、まともに追っかけているメディアもない。
 今のまま強引に進めていったら、分断されてしまうのは容易に想像される。損得で考えると、あまり影響のないチームはある程度あると思う。ただ、影響が強く出てしまうチームは絶対にある。分断の結果、その地域ではサッカーがタブー視されるのではないか?とまではいかなくても、プロを目指すと大風呂敷を広げて、一度潰れてしまったら、ほかのチームがチャレンジするのにスタートが0ではなくマイナスになってしまう。分断はできれば避けた方がいい。もし、避けたければ、期間を決めず、各地域を回って、いろいろと体感することから始めていく必要があるんじゃないかと思う。こんなのは今更だと思うけど。

 そういえば、この件に関してメディアカンファレンスが行われたんでしょうか?多分行っていないだろうと思うけど、細かいことからいえばこういうことだと思ってる。

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