Day2 新事業の5メソッド
――――――――――――――――――――――――――――◆
本日の内容
2-1. いきなり“調査”や“分析”はNG、ポイントは“関係性”
2-2. 新規事業創出過程で、絶対やってはいけない3つのこととは?
2-3. 新規事業の多くの失敗の原因は?
◆――――――――――――――――――――――――――――◆
【2-1】
いきなり“調査”や“分析”はNG
ポイントは“関係性”
前回ブログで、新規事業の必要性と難しさについてお話させて頂きました。
「覚悟を決めて新規事業をやる」と決心して、セクションやグループを組むと思います。
そして、みなさん最初に何をやりますか?
多くの企業では、
・自社の現状分析
・市場分析、トレンドの把握
・自社固有の技術・コアコンピタンスの洗いだし
・・・・・・・・・・・・
恐らくこんな感じではないでしょうか。
もちろん、絶対やるべき内容です。
ただ、最初にやるのは「関係性の構築」です。
マサシュ-セッツ工科大学のダニエルキム教授の
「組織の成功循環モデル」というものがあります。
関係の質→思考の質→行動の質→結果の質のサイクル
組織の循環モデルには、グッドサイクルとバッドサイクルがあります。
バッドサイクルは、結果だけを求め、「結果の質」を向上
させようとすることから始める。
しかし、なかなか成果が上がらず「結果の質」が低下すると、
対立や押し付け、命令が横行するようになり、「関係の質」が低下する。
一時的に成果が上がるかもしれないが、それはメンバーが追い詰められた
状態で出した成果にすぎないので、持続せず、
結局同じサイクルに入ってしまう。
「関係の質」が悪化すると、メンバーは考えることをやめ、
受け身になってしまい、仕事がつまらないと感じ、
「思考の質」が低下する。
受け身なので、当然自発的・積極的に行動しなくなり、
「行動の質」が低下して成果が上がらなくなる、
つまり「結果の質」がさらに低下するのです。
皆さんの組織・グループはどうでしょうか。
結構“あるある”なのではないでしょうか。
嫌いな人と仕事するって、嫌ですよね。
グッドサイクルは、「関係の質」を高めるところから始める。
「関係の質」を高めるとは、相互理解を深め、
お互いを尊重し、「思考の質」が向上する。
面白いと感じるので、自分で考え、自発的に行動するようになり、
「行動の質」が向上する。
その結果として「結果の質」が向上し、成果が得られ、信頼関係が高まり、
「関係の質」がさらに向上する。
理想的で、素晴らしい姿と思いませんか?
遠回りをしていると感じるかもしれませんが、
何よりもまずメンバーとの人間関係の質を高めることが、
成果を持続的に出していくための近道なのです。
特に新規事業の場合は、既存事業のようにオペレーションが
確立されてないケースが多いと思います。
全てをゼロから立ち上げる場合、先ずは「関係性」がよくないと、
何事も前に進みません。
言われてみると当たり前ですが、多くの企業では盲点になっており
積極的に「関係性」を構築する仕組みがないケースが多いですね。
【2-2】
新規事業創出過程で、絶対やってはいけない3つのこと
それでは、「関係性」をどうやって構築していくのか。
まずは、大前提となるやってはいけない3つのことをお話したいと思います。
1つ目は、「否定しない」
これって結構「軽視」されてる傾向があります。
新規事業を創出する過程では、様々な壁を乗り越えることが必要になってきます。
⇒次回ブログで改めめてお話していきますね。
その度に、メンバー間同士で協力して壁を乗り越えていかなければ
いけないですね。
そのために、自分の考えたことを発言した時、
相手から「否定」されたらどんな気持ちになりますか?
・自分の意見の正当性を主張し、全体最適化ができない。
・否定された相手の意見を「感情的」になって否定する。
・もう発言はしない、と決めて消極的になっていく
・・・・・・マイナスしかないと思いませんか?
チーム或いはチームリーダーは、まずはこの「否定」をなくすことに
最善を尽くすことが重要だと思います。
皆さん、「心理的安全性」って聞いたことありますか?
チームのメンバー一人ひとりがそのチームに対して、
気兼ねなく発言できる、本来の自分を安心してさらけ出せる、
と感じられるような場の状態や雰囲気をいう言葉です。
米グーグルが2012年から取り組んできた労働改革プロジェクトの結果が
2016年に公表され、この「心理的安全性」をチーム内に担保できるか否かが
生産性向上のカギと報告されたことから注目を集めた言葉です。
グーグルも「否定」をしないことに取り組み、見事に成功した事例です。
みなさんの会社・チーム・会議で「否定」はありませんか?
自分自身「否定」されたことないですか?
「否定」をしない、心に刻みましょう。
2つ目は、相手をコントロールしようとしない
3つ目は、相手を変えようとしない
似た考え方なので、2つ一緒にお話させて頂きますね。
この根底にあるのは、「自分が正しい」「人を信用できない」です。
小さいときからの両親の影響も受けやすい部分でもあるので、
奥深いものがあります。
もし自分に対して、相手がコントロールしてきたり、変えようとしてきたり
したら、みなさんどう思いますか?
きっと、
・自分の価値観押し付けるな!
・自分だけ正しいと思うな!
・こっちにも、言い分があるのに!
・詳細状況を把握せずに、何でそんなことが言えるのか!
・・・・・・
反発心が起きませんか? 相手を遠ざけようとしませんか?
私だったら、こんな相手嫌になります!!
一方、自分が他人に対して同じような行動や発言はしてませんか?
正直、過去の私は沢山やってきた自覚があります。。。
みんな人間なので完璧はありません。
ただ、相手をコントロールしたり変えようとしたら
結局は相手が反発し上手く行かない、と心に刻み
毎日を意識して過ごすことは必要だと思います。
私はこれを実践する様になって、ずいぶん楽になりました。
相手の反対意見に対しても
「なるほど、そんな考えがあるんだ!」
「面白い発想ですね!」
「〇〇さん独自の発想ですね、さすが!」
と言える様になってきました。
そうすると、相手の反発もなくなり、自分自身の成長も感じられ
凄く気持ちが前向きにもなったんです!!
今まで、いかに相手をコントロールしたり、変えようとしてきたかを
実感しました。
「相手をコントロールしようとしない、変えようとしない。」
非常に重要な考え方で、即効性があるものだと実感してます。
みなさんにもぜひ実践して貰いたい、と思います。
【2-3】
新規事業の多くの失敗の原因は?
新規事業は失敗の連続です。
でも、失敗には良い失敗と悪い失敗があります。
良い失敗とは、チームメンバーの関係性がよく、途中の失敗に対して
その都度、チーム一丸となって必死に修正・改善・方向性の見直しする。
それでも、時には全面見直し、撤退の決断もあるでしょう。
この場合は、新規事業戦略の不足点・修正点が明確にもなって、
改めて再チャレンジできると思います。
悪い失敗は、関係性が悪い場合です。
チーム内で否定や、相手の責任追及が始まり、どの理由で失敗したか
本当の理由がチーム内で共有されることはありません。
自分を正当化することに必死になるでしょう。
改めて新規事業に再チャレンジしようとしても、同じメンバーでは
継続が難しく、新たなチーム編成を行うにしても、
そのチームに引き継ぐ内容の質は低いものとなります。
私の実感ですが、
「この関係性の構築ができてなく、新規事業が創出できない」
企業・チームは非常に多いと思ってます。
最初からつまずいているのです。。勿体ない。。
今までお話してきた通り、「関係性の構築」が最初にやるべきことです。
ここを無視或いは軽視してしまうと、新規事業の失敗の確率は非常に
高いものとなってしまいます。
まず、「関係性の構築」
必ずやりましょうね!!
本日の学びをまとめてみましょう。
◆――――――――――――――――――――――――――――◆
・新規事業の創出には、まず「関係性の構築」が必要
・新規事業創出活動中に、やってはいけない3つのことがある。
「否定」「相手をコントロールしようとする」「相手を変えようとする」
・新規事業の失敗には「良い失敗」「悪い失敗」がある。
やはり「関係性の構築」!まずやろう!!
◆――――――――――――――――――――――――――――◆
Day.3に続く