第13回事業再構築補助金(最終回)の概要紹介
2025年1月10日金曜日に突然発表された第13回事業再構築補助金の公募開始ですが、わりと多数の人がもう公募はないのでは?
と考えていたところにこの発表でした。
令和6年度補正予算には組み込まれていない内容ですので、今までの予算消化という側面もあるかと思われます。
前回採択率(2024/7/26締切回)は全国で26.5%でしたが大きく採択率が上がるとは考え難いので、引き続き実現性の高い入念な事業計画が必要になるかと思います。
スケジュール
⚫ 公募期間
・公募開始:令和1月10日(金)
・申請受付:調整中
・応募締切:令和7年3月26日18:00
・補助金交付候補者の採択発表:令和7年6月下旬~7月上旬頃(予定)
1.第13回公募の全体像
前回申請は「成長分野進出枠(通常類型)」、「成長分野進出枠(GX進出類型)」、「コロナ回復加速化枠(通常類型)」、「コロナ回復加速化枠(最低賃金類型)」及び「サプライチェーン強靱化枠」の5つの事業類型でした。
今回は●成長分野進出枠の【通常類型】と【GX進出類型】、●コロナ回復加速化枠の【最低賃金類型】の3つの事業類型です。
●成長分野進出枠
【通常類型】
• ポストコロナに対応した、成長分野への大胆な事業再構築にこれから取り組む事業者
• 国内市場縮小等の構造的な課題に直面している業種・業態の事業者
補助上限
(従業員30人の場合)
3,000万円
(※4,000万円)
※短期に大規模賃上げを行う場合
補助率
• 中小企業1/2(※2/3)
• 中堅企業1/3(※1/2)
※短期に大規模賃上げを行う場合
【GX進出類型】
• ポストコロナに対応した、グリーン成長戦略「実行計画」14分野の課題の解決に資する取組をこれから行う事業者
補助上限
中小:5,000万円
(※6,000万円)
中堅:1億円
(※1.5億円)
※短期に大規模賃上げを行う場合
補助率
• 中小企業1/2(※2/3)
• 中堅企業1/3(※1/2)
※短期に大規模賃上げを行う場合
●コロナ回復加速化枠
【最低賃金類型】
• コロナ禍が終息した今、最低賃金引上げの影響を大きく受ける事業者
補助上限
1,500万円
補助率
• 中小企業3/4(一部2/3)
• 中堅企業2/3(一部1/2)
【対象経費】
すべての枠で共通
●建物費、機械装置・システム構築費、技術導入費、外注費・専門家経費、広告宣伝費・販売促進費、研修費、廃業費
※廃業費は成長分野進出枠(通常類型)のみ
• 卒業促進上乗せ措置:中小・中堅企業等から中堅・大企業等へと規模拡大する事業者を支援
• 中長期大規模賃金引上促進上乗せ措置:継続的な賃金引上げ及び従業員増加に取り組む事業者を支援
2.共通要件(2~6.2までは申請できる事業者かどうかの確認事項です)
⚫事業類型ごとの補助対象要件に加えて、共通要件を設けている。
A:事業再構築指針に示す「事業再構築」の定義に該当する事業である(※1)
B:事業計画を金融機関等や認定経営革新等支援機関と策定し、確認を受けていること(※2)
C:補助事業終了後3~5年で付加価値額の年平均成長率3~4%(事業類型により異なる)以上増加
又は 従業員一人当たり付加価値額の年平均成長率3~4%(事業類型により異なる)以上増加
必須要件(全枠共通)
※1事業再構築指針に示す「事業再構築」とは、下記の6類型を指します。 ・新市場進出(新分野展開、業態転換)…新たな製品等で新たな市場に進出する
・事業転換…主な「事業」を転換する
・業種転換…主な「業種」を転換する
・事業再編…事業再編を通じて新市場進出(新分野展開、業態転換)、事業転換、又は業種転換のいずれかを行う
・国内回帰…海外で製造等する製品について、その製造方法が先進性を有する国内生産拠点を整備する
・地域サプライチェーン維持・強靱化…地域のサプライチェーンにおいて必要不可欠であり、その供給に不足が生じ、又は、生ずるおそれのある製品について、その製造方法が先進性を有する国内生産拠点を整備する
ただし、国内回帰及び地域サプライチェーン維持・強靱化はサプライチェーン強靱化枠に申請する事業者のみ選択可能です。
第13 回公募ではサプライチェーン強靱化枠の公募はありません。
詳しくは、「事業再構築指針」、「事業再構築指針の手引き」(公募要領 | 事業再構築補助金)もご確認ください。
※2金融機関等から資金提供を受けて補助事業を実施する場合は、資金提供元の金融機関等による事業計画の確認を受ける必要があります。
金融機関等からの資金提供を受けずに自己資金のみで補助事業を実施する場合のみ、認定経営革新等支援 機関による事業計画の確認で要件を満たします。
3.成長分野進出枠(通常類型)
⚫ポストコロナに対応した事業再構築をこれから行う事業者を重点的に支援。
⚫通常類型では、特に、成長分野に向けた大胆な事業再構築にこれから取り組む事業者や、国内市場の縮小等の産業構造の変化等により、事業再構築が強く求められる業種・業態の事業者を支援します。
成長分野進出枠(通常類型)の対象となる事業者
【市場拡大要件を満たして申請する場合】
必須要件(Cについては、付加価値額の年平均成長率4%以上増加を求める。)に加え、以下の要件をいずれも満たすこと
①事業終了後3~5年で給与支給総額を年平均成長率2%以上増加させること
②取り組む事業が、過去~今後のいずれか10年間で、市場規模が10%以上拡大する業種・業態(※1)に属していること
【市場縮小要件を満たして申請する場合】
必須要件(Cについては、付加価値額の年平均成長率4.0%以上増加を求める。)に加え、以下の要件のいずかを満たすこと
①過去~今後のいずれか10年間で、市場規模が10%以上縮小する業種・業態(※1)に属しており、当該業種・業態とは別の業種・業態の新規事業を実施すること
②地域における基幹大企業が撤退することにより、市町村内総生産の10%以上が失われると見込まれる地域(※2)に属しており、当該基幹大企業との直接取引額が売上高の10%以上を占めること
※1業界団体が要件を満たすことについて示した場合、その業種・業態を指定業種として指定します。 また、指定された業種・業態以外であっても、応募時に要件を満たす業種・業態であることについて、客観的な統計等で示していただき、事務局の審査で 認められた場合にも対象となります。 第12回公募までに公表された業種・業態は引き続き対象となります。
※2要件を満たす地域であることについて、自治体が資料を作成し、証明する必要があります。 第12回公募までに公表された地域は引き続き対象となります。
補助上限額・補助率 、従業員規模
20人以下:補助上限額 1,500万円(2,000万円)
21~50人:補助上限額3,000万円(4,000万円)
51~100人:補助上限額4,000万円(5,000万円)
101人以上: 補助上限額 6,000万円(7,000万円)
補助率:【中小企業】 1/2(2/3)【中堅企業】 1/3(1/2)
※市場縮小要件を満たして申請する場合に、廃業を伴う場合には、廃業費を最大 2,000万円上乗せ
※補助上限額、補助率いずれの場合も()内は、短期に大規模な賃上げ
(事業終了時点で、①事業場内最低賃金+45円、 ②給与支給総額+6%を達成すること)を行う場合
4.成長分野進出枠(GX進出類型)
⚫ポストコロナに対応した事業再構築をこれから行う事業者を重点的に支援。
⚫GX進出類型では、特にグリーン分野での事業再構築をこれから行う事業者を支援します。
成長分野進出枠(GX進出類型)の対象となる事業者
必須要件(Cについては、付加価値額の年平均成長率4%以上増加を求める。)に加え、以下の要件をいずれも満たすこと
①事業終了後3~5年で給与支給総額を年平均成長率2%以上増加させること
②取り組む事業が、グリーン成長戦略「実行計画」14分野に掲げられた課題の解決に資する取組として記載があるものに該当すること
補助上限額
補助率【中小企業】1/2(2/3) 【中堅企業】1/3(1/2)
【中小企業】
従業員規模:20人以下:補助上限額:3,000万円(4,000万円)
従業員規模:21~50人:補助上限額:5,000万円(6,000万円)
従業員規模:51人~100人:補助上限額:7,000万円(8,000万円)
従業員規模:101人以上:補助上限額:8,000万円(1億円)
【中堅企業】
従業員規模:なし:補助上限額:1億円(1.5億円)
※補助上限額、補助率いずれの場合も()内は、短期に大規模な賃上げ(事業終了時点で、①事業場内最低賃金+45円、 ②給与支給総額+6%を達成すること)を行う場合
5.コロナ回復加速化枠(最低賃金類型)
⚫最低賃金類型では、特に最低賃金引上げの影響を大きく受ける事業者を支援。
コロナ回復加速化枠(最低賃金類型)の対象となる事業者
必須要件(Cについては、付加価値額の年平均成長率3%以上増加を求める。)に加え、以下の要件を満たすこと
①コロナ借換保証等(※)で既往債務を借り換えていること(任意)
②2023年10月から2024年9月までの間で、3か月以上最低賃金+50円以内で雇用している従業員が全従業員の10%以上いること
※コロナ借換保証等とは下記の制度を指します。
(1)伴走支援型特別保証(コロナ借換保証)
(2)コロナ経営改善サポート保証
(3)新型コロナウイルス感染症特別貸付
(4)生活衛生新型コロナウイルス感染症特別貸付
(5)新型コロナ対策資本性劣後ローン
(6)生活衛生新型コロナ対策資本性劣後ローン
(7)[新型コロナ関連]マル経融資
(8)[新型コロナ関連]生活衛生改善貸付
(9)[新型コロナ関連]沖縄雇用・経営基盤強化資金等
補助上限額・補助率
補助率【中小企業】3/4(2/3)【中堅企業】2/3(1/2)※()内は、要件①を満たさない場合
従業員規模:5人以下:500万円
従業員規模:6~20人:1,000万円
従業員規模:21人以上:1,500万円
6ー1.規模拡大・大幅賃上げへの支援 (卒業促進上乗せ措置・中長期大規模賃金引上促進上乗せ措置)
⚫規模拡大・賃上げに取り組む事業者を重点的に支援。
⚫成長分野進出枠又はコロナ回復加速化枠に申請する事業者が同時に申請可能。
6ー2.規模拡大・大幅賃上げへの支援 (卒業促進上乗せ措置・中長期大規模賃金引上促進上乗せ措置)
⚫上乗せ措置(卒業促進上乗せ措置・中長期大規模賃金引上促進上乗せ措置)の 補助事業実施期間は他の事業類型と異なりますのでご注意ください。
7.補助対象外事業
⚫ 以下に該当する事業は補助対象になりません 。補助金交付候補者として採択された 場合であっても、交付審査において以下に該当すると判明した場合には、採択取消となりますのでご注意ください。
⚫ 詳細は、公募要領をご確認ください。
8.補助対象経費
⚫ 事業拡大につながる事業資産(有形・無形)への相応規模の投資をしていただくこととなります。
⚫ 補助対象経費は、本事業の対象として明確に区分できるものである必要があります 。
補助対象経費の例
●建物費(建物の建設・改修、建物の撤去、賃貸物件等の原状回復、貸し工場・貸店舗等の一時移転)
●機械装置・システム構築費(設備、専用ソフトの購入やリース等)、クラウドサービス利用費、運搬費
●技術導入費(知的財産権導入に要する経費)、知的財産権等関連経費
●外注費(製品開発に要する加工、設計等)、専門家経費 ※応募申請時の事業計画の作成に要する経費は補助対象外。
●広告宣伝・販売促進費(広告作成、媒体掲載、展示会出展等)
●研修費(教育訓練費、講座受講等)
【注1】建物費は、減価償却資産の耐用年数等に関する省令(昭和40年大蔵省令第15条)における「建物」、「建物附属設備」に係る経費 が対象です。「構築物」に係る経費は対象になりませんのでご注意ください。
【注2】機械装置・システム構築費は、減価償却資産の耐用年数等に関する省令(昭和40年大蔵省令第15条)における「機械及び装置」、 「器具及び備品」、「工具」に係る経費が対象です。「構築物」、「船舶」、「航空機」、「車両及び運搬具」に係る経費は対象になりません のでご注意ください。
【注3】一過性の支出と認められるような支出が補助対象経費の大半を占めるような場合は、原則として本事業の支援対象にはなりません。
【注4】補助事業により取得する資産については、法に基づき財産処分に制限が課されますのでご注意ください。
補助対象外の経費の例
●補助対象企業の従業員の人件費、従業員の旅費
●不動産、株式、自動車等車両、汎用品(パソコン、スマートフォン、家具等)の購入費
●フランチャイズ加盟料、販売・レンタルする商品、消耗品費、光熱水費、通信費 等
9.審査の観点
⚫ 補助金の審査は、事業計画を基に行われます。補助金交付候補者として採択されるためには、合理的で説得力のある事業計画を策定することが必要 です。
⚫ 事業計画は、必ず事業者自身で策定してください。
書面審査項目
◼ 補助対象事業としての適格性 補助対象事業の要件を満たすか。事業再構築指針に沿った取組であるか。 等
◼ 新規事業の有望度 継続的に売上・利益を確保できるだけの規模を有しているか。自社にとって参入可能な事業か。 競合他社と比較して自社に明確な優位性を確立する差別化が可能か。 等
◼ 事業の実現可能性、事業化に向けた、課題の検証・解決方法、スケジュールが明確かつ妥当か。 最近の財務状況等から、補助事業を適切に遂行できるか。充分な体制を確保出来ているか。等
◼ 公的補助の必要性 川上・川下への経済波及効果が大きい事業や社会的インフラを担う事業、新たな雇用を生み出す事業であるか。補助事業として費用対効果が高いか。地域やサプライチェーンのイノベーションに貢献し得る事業か。 等
◼ 過剰投資の抑制 特定の期間に、類似のテーマ・設備等に関する申請が集中してなされている場合には、一時的流行による過剰投資誘発の恐れがあるため、別途審査を実施。過剰投資と判断された場合には、大幅に減点。
口頭審査
◼ 一定の審査基準を満たした事業者の中から必要に応じて、オンラインによる口頭審査を実施。
◼ 事業計画について、事業の適格性、優位性、実現可能性、継続可能性等の観点について審査。
10.補助金支払までのプロセス、フォローアップ
⚫補助金は、事業者による支出を確認した後に支払われます。
⚫事業計画は、補助事業実施期間終了後もフォローアップします。補助事業終了後5年 間、事業化状況報告が必要です。補助金で購入した設備等は、補助金交付規程等に沿って、厳格に管理することとなります。
11.その他
スケジュール
⚫ 公募期間 ・公募開始:令和7年1月10日(金)
・申請受付:調整中
・応募締切:令和7年3月26日(水)18:00
・補助金交付候補者の採択発表:令和7年6月下旬~7月上旬頃(予定)
⚫ 電子申請の準備
申請はjGrants(電子申請システム)で受け付けます。
GビズIDプライムアカウントの発行に時間を要する場合がありますので、早めの ID取得をお勧めします。GビズIDプライムアカウントは、以下のホームページで必要事項を記載し、必要書類を郵送して作成することができます。
GビズID | Home
⚫ 事前着手届出制度
第13回公募では事前着手制度は廃止されました。交付決定日よりも前に購入契約(発注)等を実施したものの経費は、いかなる理由であっても全額補助対象外となりますので、ご注意ください。
お問い合わせ先
⚫ 電子申請システムの操作方法については、電子申請システム内の「電子申請操作マニュアル」等をご確認ください。
⚫ 応募に関する不明点は、ホームページに公開されている申請に関わる資料や「よくあるご質問」等をまずはご確認ください。
⚫ 上記をご確認の上で、お問合せをご希望の方は、「コールバック予約システム」にて、事前にご希望の予約日時を選択し、連絡先等を 入力してください。コールセンターからご予約の時間帯にお電話を差し上げます。
<コールバック予約システムとは>
コールバック予約システムとは | 事業再構築補助金
さいごに
事業再構築補助金もこれが最後の公募となるかと思われます。
新規事業を考えていて補助金のスケジュールとタイミングが重なる方はぜひ申請を検討なさってもよいかと思います。
逆に補助金もらいたいから、というなんとなくな理由で申請を考えている方は後々大変な苦労が予想されますので、よく事業計画を練ってから申請を検討なさった方がよいかと思います。
新事業進出補助金(事業再構築補助金)、設備投資の補助金申請専門の行政書士 土田経営事務所 行政書士 土田経営事務所
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