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赤穂緞通、鍋島緞通のお手入れ
かつて赤穂市の産業として栄えた赤穂緞通。そのお手入れとなると百年余り前の緞通を手入れすることがざらにあります。
当時は糸の染色にドイツの化学染料を使用されたので色止めをしたくても色止めをする技が有りませんでした。水で手入しなくてはならず、水で手入れすると染料が滲み出し移染してしまいます。百年分の灰汁が浮き出し、型崩れもあり糊抜けなどが絡み手入れすることが不可能でした。
「つづれや」では段通に含まれた水の動きを熟知して、移染、糊ぬけ、灰汁の浮き出し、型崩れを防ぐ技を開発し不可能といわれた、水での手入れを可能にしました。又、着物を手入れする技を寺院様に向けてご提案することで寺院様からの信頼を得る事が出来ました。
染色を傷める事無く変色したシミを直します。
酸素系漂白剤の特徴を十分に把握し、塩素系漂白剤や還元性漂白剤のように 染色を傷めません。酸素系漂白剤は過酸化水素(オキシドール)が原料です。傷の消毒に第4級アンモニウム塩を使用するまでは長い期間使用されてきました。濃度・温度・時間等を調整しながら素材やシミの種類、変色状態(シミになってからの年数)、染織方法等を見極めたうえで作業を進めます。
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お預かりした鍋島緞通
脱水についても デリケートな素材、 鍋島段通のように厚みのある製品 、遠心分離機を使用出来ない商品、染色堅牢度(1級)が極端に甘いもの、100年余り使用されてきた赤穂段通のように僅かに残された灰汁が滲み出す物等は、水の動きや浮き上がった染料の動きを十分に 熟知した脱水方法を採用します。繊維に含まれた水は複雑な動きをします。遠心分離機に頼るのではなく、機械的に力づくで 脱水するのではなく、水が自然に動く力を利用し時間をかけて脱水します。
このような技は洗い張り業が 江戸時代から培ってきた技を応用したものです。お客様の人生の中で思い出深い品、大切にしたい記念の品、よそにはない珍しい商品、クリーニング店で「手入れできない」と断られた商品、などを時間をかけ手間をかけて、理想の色調と風合いを目指して 作業を行なっています。
![画像2](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/16718317/picture_pc_e26e46eb53adc0fba26abfa6ca0264be.jpg)
「赤穂緞通」の型崩れを矯正するため縦横の寸法をmm単位で測ります。とても大事な作業です。手入れ後乾燥前に測った寸法を元に矯正します。誤差は1%未満が目標です。
![画像5](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/16718562/picture_pc_71bf4a3b98beee128deb55ba958241d9.jpg?width=1200)
ブルーの染料が黄色地に滲み混めば緑色になってしまいます。緑にならぬように染料を縦に泳がすことで解決します。赤穂緞通、鍋島緞通、堺緞通に共通します。
![画像4](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/16718538/picture_pc_319461fbd6f2347139e60db6e1ae0cea.jpg?width=1200)
黒い染色の上に水を一滴落としてティッシュで押さえると染料が移ります。「つづれや」では染料の滲み出しを押さえながら手入れします。
![画像6](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/16718715/picture_pc_f1d96300146dbb7f978f8887a4ee4d66.jpg)
赤穂緞通しみぬきサンプル。100年余り前から流しの足元で使われてきたもの。灰汁を浮き立たせず、汚れの境界をくっきり抜き取ることが出来ました。木綿の風合いも温存。
![画像7](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/16718728/picture_pc_ad90b900066d07ef4802987d500c9a6f.jpg?width=1200)
赤穂緞通、「藍地に卍格子」格子の一つづつ、140通りの試し抜きを行います。一つ一つが真剣勝負!藍染めをいたぶる事なく、ドイツの化学染料を沈めながら型崩れを防ぐ。
![画像8](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/16718762/picture_pc_6f1d00525f214ae690bcf36afa715056.jpg)
赤穂緞通「蟹牡丹」奥の3枚が手入れ済み。藍染めを浮き立たせ、型崩れ防ぎ、織り上がり時の糊の固さと表地の木綿独特の風合いを温存させた仕上がりです。
![画像3](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/16718510/picture_pc_21019a91d8d91903046ba741988973e6.jpg?width=1200)
赤穂緞通・「亀甲に菊十字」只今、乾燥中。
緞通のお手入れをご依頼される前に、ご確認いただいていることまとめ。
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しみぬき工房 つづれや
代表:田川 芳弘
住所:〒678-0172 兵庫県赤穂市坂越1754番地
フリーダイヤル:0120-975-354
TEL / FAX:0791-48-8059
営業時間:午前9時~午後6時 定休日:日曜日・祝日
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