We Just Disagree 歌詞と対訳

楽曲について

We Just Disagree / written by Jim Krueger
イギリス出身のシンガー/ギタリスト、デイヴ・メイソン。スティーヴ・ウィンウッドを中心としたスーパーバンド「トラフィック」のオリジナルメンバーとして活動後、22歳で渡米。グラム・パーソンズやキャス・エリオットの手助けでアメリカのミュージシャン達と交流し、1970年のアルバム「Alone Together」でソロ・デビュー後は主にアメリカを拠点に活動。英米両方の感覚を併せ持った彼の音楽は、友人のエリック・クラプトンやジョージ・ハリスンにも大いに刺激を与えたようです。
この楽曲は彼がソロ・アーティストとしてのキャリアをすでに確立させていた1977年のアルバム「Let It Flow」に収録されています。作者は当時のバンドを支えたギタリスト、ジム・クリューガー。この曲はシングルとしてもビルボードHot 100の12位を記録し、デイヴのキャリアにおける最大のヒット曲となっています。筆者にとっては日本のアコースティック・ユニット、テキーラ・サーキットによるカヴァー・バージョンがお気に入りです。

曲を聴く前にイメージしたいこと

話し言葉をそのまま歌詞にしているような印象を受けます。4小節✕4ラインの中にきっちり収めるアメリカ的な作曲スタイルではなく、小節の進行が歌詞に引きずられて変則的(歌うのが難しいです)。以前翻訳したビートルズの曲にも似た傾向があり、イギリス人はsongwritingに対してアメリカ人と異なる自由な発想を持っているのかもしれません(といっても作者のジム・クリューガーはアメリカ人ですが)。
すれ違いの末に別れて以降連絡も取らなくなっていた、かつての恋人同士。そんな二人がある日、路上でばったり鉢合わせ。男は声をかけたいけど、女は目も合わせようともしない。そんな彼女への想いを吹っ切るように、男は心のなかで彼女に言葉を贈る…。
男女がすれ違うほんの数秒間の、男の(妄想的)心理描写。そんなプロットを設定し、それを元にコーラス部分の「There ain't no good/bad guy」は少々意訳しました。女にとって「いい男も悪い男もいない」=いい思い出も悪い思い出も、無かったことさ!……う~ん、切ない。恋愛映画でよくありがちな使い古された場面設定ではありますが、温かみのある言葉選びが心にグッときます。デイヴ・メイソンのメロウな歌声だと余計に、切なさここに極まれり!でもこの数秒間、女のほうはどんな心境だったんだろう?そんなアンサーソングがあるのなら、いつか聴いてみたいですね……それではどうぞ!

歌詞と対訳

Been away, haven't seen you in a WHILE
久しぶりだね ずいぶんと会っていなかったけど
How've you been, have you changed your STYLE?
調子はどう? ずいぶん雰囲気が変わったようだね
And do you think that we've grown up DIFFERENTLY?
君は今どう思うかな 僕たちが別々の道を歩んだことを 
Don't seem the same, seems you've lost your feel for ME
僕と違って 君は僕に見向きもしなくなったみたいだね

So let's leave it alone, 'cause we can't see eye to EYE
忘れよう 僕たちはもう目を合わせすらしない他人
There ain't no good guy, there ain't no bad GUY
良い思い出も 悪い思い出も 元々無かったこと
There's only you and ME and we just DISAGREE
君と僕がいて すれ違った ただそれだけのこと

I'm going back to a place that's far AWAY
はるか遠くの場所へと 僕は戻るとするよ
How about you, have you got a place to STAY?
君はどうするの とどまる場所があるのかな
Why should I care when I'm just trying to get ALONG?
そんなこと気にする僕は まだ君に気があるのかな?
We were friends, but now it's the end of our love SONG
結局僕らは友達だった だからラブソングはこれでおしまい

So let's leave it alone, 'cause we can't see eye to EYE
忘れよう 僕たちはもう目を合わせすらしない他人
There ain't no good guy, there ain't no bad GUY
良い思い出も 悪い思い出も 元々無かったこと
There's only you and ME and we just DISAGREE
君と僕がいて すれ違った ただそれだけのこと

So let's leave it alone, 'cause we can't see eye to EYE
忘れよう 僕たちはもう目を合わせすらしない他人
There ain't no good guy, there ain't no bad GUY
良い思い出も 悪い思い出も 元々無かったこと
There's only you and ME and we just DISAGREE
君と僕がいて すれ違った ただそれだけのこと

  • デイヴ・メイソンのキャリアを調べるにあたり、こちらの記事を参照しました。筆者自身「Feelin' Alright」のオリジネイターというくらいしか予備知識が無かったのですが、英国人のアメリカン・ルーツ・ロックへの憧憬を元に隆盛したスワンプロック・ムーブメントの先駆け、そして英米ルーツ・ミュージックの最重要人物としてとても詳しく書かれており、改めて興味が湧いてきました。ありがとうございます。

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