Jリーグの日程について考えてみたら(邪魔なもの編)

まずは前回の答えから。

問題1 20チームが集まって2回戦総当たりのリーグ戦を行いたい。
①何試合を行う必要がある?
②1日1試合しかできない条件として、最短で決めたい。何日あればできるか?
問題2 88チームが集まってどのチームが1番かをトーナメント戦で決めたいと思う。
①何試合行う必要があるか?
②1日1試合しかできない条件として、最短で決めたい。何日あればできるか?

Jリーグの日程について考えてみたら(フレンドリーマッチ編)|tsugi

答えは以下の通り。
問題1:今年(2024年)のJ1~J3の試合と一緒なので数えて…じゃなく、あるチームから見れば19チームと戦う必要がある。それが20チームあるので20×19。本来ならこれだけだと2倍に計上されるので、半分にしたいところだけど、2回戦総当たりと言っているので20×19=380試合
最短日程は、単純に38試合に固定されていて、なおかつ空きの日程が無いので、そのまま38日が正解となる。
問題2:今年(2024年)の天皇杯の(ry。
1試合で必ず1チームが退場させられる、残りは1チームになる。
なので88-1=87 の87試合
最短日程だけど、1日で半分になる。さかのぼれば2倍になる。1→2→…と考えると7日が正解。

 さて、複数のチームを集めてリーグ戦なりカップ戦なり戦うとして、主催者なり実行委員会なりで取りまとめてやらないといけないものとして、
 ・審判や用具など公平性ににかかわるもの
 ・中立地で行う試合で必要なもの
があるけど、取りまとめとして決めなきゃならないこと。それは
 ・日程を提示すること
である。試合間隔を適切に設けないと公平性を欠くものになる。当たり前だけど、時間は有限であるし、契約云々は置いておいても、10年とかかけて決めるわけにはいかない。

 スタートの時期はひとまず置いておいて、ごく一部を除いて1年間で年間の大会を一通りこなしている。Jリーグで言えば、リーグ戦・ルヴァンカップ・天皇杯がある。その中で日程を全部決めてあげないといけない。なんだけどいちいちカレンダーとにらめっこするのはしんどい。なので、シンプルに考えよう。

 まず、1年は365日だが、52週間と考える。52週なら日数に直すと364日なので、余りの1日は選手に分けても文句は言わない。
 次に、シーズンを始めるにあたって、選手を確保しなきゃならないし、何よりも昨シーズンまでの疲れを無くした状態で始めたい。なので、4週間の休みが必要になる。次に準備段階として、チームの練度を高めるために4週間の準備期間を与える必要がある。そのため、実際に公式戦を使える日程は44週となる。

 ところで、サッカーの試合頻度を考えたい。
 90分の間にスプリントをこなしながら10キロも走り、コンタクトを取ったり取られたりしながらボールを蹴って行うので、週に2回が限度だと考える。(例外もあるけど、一通り落ち着いたら考えたい)
 これを考慮して1週を2つのブロックにして考えると88のブロックに分けることができる。あえてブロックに名前をつけるならウイークエンドとミッドウイークに分けられる。各ブロックに1試合しか入らない。
 必要な試合をこの88のブロックに入れればいいが、そうは単純には収まらない。

 入れるべき試合についてを考えてみよう。試合に関しては、2024年は以下のものがある。

2024年の主要大会一覧

 当然、ノックアウト方式(決勝T含む)だと、負けるとあとは試合できないのだが、それを考えると「出る前に負けること考える馬鹿いるかよ」となるので、日程を考えるときは全部決勝まで勝ち上がることを想定していなければならない。それでも参加試合数を考えると、最低40試合は確保したうえで、一番厳しいJ1の『前年J1チャンピオン・天皇杯優勝チーム』は最大63試合。88のブロックの中に63埋めればいいだけなのでそんなに難しくないと思うじゃない?ところが…

 クラブだけの大会のほかに国別での大会もある。FIFAはあらかじめ、FIFA International Match Calendar(IMC)を定めており、通常の年については、3・6・9・10・11月に1週ずつ設けられている。この時に国別の代表戦を行う場合、招集拒否はできないルールになっている。理想を突き詰めれば、トップカテゴリーの試合は開催すべきではない。
 ところで、1週間といってもそんなに単純ではない。実際には、1週間の間に2試合行わなければならないため、以下のスケジュールをモデルケースとしたい。
・前週の試合が終わったら即刻(月曜日)招集
・木曜日に試合①を行う
・翌週火曜日に試合②を行う
・すぐに(水曜日)解散し各チームにもどる
となると、IMCと言いながら、IMCとIMC翌週のミッドウイークが埋まってしまう。(『通常の年』と言っているのは『通常の年』で無い時があるわけだが、別途考察したい。)

IMCを図にするとこんな感じ

 とにもかくにも、枠を作って、枠を入れようとする試合も空けなきゃいけない条件もわかった。まずは日程を具体的に考えないで枠を埋めてみよう。

 2月開幕で考えてみたら、88の枠から5回のIMCを引くと73の枠が残る。もうちょっと詳細に言えば39のウイークエンドと34のミッドウイークがある。73の枠に対して63の試合を埋めようとしたら厳しいけど何とかなりそうだね。

 一方、開幕時期を移行したいと言っているので、8月開幕を想定してみる。移行に際してウインターブレークとして8週間取るって主張しているので、16の枠が消える。そのうえでIMCの枠を引く。6月は避けられるので4回分を引かなきゃならない。そうなると、60の枠が残る。さて問題、60の枠に63の試合を埋めるには?

 とりあえず、開催時期を変えなければ今のままで何とかできそうなので、次回、2025年の日程を予想してみたい。とはいえ、大体前例を踏襲する形なので、今年の組み方とそんなにブレない結果となると思う。
 一方、開幕時期を2月とした場合、ちょっとした工夫が必要になる。単純に輻輳するしかないのだが、今の日程でも結構やっているのでそこまで騒ぐことはないと思う。


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