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【IPA】プロジェクトマネージャー試験合格までの勉強法
2024年度秋季のプロジェクトマネージャー試験に合格したので、その際の勉強方法を紹介します。小さい子供がいるため育児に追われてなかなか勉強時間を確保しづらい環境ではあったのですが、合間を縫って勉強しなんとか合格できたので、同じような環境の方の参考になれば幸いです。
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プロジェクトマネージャー試験とは
プロジェクトマネージャー試験は情報処理推進機構(IPA)が実施している情報処理技術者試験の区分の一つです。試験は午前Ⅰ, Ⅱ, 午後Ⅰ, Ⅱの4つからなり、午後Ⅱは論述形式(小論文のようなもの)となっています。データベーススペシャリストなどの知識を問う試験とは異なり、自身の経験をいかに論述できるかが問われます。
勉強にかけた時間
試験の1ヶ月ほど前から勉強を始め、毎日子供が寝た後の1時間程度を勉強時間にあてました。基本は参考書を読み込み、最後の週の休日は子供の世話を妻にお願いしてコワーキングスペースで午後Ⅰの過去問、午後Ⅱの論述作成を行いました。勉強時間は合計で40〜50時間程度だと思います。
使用した参考書
使用した参考書は「情報処理教科書 プロジェクトマネージャ 2024年版」です。
こちらの本は基礎知識パート、午後Ⅱ対策パート、午後Ⅰ対策パート、午前Ⅱ対策パートの4部構成となっており、それぞれ事例も踏まえながらわかりやすく記載されております。特に午後Ⅱ対策パートでは論述問題の時間配分やよくある失敗例などが詳しく説明されており、非常に参考になりました。あと、各章の間に入っているコラムではプロジェクトマネージャー試験に対する筆者の情熱が伺えて面白かったです。
その他の勉強リソースとしては午前Ⅱ対策として過去問道場も活用させていただきました。ただ、今年から過去問の解説閲覧が有料になったようで、学んだ知識があっているかどうかの確認程度にしか使えませんでした(有料会員登録すれば解説も見られますが、上記の参考書の購入特典で過去問と解説がダウンロードできたので不要でした)。
試験対策
午前Ⅰ試験
2年前にデータベーススペシャリスト試験に合格していたのでぎりぎり免除でした。
もし免除でない方も午前Ⅰの過去問道場を合格点出せるようになるまで解いていれば大丈夫だと思います。
午前Ⅱ試験
午前Ⅱ試験で必要な知識は、参考書の基礎知識パートを読むことで身につけました。基礎知識パートを読み終えた後は参考書購入特典のテーマ別午前Ⅱ過去問を解き、間違えたところは解説を読んでまた解き直すということを繰り返しました。一通り解き終わる頃には過去問道場で合格点取れるようになっているはずです。
午後Ⅰ試験
午後Ⅰ試験は過去問を3問くらい解いてみて、なんとなく解答例と似たような答えが出せていそうだったのでそれ以上は対策しませんでした。基本的には国語の問題になっているので、特に専門的な知識がなくても設問で聞かれている内容を本文中から探し当てることができれば大丈夫です。
午後Ⅱ試験
午後Ⅱ試験は出題文に記載のテーマに沿って自身のPM経験を論述する形式となっています。私はPMをした経験が一度しかなかったので、その経験談一本を論文形式に磨き上げることで試験に臨みました。小論文を準備する際のポイントとしては以下を意識しました。
取り組みが具体的であること
内容が一貫していること
PMの基本を理解できていること
1については、なるべく具体的な内容を書くことで実際に取り組んだことが伝わるように意識しました。具体性がないと誰でも書ける文章になってしまい、論述の現実味がなくなってしまうためです。ただ、あまりにも細かいことを書きすぎても分かりづらくなるので、本筋と関係ない内容については省略しながらバランスよく説明することを心がけました。
2については、プロジェクトの目的、課題、解決策が一貫性を持つように気をつけました。目的や課題に関係ない解決策があったり、逆に解決策のない課題があったりすると散発的に思いついたことを書いているだけのように見えるためです。
3については、PMの基礎を理解した上で今回のプロジェクトではどう応用したかということが伝わるような書き方を心がけました。これもやや2に近い話ですが、PMの一般論を説明せずにただやったことを書くだけでは思いつきで取り組んでいるかのように見受けられてしまうため、「普通はこうあるべきだが今回の場合は状況が特殊なのでこうした」という風に書くことで基本を理解した上で応用できているということを説明するようにしました。
試験本番
午前Ⅰ試験
免除のためなし。
午前Ⅱ試験
過去問と似たような問題が多く、特に不安を感じることなく解けたと思います。逆に過去問になかった問題やPM系以外の部分は分からない問題もありましたが、6割取れていればOKと割り切って午後からは頭を切り替えて臨みました。
午後Ⅰ試験
午後Ⅰでは問1、問3を選択しました。パッとみた感じで、問1はUX向上のために顧客を巻き込んで開発を進めるというストーリーが読みやすく、問3はアジャイル寄りの考え方で馴染みがあったのでそれぞれ選択しました。
問1は開発の各段階におけるテストの狙いを問われる問題となっており、それぞれ対応する文章を参照することで回答することができました。似たような回答になってしまう問題が複数あり不安になりましたが、PM試験はそういう問題も多々あるためあまり気にせず記述いたしました。
問3では従来型の開発では対応できない部分を適応型に近い開発の仕方で対応するという話だったので、よく言われる従来型と適応型の違いを意識して回答しました。
午後Ⅱ試験
午後Ⅱでは問1を選択しました。問1は予測型の開発という題目ではありましたが、扱うテーマは不確実性への対応という話だったので用意してあった適応型の開発がうまくマッチする内容でした。問2のテーマはメンバーに応じたリーダーシップについてでしたが、私が経験したプロジェクトはメンバー数が少なかったのであまり書けることがなさそうだと思い選択しませんでした。選択した後は、ある程度テーマに寄せて用意した小論文の内容を記載していきました。
余談ですが、最初は問1も用意したプロジェクトではうまく書けないんじゃないかと思い焦りました。そうならないためにも余裕がある人は傾向が異なる複数のプロジェクト経験を用意していくと安全だと思います。
さらにおまけですが、下敷きも敷かずに鉛筆で書いたり消したりを繰り返していたら、文字が写りまくってかなり汚い答案になってしまいました。合格できたので良かったですが、気になる人は答案用紙を重ねず記述するなど気をつけた方がいいと思います。
最後に
勉強する時間がなかなか取れずダメ元で受けたPM試験でしたが、参考書の要点を押さえて論述を準備していったおかげで受かることができました。
私の場合はPM経験が一度しかなかったのですが、その一度の時に分からないながらも色々調べたり考えたりしながら取り組めたことがいい経験になっていたのだと思います。あと、アジャイル的に進めたプロジェクトだったことも最近の出題傾向とマッチしていたように思います。
論述形式の試験は初めてでしたが、大量の文章を読んだり書いたりするだけでもかなり大変でした。そういう意味では、ここ数年読書する習慣をつけて適宜読書メーターで感想を投稿していたのがプラスに働いたかと思います。
以上が私のプロジェクトマネージャー試験合格までの勉強法となります。皆さんのご参考になりましたら幸いです。