造花
造花が好きです。
生花も好きですよ。芽吹いて、咲いて、散っていくことが、懸命で儚くて。羨ましいと思います。
突飛な感性かもしれませんが、造花は阿呆みたいで可愛いと思っています。
造花は自分の色も形も知らなければ、太陽と反対に向けて咲かせていても、水がなくても平気な顔をしていて。(造花なので当たり前なんだが)
よく出来た造花は本当に本物みたいで、なんなら本物よりも美しく鮮やかなものまであります。
それでいて阿呆なんだよな。
うちの窓辺に飾ってある造花も年中同じ顔をしています。うーん、可愛い〜。
けれども彼らには『花』であって欲しいので、季節が過ぎたら捨てるようにしています。この行動、きっしょいけどね。許してね。
感性、突飛すぎだろ。
私はなんだかんだ生身なので、歳をとると枯れていきます。
でも枯れていく様も、きっと散り際も、誰にも見せることはないので、造花と同じ。
「羨ましい、あんなふうに懸命で儚く生きられたらな」
を詰めて煮詰めて本物のようにつくりたてたわたし。
本物より美しくなれたら、
いつか窓辺に飾ってください。