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2018.09.01 - 高崎グラフィティ。という

9月1日(土)

本日は土曜日なので、ゆっくりしても良い日だった。

本来であれば、Googleカレンダーの予定によれば、中目黒にある行ってみたいコーヒー屋さんで本を読むなどという予定が組まれていた。読みたい本なんぞいくらでもあるので、あとはいい具合のグラスに注がれたアイスコーヒーさえあれば、だいぶ良いなと思って、1ヶ月ほど前に入れた予定だった。しかし、それが実現されることはなかった。

昨日の会食の後、どうしても泥酔してしまったので友人の家に泊まらせてもらっていた。朝起きると「めっちゃいびきかいていたよ」と言われたので「マジで?そういうのはちゃんと、その時教えてよ」と応えると「いや、鼻をつまんでみましたが『うぅーん』とか言ってましたよ」とのことだった。どうやら寝ている最中に鼻をつままれたようだったが、気が付かなかった。

そんな本日のメインイベントは、15:35から渋谷で観る予定の「高崎グラフィティ」なのだった。

上映時間にギリギリ間に合うか間に合わないか、、という所だったので、タクシーに乗り込んだ。割と急ぎ目で!とお願いをしたら、後ろにパトカーがいて「できる限り善処しますが、後ろにパトカーいまーす!」と言っていて、そうか。と思った。

到着の直前で、信号が重なったり、運転手さんが道を間違えたりしてしまって、結局、ほぼジャストの時間に到着をして、映画を観ることとなった。

主演の佐藤玲さんについては「架空OL日記」で知り、そこから、陰ながらファンとしてやらせてもらっている。ファンというか、こうして映画を観るくらいのものだけど、なんとなく彼女は良いのだった。

ほう。佐藤玲さんが主演の映画か。ということで、なんとなく予約した所、どうやら舞台挨拶で佐藤玲さんがお越しになるということだったので、一番前の砂かぶり席にすることにした。

監督の川島直人氏については、俺と同じ90年生まれということで、そんな同年代の人が作った作品なのならば、尚更観たいと思ったのだった。

卒業式の高校生。卒業後の豊富を語る。
「彼氏と結婚します!」と女子生徒。
「子どもは何人作るんですか!?」と男子生徒。
そうそう。高校生の脳内というのはだいたいこういうものかもしれない。

「東京に行くことが、そんなに偉いの?」

「美紀がイオンで働いてくれたらさ!ほら!社割になるじゃん!」

「みんなで高崎に住もうよー!」

と。ここにとどまることが正解なのか。どうなのか。結婚することが正解なのか。どうなのか。東京に行くことが正解なんか。どうなのか。

答えなんぞない、彼らからしたら青春なんてありふれた言葉では片付けられないような、ありありとした現実だ。しかし、その渦中にいない人間は、安易に「青春」と呼びたがる。という感じ。青春はその言葉ほど美しくはない。という感じ。

地元に残っている場合ではない!と思う人はそれが正義だと思うし、残る人は残る人で、その場で幸せをどう探すか。みたいなフェーズに以降するのかもしれないなと、そういう風に思った。

上映後、主演の佐藤玲さんとそのお友達とのことだが、土居志央梨さんと石橋菜津美さんがいた。初めて見たが、なんだか3人の凹凸のある人間関係が、ピッタリハマっている感じがしていて、良かった。

佐藤玲さんが、フリートーク中に何気なく

「何かを自分から手放す瞬間っていうのは、悲しい」と、ふとおっしゃっていて、確かに。と思った。ある具体的なシーンを説明するときに出た言葉だが、この具体的なシーンを「何かを自分から手放す瞬間っていうのは、悲しい」と、抽象的に表現する彼女に「おっ。すごい」と思ったことは、ここ数ヶ月の中でもかなり印象的な出来事の一つとなった。とても良かった。

上映後、佐藤玲さんからサインを貰った。その日、サインをして頂けるもので、間違っても紛失しないものは何か?と考えていたら、鞄の中に若松英輔の『言葉の羅針盤』があったので、そうだ、これに書いてもらおうと思った。皆、パンフレットにサインを書いてもらっていたが、佐藤さんに「本でも良いですか?」と聴いたら「もちろんですよ!」と了承頂いた。しかし、その後「本も読んでくれたんですね!」と聞かれたので、内心「(本?)あっ、いや…」としどろもどろとしていたら「あっ、これからなんですね!ぜひ読んでください」と言われて「(ああ、この作品の本のことか!?)いや、これ全然関係ない本なんです」と言ったら「え?なんの本なんですか?」と聞かれた。表紙辺りの若松英輔の『言葉の羅針盤』という文字を見せたら「へー」となったので、いや、きっと面白いですよ。と思ったが、あまり深く説明するのも変なので「とても良い本なんですよ」とだけ言って、サインしてもらった。

川島監督にもサインを貰ったのだが、陰ながら応援しようと思う。そんな土曜日となり、良い気分だった。

上映が渋谷だったので、渋谷の少し奥の、神泉を散歩することとした。いい具合のカフェで、購入したパンフレットを読みたい読みたいという具合だったので、カフェを探した。すると、とても良いカフェがあり、そこでアイスコーヒーを飲むしかない。となった。

店員さんに「コーヒーだけですが、良いですか?」と聴くと「大丈夫ですよ」との回答だったので、アイスコーヒーだけ注文して、飲んだ。

アイスコーヒーを飲みながら、高崎グラフィティ。のパンフレットを読んでいた。



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