梅雨と綿菓子|パニック障害の日々
「パニック障害の方は季節の変化に敏感になってしまうことが多い」と主治医に言われた通り、季節の変わり目はめまいや動悸に悩まされます。
そして梅雨は尚更、暑さも相まって呼吸がしづらくなかなか大変な時期なのです。
本音を言うと家にこもってあまり活動したくないのですが、生きるためにはやらなければならないことも色々ありまして。
頓服に頼りつつ外に出ました。
サウナのような空気に頭もぼんやりしがちな中、目を奪われたのは色とりどりの紫陽花でした。
「今が私の時間」とばかりにアイロンで仕上げたような花びらをぱりっと立てて、なんとも凛とした姿でした。
可愛らしい色合いに昔原宿で見た綿菓子を想像してしまった私です。
しかし紫陽花は綿菓子のように溶けて無くなることはありませんね。
しっかりと根づき、来年も変わらぬ姿を見せてくれるのです。
今を生きるとはこういう姿のことなのかと、しばらく見つめ合って過ごしました。
生命の強さは美しいものだと教えてくれるような、紫陽花との出会いはそんなうれしい出来事でした。
そして甘いものが欲しくなった私は、家を出た時よりも軽い足取りでコンビニに向かったのでした。
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