Jリーグの日程について考えてみたら(おまけ)
投稿来てた。
秋春制のデメリットばかりに着目しすぎているようです。秋春制にもメリットはあります。春秋制にもデメリットがあります。両制度の長所短所をより中立的な視点から比較し、冷静かつ総合的な判断をしていただければと思います。 https://t.co/n5IG2cX4CD
— 秋春制推進派 (@akiharusei8) January 26, 2025
3か月かけて書いてみたnote。一から分析して、検討した結果、やっぱりこの結論になった。それをこの回だけでもう一回やり直せはない。もう一度全部読んで自身で消化したうえでそれでも疑問があるのを確定させてから投稿しましょう。と言いたいけど、言ってしまったら終わってしまう。
まずは僕の中での結論から。前回書いた不信感のことはまず置いておいても、それ以外を拾い出したら「禁忌肢」ではないか?と思っているのが現状である。「禁忌肢」とは何か?簡単に言っちゃえば格付けで「これはアカン」なものである。老舗のすき焼きを当てろと言われてカンガルー肉のすき焼きを選んだり、著名料理人のチャーハンはどれかと言われて芸人お手製のチャーハンを選んだり…のレベルである。googleAIを通すと医療系の国家試験で採択されている制度で「選択問題で選ぶと即不合格になる選択肢」というもの。どうしてそんな問題があるか?簡単に言えば、その選択をしたら致命的な症状になったり、そもそも倫理的に許されないことだったりと、そんな人を医師や薬剤師にしちゃいけないから。具体的な例は専門的になってしまうけど、一番わかりやすいのをもっとかみ砕いて。
『大規模事故があって、トリアージをしなきゃならない。呼吸があるが、四肢に直ちに処置が必要な危機的状況だ。この時トリアージタッグの色は?』 正解は赤(最優先治療群)で禁忌肢は黒(不処置)。救命の可能性があった患者を放置し死亡させることに直結するため禁忌。
さて、今回実施しようとしている「ウインターブレークを入れたシーズン移行」が禁忌と思ったのか。とその前に、この方の希望をかなえるところから。
端的にメリットを書き上げると
1)猛暑の試合を少なくする
2)海外移籍でチーム再構築の回避
3)欧州とシーズンを合わせられる
4)ACLと日程を合わせられやすい
となるわけだけど、1)については、今まで丁寧に検討した通り、どっちにせよ猛暑の試合は避けられない。シーズン移行すると、さらに過酷な連戦がついてくる、という結論になった。2)については、前回書いたとおり、シーズン移行しても選手はチャンスがあれば抜ける。夏でも冬でも関係なくなってしまった。
3)についてだけど、シーズンを合わせるメリットは、選手再構築ではなく、チームの作り方を学んでほしいという意図があるのでは?と思っている。これは飛ばし記事で欧州でキャンプを行うと費用援助するなどといった憶測記事が飛んでいることからも判断できる。けど、チーム御一行様がわざわざ訪ねなくてもいいんじゃない?と思っている。指導者Proライセンスにわざわざ海外視察を入れているんだから。4)については、焚きつけたのがどこだ?と考えればこれ以上は言わなくてもわかってるよね?となる。
本編の「ウインターブレークを入れたシーズン移行」が禁忌となるのか?今までの議論を総合してまとめると、3つある。今まで検討した通り、過密日程にならざるを得ず、過密日程に起因する。
ひとつ目は、過密日程ゆえ、シーズン中にチームを作り上げる余裕がなく、超過密日程で選手もチームも適切な成長が望めるか?という点。強いリーグを作れず、ACL等でも戦えず、アジア市場において立場を弱くするという意味で禁忌となりうるのでは?と思っている。
次に、過密日程ゆえ、ウインターブレーク明けに何かが起きた場合、最終節終わっても全日程が消化できない事態に陥るのではないか?という懸念。順位確定させずにシーズンオフも入れない。最終節が中止になって、月曜日に代替試合をした以外はこういう事態は起きていない。中1日でも強行するのか、試合規定に「天災等での中止は引き分け扱いとする」を追加するのか。
最後は、過密日程を避けることで、リーグ再編を行う。その結果、成績がちょっと悪いだけでJリーグやJFLから追放せざるを得ない事態になるのではないのか?これはまさしく、医師の国家試験の禁忌肢例で挙げたトリアージ失敗と同じようにチームを殺すことになるのではないか?と思っている。一応、ダメージを最低限にした案はここに作っている。それでも、J2で下半分になったらJ3降格は辛いと思うよ。
で、この方、このポストに続きが書いてあった。
雪の問題のような物理的に対処が困難な事案と異なり、年度の問題はルール変更・話し合い・工夫で対応可能。雪に比べれば年度の問題はより対処しやすい課題。
— 秋春制推進派 (@akiharusei8) January 26, 2025
それに他国を見ると、国内リーグが会計年度や学校年度とずれていても問題なくやれている。日本だけが対応できないというのは、明らかに甘え。 pic.twitter.com/KssLSN7RZJ
甘え、ねぇ。甘えについての議論はしない(合わせるつもりはない)けど、年度がずれるっていうのは気楽な問題じゃないんだよなぁ…と考えていたがものすごくわかりやすい例があった。日本経済新聞のこの記事を。
大阪公立大が秋入学を導入しようとしているのだが、実は帰国子女を対象に9月入学を行っているところは上智大学など結構ある。リンクはしないが、デメリットとして、やはり出るのが就職の問題。一般的な就活の時期が論文の追い込み時期になっているのがどうしてもネックになっている。採用には特別な配慮をするか、どこかで半年のモラトリアムを取るかになりそう。耐えられるかどうかは別にして。(国内他大学院への進学もどうするんだろう?)
もし、多くの大学が秋入学も実施する方向に広がったら就職活動も様変わりになるのは明らかで、採用計画も今まで100人だったところ、春70人秋30人とかになるのでは?と思うし、おそらく会社の採用担当や教育担当は準備時期が無くなってしまうのではないか?とも思う。とはいえ、基本的に、高校卒業からすぐに入学する流れは変わらないので、帰国子女および海外から選んでくれた人向けになりそう。
と、大阪公立大をやり玉に挙げてしまったのは申し訳ないが、一部の組織が年度を変えることでこれぐらいの影響力があるのは容易に想像できる。これを甘えと言って切り捨てるのはあまりにも理不尽である。もっとも、大阪公立大でなく、半数以上の大学で半期ごとの入学になったらさすがに変えないといけないが、大学側にそこまでの体力があるかなぁ…。
さすがに、60+16チームだけが先んじてシーズン移行するのって、うまくいくとは思わない。てか、少なくともweリーグおよびなでしこリーグの状況を公開することから始めるべきじゃないのか?
以上で、この方への回答としたい。