会社設立10期目を終えて
10年前の2010年6月1日。
僕は、友人と2人で、Web制作会社を創った。
Web制作の実装者の2人が起業し、10期目を終え、もうすぐ11期目をスタートさせようとしている。
実装者が、実装者として活動し続けるために起業した場合、その法人には、どのような可能性があるのか。
僕は、この可能性を確かめたく、模索し続けていました。
そして、10期目が終わる節目に、実感できたことを書いてみたいと思います。
法人化にするメリットはあるのか。
フリーランスの方が良いのか。
SNSでもよく目にする疑問だと思います。
もちろん色んなケースがあるので、一概に言えることではありません。
10期目を終えてみて、僕の場合は、実際どうだったのか、今どうなのか。
そして、これからはどうなるのか。
まず、僕らの会社について。
会社名はaru(アル)です。
基本的には僕個人に仕事が来るので、僕の名前さえ覚えていただければ・・・という感じで、会社名はあまり表に出して活動していません。
また会社設立当時から、雇用したことはありません。
現在も2人のままです。
相方(もうひとりの実装者)は札幌で活動中です。(僕は東京)
基本的には別々に活動しています。売上を管理している口座も別々。彼の売上は彼のもの。僕の売上は僕のものです。
aruという箱に、別々で活動している実装者が2人いる、よく言えば自由な?会社です。
受託型の制作会社でいる以上は、雇用はしない、というのが方針です。
経営者が先頭に立ち、雇用というリスクを背負いながら、リターンを求めて、成長していくという一般的なイメージの会社ではありません。
実装者なので、1日の仕事のほぼ全てを、実装の時間に充てています。
そんな僕が経営なんてする時間はありません。
経営者と実装者の両立は無理だと思っているので、経営に力を入れるのであれば、実装者をやめる必要があると考えますが、「実装者でいるために」起業した会社なので、経営者になるという考えはありません。(そもそも経営に向いているかもわからない)
そして今、実感できたこと。
5年、7年、9年・・・、実装者として活動していると、
同時にaruという法人も時を重ねていきます。
そうすると、実装者としての実績だけじゃなく、
法人には社会的な「信用」がついてくることに気がつきます。
そして法人が得た信用を、利用できる機会が出てくる。
ただ、この“機会”は、自分から探そうとしなければ、
もしかしたら見つからないものなのかもしれません。
僕らは、aruの社会的な信用を、投資の分野で利用できる機会に出会い、
法人であることの価値を実感しました。
法人であることが、僕らの助けになってくれるのではなく、
法人であることで得た信用を、利用する(生かす)ことで価値を生む。
それを、学ぶことができました。
残念ながら、実装者と法人の間にある「直接的なメリット」については、
10年経って、未だに実感はできていません。
ただ、実装者として活動している間に、法人の社会的信用を高めることはできた。
そして、信用を高めた法人は、利用することができる。
もし僕がフリーランスのままだったら・・・と考えると、後悔していたに違いありません。
実装者として10年続けられるのだったら、法人化しておけばよかったと。
税金の面でメリットがあるとかないとかの話になりがちですが、
法人化したことによって、その法人の可能性を生み出せるかどうかが、大事だと実感しています。
そして、これからも、いろんな可能性を模索していきたいと思っています。
実装者として、何歳まで需要があるか、というのは、挑戦してみないとわかりません。
スキルさえあれば、年齢は関係ないという世の中になっていて、60歳まで実装者として仕事ができれば幸せです。
もし実装者としての需要が徐々になくなったとき、aruという法人が頼れる存在になっているか。
その可能性をこれからも模索していきたいと思います。