Hello Trouble 歌詞と対訳

楽曲について

Hello Trouble / written by Orville Couch, Eddie McDuff
テキサス出身のカントリー・シンガー、オーヴィル・コウチとギタリスト/フィドラーのエディ・マクダフとの共作で、1962年にオーヴィル自身のバージョンでカントリーチャートの5位のヒットとなりましたが、一般的によく知られているのは西海岸ベイカーズフィールド・カントリーの雄、バック・オウエンスによる1964年のカバー・ヴァージョンです。
1989年にはクリス・ヒルマン率いるデザート・ローズ・バンド(The Desert Rose Band)が、ハーブ・ペダーセンのヴォーカルをフィーチュアしてカヴァー。ベイカーズフィールド・サウンドを受け継ぐ同バンドはこの曲でもそのマナーを継承し、ジェイ・ディー・メイネスのペダル・スティール・ギターとジョン・ジョーゲンソンのギターの掛け合いは名演です。

曲を聴く前にイメージしたいこと

恋人とケンカして家から出ていかれてしまった主人公。自分に心痛を与えた彼女を「トラブル女」と見下す一方で、やはり彼女が与えてくれた愛以上のものは得られずにいて、しばらく惨めな気持ちで過ごしていた。そんな折、窓の外を見ると戻ってきた彼女の姿が。「ハロー、トラブル。おかえり!」と、主人公は再び彼女を受け入れるのでした。
上記のプロットは筆者が勝手に考えましたが、この曲は短いし典型的なカントリーのストーリーテリングだろうと見くびって臨んだら、意外とあいまいな表現が多くて少し苦戦しました。それでも最後の「Welcome Home=おかえり!」にフォーカスした上で他のラインを肉付けしていった結果、バック・オウエンスがあの満面の笑みで歌う、軽快なサウンドにマッチする内容になったのではないかと思います。
「Hello Trouble」という言葉自体の語感が良く(タイトルありきで作ったのでは?)言葉運びもライミングも気持ちいい。ナッシュビル産とはまた違った、これぞ西海岸のカントリー!という印象です……それではどうぞ!

歌詞と対訳

Woke up this mornin' happy as could BE
今朝はとても 気分よく目覚めたんだ
Look out my window what's that I SEE?
窓の外に いったい何が見えたと思う?
Comin' up the sidewalk was just as plain as DAY
玄関口に現れたのは 一目瞭然
Well, here comes trouble
そうさ 「トラブル女」が帰ってきた
And I never thought I'd see since you went AWAY
去ったはずなのに まさか再び会うなんてね

Hello trouble, come on IN
ハロー、トラブル どうぞ入って
Well, you talk about heartaches where the world you've BEEN
さしずめ 居場所がなくて悩んでたってとこかな
I ain't had the misery since you've been GONE
君が去ってから 僕だって惨めだったんだぜ
Well, hello trouble, trouble, trouble welcome HOME
ハロー、トラブル おかえりなさい!

We'll make a cup of coffee and you can rest your SHOES
コーヒーを入れよう 靴を脱いで楽にしてね
And you can tell me them sweet lies and I'll listen to YOU
言い分だったら 何でも聞いてあげるから
Well, it's just a little part of, part of all the life you've LIVED
長い人生 そんな時もきっとあるだろう
Although I'd rather have a little bit of trouble
ちょっとした困難は あったほうがいいのさ
And I never know the love you GIVE
君がくれる愛情以上のものを 僕は知らないからね

Hello trouble, come on IN
ハロー、トラブル どうぞ入って
Well, you talk about heartaches where the world you've BEEN
さしずめ 居場所がなくて悩んでたってとこかな
I ain't had the misery since you've been GONE
君が去ってから 僕だって惨めだったんだぜ
Well, hello trouble, trouble, trouble welcome HOME
ハロー、トラブル おかえりなさい!

  • sidewalk……「歩道」ですが、アメリカのでっかい住宅は門から玄関に至る間にも歩道があって、そのことを指すものと思いますがそのままだとニュアンスが伝わらないので「玄関口」としました。

  • この曲は2009年のアメリカ映画「クレイジー・ハート」のサウンドトラックにも収録されています(バック・オウエンスのバージョンで)。トラブルの元凶だったパートナーと離れるも、何かに導かれるように再会するというストーリーは、この曲の歌詞に多少シンクロするものを感じます。songwritingの世界を知るのに良い教材でもあり、興味ある方は是非ご覧になって頂きたいオススメ映画です。

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