相手の心に寄り添うために必要なこと
よく相手の立場に立って行動しなさいと言われることがありますが、なかなか簡単にはいかずに逆に相手を怒らせてしまったり困らせてしまったりすることってありませんか。
こういうときに相手の思考や希望を知ることができたら人間関係ってわりとスムーズにいくんじゃないかと思います。
なので今回は、相手の心理を読むといったら大げさですが、おおよそ把握する方法について書いていこうと思います。
相手よりも自分のことを知る
相手の心理を読むのにどうして自分のことを知ることが必要なのかというと、それは「共感力」が必要になるからです。
相手の気持ちに共感することはコミニュケーションを図るうえで大事な要素なんですが、この共感力は自分の中にいるインナーパーソナリティを明確にすることで高まるという研究結果がドイツにあるマックスプランク研究所から発表されているんですね。
インナーパーソナリティってあまり聞き慣れない言葉かと思いますが、簡単に言うと自分の中にいるもう一人の人格者のことを指します。
ちょっと怖いような印象もありますが、たとえば落ち込みやすい自分、勇み足になっている自分のように一つの感情を当てはめているだけですので、だれでも多く持っているものです。
このインナーパーソナリティ一つひとつ切り替えながら会話をしていくことによって、相手の感情が読み取れるようになり。その結果共感力も高まったというわけなんですね。
たとえば
・今日は「悩みに押しつぶされている自分」で話を聞いてみよう
・明日は「ゾーンに入っている超感覚状態の自分」で話を聞いてみよう
こういう感じで分けて聞く感じです。
ちなみに実験では、以下のようなパーソナリティが多く見受けられました。
・反抗者としての自分
・管理者としての自分
・喜ぶ自分
・内なる批判者としての自分
・傷つきやすい自分
これもちょっとイメージしづらいんですが、落ち込む自分、文句を言う自分、そして楽しんでいる自分といったような喜怒哀楽に関するものをベースにしたものが多かったということです。
さらにこの数が多ければ多いほど、その人の幸福度が高まったというから驚きです。
これは、一つの出来事を多面的な視点で見れるようになったからと言われています。
さきほどの例にも似ているんですが、たとえば通りすがりの人に舌打ちをされたとき。
・もしかしたら自分が道を塞いでいたからイライラさせたのかもしれない
みたいに考えてしまうことがあります。
でも、このとき「自信満々でたくさんの人から愛されている自分」みたいにポジティブな気持ちでいっぱいの自分だったらこんなことは思いません。
・あの人なんであんなにイライラしてるんだろ
・仮にあの人に嫌われてもたいしたことないし
みたいにネガティブなことが起きたとしてもスムーズに切り替えることができるので、いつでも「ストレス耐性が強い自分」になることができるようになるんですね。
これなら人生も幸せに感じることができるっていうのも納得いきますよね。
思考観察瞑想
これは共感力を高めるために有効な瞑想方法の一つなんですが、ちょっと変わっています。
一般的には目をつむって呼吸に意識を向けていくんですが、何か気持ちが落ち込むようなことが頭に浮かんだときに、以下の3つの質問をしていきます。
・その思考は自分に関するものか、それとも他人に関するものか
・未来に関するものか、過去に関するものか
・ポジティブなものか、ネガティブなものか
なんだか難しく聞こえますが、たとえば「また上司に怒られてしまった」ということがあったときはこんな風になります。
・「上司」からなので、他人に関するもの
・「怒られた」ことなので、過去に関するもの
・怒られて嬉しい気持ちにはならないので、ネガティブなもの
表面的には特に何も変わらないんですが、客観的に見ることが大事なのでとりあえず分けていくことがポイントです。
内的家族システム療法の活用
今まで書いたものは認知療法の一つである、内的家族システム療法を活用したものと呼ばれています。
これも難しく聞こえますが、簡単に言うと人間は○そ松さんみたいにいくつもの性格にわかれていて、それぞれが独立しているから状況に応じて引き出しいこう。そうすれば悩まずに生きていけますよっていう考えからきているそうです。
なお、さきほど書いた実験では、ネガティブなインナーパーソナリティをたくさん挙げた人の方が一番共感レベルが高まったそうです。
・何もかも上手くいかずに途方に暮れている自分
・やる気が起きず怠惰な自分
・サボりがちな自分
こんな風に、自分のことを細かくわければわけるほど、他人と仲良くなることができるってことですから人の心って不思議です。
セオリーオブマインドの力
人の心が読めるようになりたいという気持ちになったことって一度くらいはあると思いますが、でもその前に自分を知ることから始めましょうっていうことがわかった興味深い実験でした。
中には難しいようなこともありましたが、いろんな性格の自分を考えていき、状況に応じて使い分けていくってことだけでも効果がありますので、まずは自己分析から初めていくのがいいかもしれませんね。
なお、このような相手の気持ちを汲んでいく力をセオリーオブマインドと呼ばれています。
共感力を高めることでこのセオリーオブマインドの力も高めていくことができますので、もしよかったら一度お試しください。
何かお役に立てていただければ幸いです。
今回も最後まで読んでいただきありがとうございました。