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馬毛島の基地配備や鹿屋への米軍部隊の展開からみえてくるもの

ここのところ新聞やテレビのニュースでは、鹿児島や大隅の話題が注目されている。馬毛島での米軍訓練と自衛隊基地整備、それとここ鹿屋航空基地への米軍の無人偵察部隊の一時展開計画についてだ。

じつは、鹿屋基地への配備の計画は過去にもあった。2002年には沖縄の普天間基地にある米軍給油部隊の鹿屋への移転計画がもちあがったのだ。そのころ鹿屋市では市長選が行われており、三期目をめざす山下栄市長と対抗馬の相良氏は両者とも給油部隊の移転には反対を表明して戦った。当時を振り返ると市長だけでなく市民の中でも移転計画には反対という機運が高まっていたように思う。現在はどうだろうか?規模はちがう話とはいえ、ぼくの個人的な印象を言わせてもらえば、そのような動きや声は当時ほど大きくないように思う。

市民からの反対の声が高まらない理由にはいくつかあるだろうが、一つは交付金や関連する事業で経済的な利益を得たいという思惑もあるだろう。例えば馬毛島では「交付金が10年で290億円超」との新聞報道もあったし、べつの記事によると本来なら反対を表明するような団体も交付金を期待して反対意見を出さなかったとの内容には考えさせられる。そして、あまり知られていないがここ鹿屋市は現在、米軍空中給油機の訓練を受け入れていることで、2015~20年度で21億円の交付金をうけている。

もちろん、国のやり方には問題も多い。環境アセスメントの途中段階での管制塔や燃料貯蔵施設建設などの入札を告示したりと、計画の進め方には強引さが目立ち、批判も必要だろう。だが、そういった批判は真の意味でこの問題を語ったことになるのだろうか。我々が「見たくない現実」がそこにはないだろうか。いくつか列挙してみる。交付金によって自治体が分断される。中国軍の国際法上きわめて問題がある動きと、北朝鮮の核開発にロシアの問題も隣国としてどう考えるべきなのか。鹿屋市での米軍の部隊配備に反対表明する人たちは「標的になったらどうする!?」と訴えるが、では沖縄だけが標的になればいいのか?と聞かれたら彼らはどう答えるのだろうか。米軍と護憲を理由に自国防衛の議論してこなかった国民、マスコミ、政治。そして、防衛は国の専権事項だからと地方自治体からは何も言えない現実。

ぼくは昨年、核の最終処分場が争点になった南大隅町長選挙に関連して現地の人たちと数時間にわたって議論したことがある。そのときにある人が話してくれた言葉は今でも忘れられない。『処分場には個人的にも反対で、そう投票もした。だけどそれとはべつに反対派がいう「この町には農業が大事なのだから絶対に処分場には反対だ!」というのを聞いても、この町には農業の後継者なんかいないじゃないか。』と。

ぼくは個人的な活動で、フリーペーパーを発行したりトークイベントを主催している。年末には、ここ南九州新聞の米永氏と鹿児島市議ののぐち氏と「衆議院選挙から考える鹿児島の政治」というお題で話し合った。ほかにもやはり米永氏と先日行われた「鹿屋市長選挙の総括」トークイベントも行ったし、実現できるかどうかはまだ未定だが、このあと行われる鹿屋市議選についてもトークイベントも計画している。宣伝になって恐縮だが、26日には「カラオケ青春時代」で、先の衆議院選挙に立候補した米永あつこ氏と鹿児島市議ののぐち氏で「大隅でリベラルは成り立つのか?」というトークイベントも開催する。(興味がある方はぜひ参加ください。問い合わせは41-6304(生うどんつちやまで))

ぼくは、投票率の低さや政治に関心がないことを嘆いたり、そのように促すことも必要だと思うが、選挙やこれまでの社会運動だけで政治について考えることに限界が見えてきていると思うのだが、どうだろうか。


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