雨の撮影と、ハードボイルドおじさん
(2月4週目メルマガ掲載)
雨でした。
はじまりはいつも。
いや、最初から最後まで豪雨だったのです。
トップ名古屋の鈴木李茄(すずきりか)選手と、井林茉里奈(いばやしまりな)選手の写真撮影の話です。
感染防止のため、インタビューは事前にオンラインで終えていました。
写真撮影だけは別日で外で撮りたいと思ったのです。
アリーナスポーツの選手はどうしても室内で撮る機会が多いんですが、社会との接点や今後の飛躍をテーマにしたインタビューなので、外で撮ってみたいと思ったのです。
事前に都内の公園にロケハンをして、このイメージでと、写真家の方とシュミレーションもして、いざ当日、豪雨。
雨なら屋根のあるこの東屋で、も想定もしてたんですが、その想定をはるかに超える豪雨。
もうミリじゃなくてセンチで降水量数えたいくらいの。
「すいません、どうしてもダメならすぐ室内のスタジオに移動しますので、傘をさして外の撮影、試してもいいですか」
車中で打診したところ、二人とも柔らかい笑顔で「もちろん」と太陽のような優しさで快諾してくれました。
嬉しくなった私が、公園の水たまりをピチャピチャ駆けながら二人に
「ほら、あの屋根のあるところ....え?」
さっきまでいなかった黄色いカッパを来たおじさんが、熱心に笛を吹いておりました。
静かにおじさんに近づいて、そっと私は聞きました。
「すいません、ちょっと撮影してもいいですか」
おじさんは意外なハードボイルドなトーンで言いました。
「あ、俺を?」
私も同じおじさんとして、その自意識はよくわかるのですが、心を鬼にして言いました。
「いえ、違います」
そんなたくさんの方の協力のもと、実現したインタビューをぜひご覧ください。