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「しみぬき工房 つづれや」 のお仕事まとめ

当社が洗い張り業を始めたのは創業である昭和9年(1934年)からですが、歴史を紐解くと国内では江戸時代には洗い張り(水洗い)が行われていたそうです。

さて、近年、当社にお持ち込みいただく着物の着用状態から判断すると、初めての着用、もしくは1~2回の着用が一般的となってきているのだと推測しております。そのようなケースだと衿袖口洗いなどで対応しており、着物はすべて丸洗いしないといけないってことでは無いと断言いたします。無駄な手入れになって費用もかさみます。当社は着物の立場に立った手入れを心がけております。

前身が「洗い張り屋」という立場から「水洗い」を基本としており、そのため何も検討せずに有機溶剤を使うことはありません。汚れに成分にあった解決策を当社は見極めて対処しております。例えば、泥で汚れた手を洗う場合、有機溶剤だと思った以上に洗い流すことができません。しかし水洗いだとすっきり洗い流すことができるのです。

当店はクリーニング店には無い感性で作業をしています。つづれやの作業に「プレス」と言う言葉は存在しません。プレスをすると繊維素材の長所を壊してしまうためです。蒸気アイロンを用いる際は蒸気で熱と湿りを素材にあてがい手で伸ばして整えることを目的として用います。

また、赤穂が生んだ木綿の敷物である「赤穂緞通」の経験を活かし、「鍋島緞通」や「堺緞通」のお手入れも行っております。

日本三大緞通のしみ抜き・お手入れ|つづれや

<実績のある技術>
・赤穂緞通「日本三大緞通」のお手入れ
・藍染め浴衣の変色補正
・日傘の変色補正
・ネクタイの変色補正
・カシミヤセーターの変色補正
・ダウンウェアを水洗い、衿などの変色を直す
・戸塚刺繍の変色補正
・柔道着の変色補正
・剣道着の汗の臭いを抜く
・黒塗りアルミサッシの蘇生
・瞬間接着剤を抜く
・虫干し代行サービス


着物の代表的な汚れのひとつにシミ汚れがあります。

着物を着用しているときは人生の中でも一番おしとやかにされている場面だと思われますが、おもわぬトラブルなどで汚れる原因もあるかと思われます。その際、何処で何が付いたのか、どのような応急処置をされたのかなどと一つひとつお客様からお伺いします

汚れを見極めた中で、シミの内容によって溶剤(界面活性剤)を用いております。アニオンタイプの洗剤(濃度1%)で洗ったものは別の設備(カチオンタイプの溶剤0.1%)で、すすぎ洗いを行い管理しております。その結果、汚れ易くなったものを濯ぐことで汚れ難く洗い上げることができます。

シミによっては一度シミがついてからそのまま何も対処せずに何年も経ってしまうと変色することがあります。そのようなケースでは着物の柄を痛めることの無いよう細心の注意を払いながら、素材別・染色堅牢度・シミの状態・年月などを考慮しながら作業を進めていきます。

そして、着物を洗って仕上げを行う際、仕立てあがりの風合いを大切にしております。仕立てで言うところの「きせ(被せ)」を潰すことのないように、袷(あわせ)の着物は表と裏の収縮の違いを修正しながら仕上げていきます。その際、ほころび、補強、長襦袢の半衿架け、上衿などの架け替え、寸法替えなど修理についてのご相談も承ります。


お預かりからご納品まで

お取り扱いエリア
当社にて承っているお客様は北は北海道、南は沖縄まで全国対応をしております。店舗でのお預かりできない地域は宅配便にてお受けしています。

ご注文前のご質問/ご相談
事前にシミの写真をメールで送ってもらえれば写真での判断も出来ます。

繊維素材ならほとんど対応しております。
例えば柔道着の変色、カシミア素材の水洗い、着物のしみ抜き・洗張り、緞通のお手入れ、絹の仕上がり・ウールの仕上がり・綿麻素材の仕上がり・法衣の仕上がりなどそれぞれの素材や用途に合った仕上がりを目指しております。

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■ご納期
仕上がりまではおよそ4週間(1ヶ月)ほどかかります。あまり短期間の仕上がりを求められるとお断りすることがありますが、事前に着用の日にちが決まっていればそれに合わせて調整させていただくこともできます。
なお、納品前にはお電話で仕上がりをお知らせします。又、宅配便ご利用のお客様には送る前にお電話で連絡いたします。

■ご納品
当社では、畳み込んだ着物が型崩れしないように、除湿乾燥することで箪笥の中で湿らぬように、持ち運びし易いように、仕上げた衣類はポリエステル製の袋(以下、ポリ袋)で除湿包装しております。

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アフターケアについて

ご家庭で保管される際、衣類をご使用にされるまでの間は当社にて梱包したポリ袋のまま保管していただくことを推奨しております。例えば、桐の箪笥はその特性から呼吸をしており、生活環境における湿気を吸ってしまうこともあります。環境によっては浴室やキッチンで生じた蒸気が箪笥の置かれた部屋まで入り込むようであれば箪笥も湿ってしまいます。

ちなみに、当社の梱包のままで長期間保管を続けると箪笥の中の湿度と同じになります。つまり箪笥の中より悪くなることはございません。つづれや85年の実績から判断しております。

また、当社では業務用除湿機を完備しており虫干しサービスを行っています。1点 600円でお引き受けします。


しみぬき講座の開催

お仕事の一つとして、一般の方向けに講座となりますが私どもの専門家としての技術を広く公開しております。(不定期開催です)


料金目安(現品確認の上確定いたします)

着物のしみぬき(現品確認の上確定)

着物の手入れは色々な方法があります。1~2回の着用なら「衿袖口洗い、仕上げ」で済みます。カビなどの発生の為の手入れなら京粋洗い、汚れが全体にわたり丸洗いでは綺麗になりにくい場合なら洗張り、仕立て替え、など等着用状態に合わせた手入れを心がけています。

綿、麻のブラウスの衿を変色補正 ¥2,800

クリーニング店で断られた、ブラウスの衿の変色を直します。含金染料、金属を含んだ装飾品「ネックレスを使用された方は金属イオンが付着している為、生地が傷む恐れがあります」

綿、麻の日傘の変色補正 ¥2,800

汗をかいた手で巻き取った日か傘の変色を直します。

麻のブレザーの柄を傷める事なく変色補正 ¥5,700 

クリーニング店で直らなかった、麻のブレザーの変色を直します。ドライクリーニングを重ねる毎に黄ばんできた製品にはうってつけの手入れです。

藍染め絞り浴衣の変色補正 ¥6,400 

藍染めは色止めが出来ません。「洗う度、着用の度に移ろいゆく色合いを楽しんで下さい」それが藍染めを着用する趣です。洗い張り、赤穂段通を手入れする技を用いての、つづれや独自の作業です。

赤穂段通、鍋島段通、堺段通の手入れ ¥30,000

赤穂段通の手入れは100年余り前の段通を手入れします。当時は糸の染色にドイツの科学染料を使用されたので色止めをしたくても色止めをする技が有りませんでした。水で手入しなくてはならず、水で手入れすると染料が滲み出し移染してしまいます。百年分の灰汁が浮き出し、型崩れもあり糊抜けなどが絡み手入れすることが不可能でした。「つづれや」では段通に含まれた水の動きを熟知して、移染、糊ぬけ、灰汁の浮き出し、型崩れを防ぐ技を開発し不可能といわれた、水での手入れを可能にしました。又、着物を手入れする技を寺院様に向けてご提案することで寺院様からの信頼を得る事が出来ました。

その他

・藍染め浴衣変色補正 ¥5,400
・藍染め暖簾の変色補正三巾 ¥4,600
・着物の虫干し ¥600 大型の除湿機で除湿乾燥します
・カシミアウールセーター・ダウンウェア等の水洗い ¥4,200
・移染を直す ¥2,500
・柔道着の変色を直す ¥5,000
・麻ブレザー変色補正 ¥4,500
・ブラウスの変色補正 ¥2,500
・鬼追い式の衣装 一式 お見積可

近年のクリーニング店では対応が出来ない衿やシミの変色を補正する技もあり、日傘やダウン製品にまで応用が進んでいます。 藍染めの製品は藍をいたぶる事無く仕上げます。 近年の商品にはウレタン加工が施され手入れの出来ないものがあります。商品の地一つ一つを見極め加工法、染色法、汚れの種類、経過時間、など等を見極めたうえで作業に掛かります。


「つづれや」の品質表示

■水洗い
・シャボン玉油脂石けん使用
・中和法式:酢酸又はクエン酸 1%未満
・仕上げ剤:綿麻用仕上剤 0.3%
・乾燥:自然乾燥、陰干し

■漂白方法
・酸素系漂白剤の中和剤酢酸 1%未満
・塩素系漂白剤の脱塩素剤
・チオ硫酸ナトリウム 1%未満

■ドライクリーニング洗剤
・洗浄使用アニオン剤 1%
・濯ぎ使用カチオン剤 0.1%

■除湿乾燥 40%未満

■ポリ袋包装

40年余り前から、この内容で作業をしています。合成洗剤は基本的に使用していません。

しみぬき工房 つづれや
代表:田川 芳弘
住所:〒678-0172 兵庫県赤穂市坂越1754番地
フリーダイヤル:0120-975-354
TEL / FAX:0791-48-8059
営業時間:午前9時~午後6時  定休日:日曜日・祝日

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