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第15回 早期教育は「是か非か」

猛スピードで変化する時代の中、保育者として50年もの長きに渡り、多くの子供の育ちと向き合い続けてきた筆者が、その深い知識と経験を通じて発見した〝生きる力の強い子に育てる〟為の子育て・保育の知恵を全てお伝えするブログ、現役園長の子育て応援記!

今回は園のブログの記事をこちらにもご紹介します。

「第13回 育ちの道すじ2」
保護者からのお手紙をご紹介しましたが、
今回はその後のお話を交えたお話を。

0〜5歳の子育てに早期教育は必要か?学校入学後を考え、
「字を計算を教える」また「〜しなければ」「〜は出来なければ」と、
学校入学を前提に思いを子どもに押し付けてしまう
大人が多いのではないだろうか。
乳幼児期と学童期では、
育つ内容が違っていることを知ってほしいのです。

乳幼児期は体験の中で学び、学びながら神経系も育ち、
また、感情、思いやり、人との関わりなど、
人として人間としての基礎が身に付く時期であります。
そんな時期に言葉であれこれ教えたり、
指示をして子どもを大人の思うままに動かしてしまうことの弊害を
大人は知るべきです。
乳幼児期で体験し身につけたことは、
学童期・青年期において
行動や研究で工夫する力になってゆくと思っています。

「〜でなければならない」ではないことが
幼児期の遊びでもたくさんあります。
例えば「鬼ごっこ」です。
手繋ぎ鬼ごっこ、色鬼ごっこ、高鬼ごっこ、しっぽ鬼ごっこなどなど…
その場所や子どもの年齢によって様々です。

早々とサッカーを始めルールを教え込むと、
手はダメ、ハンドはダメなどと、思わず手が出ることを禁止します。
これを学んだと思うのは時期尚早なのではと考えます。
神経系が育っている時期の子どもは手も足も、
いや身体全体を使い学ぶのです。
学童では発達の違いがありますので、いちがいには言えませんが……。

幼児期こそ指示や余計な指導がなく、失敗してもいいんだよ!!
と思う大人が必要です。

体験から学び、字も計算も教えられず、
小学校に入学した子のレポートを読んでいただいたと思うのですが、
入学後4ヶ月で夏休みとなり、親子で富士山へ登山したそうです。
書いた絵と文を見てください。

4ヶ月で字を覚え体験したことを絵にしています。
ステキな文と絵の中では「富士山は緑でなく、土色だったな」と
体験が絵にも表現されています。
これって早期教育では表現できないことかもしれません。


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