大人になって。
心が揺れるワンシーン。
それは感動する瞬間だったり、嫌なこととか、嬉しいこと。
感情が抑えられないくらい、ぐっとくるワンシーン。
いつもの奴らといつもの話をしながら飲んで、口を開けば昔話。
昔に戻りたいと口を揃えて言う。
俺もそう思う。昔は本当に楽しかったなって。
ただ、最近、そんな話をいつまでも同じ奴らと出来てる今こそ。
楽しいんじゃないかと。
特にそう思ったのが夏、友人の結婚式だった。
昔から一緒だったから、結婚式当日なんて、俺まで少し緊張してるくらいだった。
余興やってと頼まれ、いやめんどくせえ、なんて言ってたが今となればその余興の練習すら楽しかった。
二人が披露宴で出てきたとき、どんなに有名な映画の名シーンなんかより。
心が揺れた。
心の底から、大人になんのも悪くねぇと思ってしまった。
望むもののため求めるだけじゃ手にできず
捧げれば報われるほど上手くできちゃいないこの世の中で、不意にくる幸せと不幸せの組み合わせが唐突に現れてくる。
くそみたいなコロナのご時世のなか、負けずに式を挙げたあいつはホントにかっこよかった。
どんなに頑張って生きていても、どんなになにもしないで生きていても、明日は必ずやってきて、そして、必ず大人になる。そんなこと、俺だってわかっているけど。
公園で溜まって遊んでたあの頃が、永遠と思っていたがほんの一瞬。
少しずつ反応がなくなっている、グループLINE。
週末すら遊ばなくなってきている。
皆あたりまえに、大人になっていた。
それが嫌だと嘆いていても、結局皆、同じこと思っているんだろうなと、家のベランダでタバコをふかしながら思う。
結局今が一番楽しいしそう思い込むのも大切ってことに気がつく。
最近になって、普段から遊んでるやつとは別に、違う人たちと遊ぶことが増えてきた。
すごい楽しいし、昔から仲良かったんじゃないかってぐらい皆馴染んでいる。
それと同時に、遊んでいるが頭の隅っこではいつもの奴らはなにしてんのかな。ってどっか思っている自分がいて、少し申し訳ない気持ちがないと言ったら嘘になる。
別に皆なにも気にしてないのに。
勝手に変なこと考えてる自分がたまに、嫌になる。
環境の変化で、自分が少し変わったことに、違和感があって、それがいいことなのかわからないけどどうせなら、笑っていたい。
大人になって、1日1日を少しでも楽しみたいと思うようになった。