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Googleタグマネージャー基礎:URL系変数の解説と使い方

Googleタグマネージャー(以下、GTM)は、ウェブサイトやアプリのタグ管理を簡略化する便利なツールです。その中でもURL系変数は、トリガーやタグの条件設定に頻繁に使用される重要な機能です。本記事では、GTM初心者向けにURL系変数の基礎知識から活用方法、設定時の注意点までを詳しく解説します。

1. URL系変数とは?

URL系変数とは、ウェブページのURLから特定の情報を取得し、それをトリガーやタグの条件として利用できるGTMの機能です。GTMでは以下のような組み込み変数が用意されています:

  • ページURL

    • URL全体(プロトコルからクエリパラメータまで)を取得します。

クエリーパラメータとは、URLの中で?以降に記載される追加情報です。Webサーバーにリクエストを送る際に、追加のデータを付加するために使用されます。

以下のURLの場合

https://example.com/page?key1=value1&key2=value2

  • ?: クエリーパラメータの開始を示します。

  • key1=value1: パラメータ(key1がキー、value1が値)。

  • &: 複数のパラメータを区切る際に使用します。

  • ページホストネーム

    • ドメイン部分のみを取得します(例: example.com)。

  • ページパス

    • ドメイン直後のスラッシュからクエリパラメータの前までを取得(例: /page)を取得します。

これらの組み込み変数のほか、自分でカスタマイズして作成できるユーザー定義変数も存在します。特に、クエリパラメータやプロトコルといった細かい要素を個別に取得する際には便利です。


2. URLの構造と変数の取得範囲

URLは以下のような構造を持っています:

https://example.com/path?query=value#fragment
  • プロトコル: https://

  • ホストネーム: example.com

  • パス: /path

  • クエリパラメータ: ?query=value

  • フラグメント: #fragment

GTMで取得できる各変数の範囲は以下の通りです:

  • ページURL: プロトコルからクエリパラメータまでを取得。ただし、フラグメントは含まれません。

  • ページホストネーム: ドメイン部分のみを取得。

  • ページパス: ドメイン直後のスラッシュからクエリパラメータの前までを取得。

ユーザー定義変数では、これらの要素をさらに細かく指定して取得することが可能です。たとえば、クエリパラメータの中から特定のキーの値を抽出することもできます。


3. URL系変数の具体的な使い方

(1) 基本的なトリガー設定の例

URL系変数を使ったトリガー設定では、ページビューや特定の条件に応じてタグを発火させることが一般的です。たとえば、特定のページにのみタグを発火させたい場合:

トリガータイプを「ページビュー」に設定
「すべてのページビュー」または「一部のページビュー」を選択。

「すべてのページビュー」または「一部のページビュー」を選択

変数を条件として設定
ページURL、ページホストネーム、ページパスのいずれかを選択。
例: ページパスが /about の場合のみ発火。

ページURL、ページホストネーム、ページパスのいずれかを選択

(2) クエリパラメータを利用した条件設定

URLに含まれるクエリパラメータを条件に設定することもできます。

  • すべてのクエリパラメータを取得する場合: ユーザー定義変数で「クエリ」を選択。


    ユーザー定義変数として「クエリ」を選択する方法

  • Googleタグマネージャーにログイン
    GTMにログインして、編集したいコンテナを選択します。

  • 「変数」を開く
    左側のメニューから「変数」を選択します。

  • 新しいユーザー定義変数を作成

    • 「ユーザー定義変数」のセクションで「新規」をクリックします。

  • 変数タイプを選択

    • 「変数の設定」をクリックして、表示される変数タイプのリストから「URL」を選択します。

  • URL変数の設定

    • 「URLコンポーネントのタイプ」: ドロップダウンメニューから「クエリ」を選択します。

    • 「クエリパラメータ名」: 特定のパラメータ名を指定します(例: utm_source や id)。

    • 必要に応じてデフォルト値を設定できます(値がない場合に使用される値)。

「URL」を選択する
  • 特定のクエリキーのみ取得する場合: クエリキーを指定して値を取得。

    • 例: ?promo=123 の場合、promo を指定すると 123 が取得可能。

(3) トップページや特定のディレクトリを対象にする

トップページや特定のディレクトリ配下を対象にする場合、ページパス変数を活用します。

  • トップページのみ対象:

    • 条件: ページパスが正規表現で ^/$ に一致。

  • 特定のディレクトリ配下を対象:

    • 条件: ページパスが正規表現で ^/blog/ に一致。


4. トリガー設定時の注意点

(1) プロトコルの違い(HTTPとHTTPS)

  • 同じページでも、http://example.com と https://example.com のようにプロトコルが異なると条件に一致しない場合があります。

  • 解決方法:

    • ページホストネームやページパス変数を使用して条件を分割する。

(2) ドメインの違い(wwwの有無)

  • www.example.com と example.com を同一として扱いたい場合があります。

  • 解決方法:

    • 正規表現を使用。

    • 例: ^(www\.)?example\.com$ と設定する。

(3) インデックスファイルの扱い

  • トップページが / と /index.html のように異なるURLになることがあります。

  • 解決方法:

    • ページパス変数を使用。

    • 正規表現で ^(\/|\/index\.html)$ を条件に設定。

(4) クエリパラメータの順序

  • クエリパラメータの順序が異なると条件に一致しない場合があります。

  • 解決方法:

    • ユーザー定義変数でクエリキーを指定して個別の値を取得する。


5. 実用例

(1) 特定のディレクトリ配下のページを対象にする

ブログの2022年10月の記事すべてを対象にする例:

  • 条件1: ページホストネーム = example.com

  • 条件2: ページパスが正規表現で ^/blog/2022/10/ に一致

(2) 特定のページのみを対象にする

/about-us ページだけを対象にする例:

  • 条件1: ページホストネーム = example.com

  • 条件2: ページパス = /about-us

(3) クエリパラメータを条件にする

プロモーション用のURL ?promo=123 に基づいてタグを発火させる例:

  • ユーザー定義変数で promo キーを取得。

  • 条件: promo の値が 123 の場合に発火。

(4) トップページを対象にする

トップページ(/)を対象にする例:

  • ページパス変数を使用。

  • 正規表現で ^/$ を条件に設定。


6. まとめ

URL系変数は、GTMでのトリガー設定に欠かせない重要な機能です。設定を最適化するためには、以下のポイントを押さえておきましょう:

  1. URLの各要素を理解し、変数の取得範囲を把握する。

  2. トリガー条件は可能な限り分割し、変数ごとに設定する。

  3. クエリパラメータや正規表現を活用して柔軟な条件設定を行う。

  4. 設定後は必ずプレビュー機能で動作確認を行う。

これらを実践することで、GTMの活用効果を最大化できるでしょう。ぜひ試してみてください!

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