On the Road Again 歌詞と対訳
楽曲について
On the Road Again / written by Willie Nelson
カントリー・ミュージックのレジェンドの一人にしてアウトロー・カントリーの代表的人物、ウィリー・ネルソン作による1980年の楽曲。同年公開、ウィリー自身が自らを想起させるベテラン・ミュージシャンを演じた映画「忍冬の花のように(Honeysuckle Rose)」のサウンドトラック用として書かれました。
映画の出演契約を結んだ後、移動中の飛行機の中で監督のジェリー・シャッツバーグと製作総指揮のシドニー・ポラックに「旅暮らしのミュージシャン」をテーマに楽曲制作を依頼され、ウィリーはその場にあった嘔吐用のエチケット袋に曲を書き留めたそうです。
同年11月のカントリー・アンド・ウェスタンのチャートではNo.1、Billboard Hot 100で20位、アダルト・コンテンポラリー・チャートで7位を獲得。ウィリー自身にとって最大のヒット曲となり、翌年にはグラミー賞カントリー楽曲賞も受賞しました。
曲を聴く前にイメージしたいこと
コンサートツアーに繰り出すバンドの一団。家庭に留まるべきなのは分かっているけど、行ったことのない土地に行き、初めての人々の前で演奏することによって得られる体験は至上の喜び。これだから音楽はやめられない!……旅を想起させる軽快なトレイン・ビートに乗せて綴られる、究極のバンドマン讃歌です。
全体的にとても平易な英文ですが「the world keep turning our way」という一節だけが難問で、ここだけで翻訳にかける時間全体の90%を費やしてしまいました(笑)。
フレーズに込められた真意を色々と考察した結果、隠されたダブル・ミーニングとそれがもたらす独特のリズム感を発見し、すでに聴き慣れていた曲がより魅力的に感じられるようになりました。我ながら面白い翻訳になったと思います……それではどうぞ!
歌詞と対訳
On the road again
さあ、旅に出よう
Just can't wait to get on the road again
また 旅に出るのが 待ち切れないよ
The life I love is making music with my friends
友と一緒に音楽を奏でる それこそが人生の喜びだ
And I can't wait to get on the road again
また 旅に出るのが 待ち切れないよ
On the road again
さあ、旅に出よう
Goin' places that I've never been
行ったことのない 場所に行き
Seein' things that I may never see again
二度と出会えないようなものに 出会う
I can't wait to get on the road again
また 旅に出るのが 待ち切れないよ
On the road again
さあ、旅に出よう
Like a band of gypsies we go down the HIGHWAY
ジプシーの楽団のように ハイウェイを走り抜けろ
We're the best of friends
俺たちは 最高の仲間
Insisting that the world keep turning our WAY
俺たちの「行く先」に世界が待ってると意気込んで
And our WAY
俺たちの「やり方」それは……
Is on the road again
……そう、旅に出ることさ
I just can't wait to get on the road again
また 旅に出るのが 待ち切れない
The life I love is makin' music with my friends
友と一緒に音楽を奏でる それこそが人生の喜びだ
And I can't wait to get on the road again
また 旅に出るのが 待ち切れないよ
On the road again
さあ、旅に出よう
Like a band of gypsies we go down the HIGHWAY
ジプシーの楽団のように ハイウェイを走り抜けろ
We're the best of friends
俺たちは 最高の仲間
Insisting that the world keep turning our WAY
俺たちの「行く先」に世界が待ってると意気込んで
And our WAY
俺たちの「やり方」それは……
Is on the road again
……そう、旅に出ることさ
Just can't wait to get on the road again
また 旅に出るのが 待ち切れない
The life I love is makin' music with my friends
友と一緒に音楽を奏でる それこそが人生の喜びだ
And I can't wait to get on the road again
また 旅に出るのが 待ち切れないよ
And I can't wait to get on the road again
また 旅に出るのが 待ち切れないよ
the world keep turning our way……直訳すると「世界は俺たちの方向を向き続ける」ですが、能動的に旅をする「俺たち」に対し「世界」のほうがアジャストしてくれる、と解釈して意訳しました。
turning “our way”は「俺たちの行き先」。でもその直後に出てくるand “our way” is…は「俺たちのやり方」。ここが一種のダブル・ミーニングであると、筆者は解釈しています。
Our way is on the road again……「旅に出る。それが俺たちの(人生を楽しむための)方法だ!」という構文がブリッジの末尾とヴァースの冒頭とで分割されているのも非常にユニーク。このブレイクが独特のリズム感を生み出していて、楽曲のハイライトになっています。