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外資系企業従事者に向けた国内SaaS企業転職指南(ただしグローバル環境に限るよ!) #SaaSLovers DAY8

こんにちは。
サラリーマンになってからというもの、Smartpayという現職で働くまで外資系企業でしか働いたことがなかった大坪直哉です。そうは言っても33歳まで舞台役者をやっていたんですけどね。その辺り、詳しくは坂本達夫さんの「スタートアップ酒場」で話しているのでみていただくとして、

今回のnoteは #SaaSLovers の一環で書いているものです。
#SaaSLovers とは、有志でSaaSに関するブログを書く企画です。今回で5回目となり、今までで90記事くらい上げています。今回の参加者様はこちら。僕で8日目。ここまでもとってもタメになるnoteが上がっているので、併せてお読みください。

SaaSな17人

このnoteは誰のためか

僕はこのnoteを今は外資系テック企業に勤める方に向けて書いてます。そんな人たちに国内SaaS企業への転職をお薦めする内容になってます。そんなことを言うと、現在国内企業に勤めてらっしゃる方は「外資系テック企業といえばGAFA改めGAMAみたいな会社でしょ?日本の会社に勤めてどんな意味があるわけ?」と思うかもしれません。でも実は外資系企業の日本ビジネスは大きな課題に直面していると感じています。なのでもしかしたら、外資系テック企業への転職を検討してる方にも役立つ内容かもしれません。

キャリアとともに日本の勢いを振り返る

私が役者を辞めて最初に働いた会社は、Overtureという検索連動型広告をGoogleよりも早く開発しサービスを提供した会社です。今から20年くらい前ですね。その頃は日本も自信に満ち溢れていて、APACのトップは日本、APACで最も重要なマーケットが日本、という自負が働く僕たちにもあったものです。その後複数社を経験して入社したCriteo時代(2012年頃)から、少しずつ趨勢が変わってきます。GoogleはAPACのヘッドクオーターを日本からシンガポールに変え、少しずつ日本人も「あれ?」と思い始めました。
その次に入社したAppsFlyer(2015年入社)ではその趨勢はすでに決し、もうアジアのトップマーケットが日本だなんて言う人は世界中どこを見てもいなくなりました。その頃からですよね、日本賛美のテレビ番組が増えてきたのは。日本人が自信を回復してきてるからという論調もありますが、僕はむしろ逆で自信を喪失し始めてるからこその現象だと捉えています。

Monoist記事「成長しない日本のGDP、停滞の20年で米国は日本の4倍、中国は3倍の規模に」より

アジアのトップどころか、世界のビジネスで最も重要なのは中国とインド、日本は多くのビジネスにおいてプライオリティが後回しになっていきました。

外資系企業日本ビジネスのジレンマ

書いてて悲しくなってきましたが、これが現実です。なぜこんなことを書いたかというと、これらの外的要因が、直接的に外資系企業で働く自分の仕事のしやすさ、そしてビジネスの成長性に影響を与えてきたからです。

実際、今外資系で働いている人の多くはこのジレンマに地団駄を踏んでるのではないかと思います。つまり、

本社に機能改善のリクエストを上げる→アメリカ、中国、インドなどのマーケットからのリクエストが優先され、結果的に日本のクライアントのニーズを満たしてあげることができない→チャーンが発生するor売上が伸びない(下がる)→さらに日本の優先順位が下がる→またクライアントニーズを満たせない(続く)という無限ループ

の罠に嵌っているのではないかということです。

そんなことなら「外資系」という枠に捉われずに、やりたいことにフォーカスして日本企業も含めて転職先を探すのもアリなはずです。今回Smartpayの立ち上げに参画した私も上記のジレンマを感じていました。と言っても、「絶対国内企業!」とか「やっぱり外資系!」と思って転職活動をしたわけではなく、興味のあるフィンテック界隈に参画したいというピュアな思いで転職したわけなんですが。

実際に国内SaaSに働いてみてどうなのか

ただ実際に日本企業に働いてみて思うのは、「マジ最高やん」ということです。他の国にプロダクトリクエストで負けるわけでもなく、予算が他の国に回されるわけでもなく、全ての予算を日本マーケットに充て、日本マーケットのためにプロダクトを作るのです。当たり前か。当たり前と言われればもちろんそうなんですが、外資系企業にいた身からすると、これは本当に奇跡的に気持ちいい状況だったりするわけです。

ただし、僕が立ち上げに参画しているSmartpayは日本企業といえど、めちゃめちゃグローバル企業だということは必ず付言しておかなくてはなりません。コロナ禍で生まれた企業(2021年創業)なので、リモートワークベースで構造が設計されてます。リモートワークベースということは、どこで働いてもいい、そしてそれを人事の観点から言い換えると、日本にいる人の中から採用する必要はなくて、世界中から最高に優秀な人間を採用できますよということなんです。実際、マネジメントにいるメンバーで日本人は僕だけで、あとはベルギー、オーストラリア、フランス、ハンガリー出身という陣容です。それ以外にもファイナンスは南アフリカ、デザイナーはスペイン、エンジニアは台湾、ベトナム、アメリカ出身という具合です(日本人もいます)。流石にGTMチーム(マーケ、セールス、CS)は日本語がネイティブな人ばかりですが。

外資系企業の気持ちよさとは

外資系企業にいる人たちは、英語を使いたいという人も多いと思いますが、英語以外の外資系企業で働きたい大きな理由の一つは外資系企業のダイナミズムだったりします。早い決断、大きな予算、クイックなコミュニケーション、それを文化や言葉の壁を超えて実現するところに働く楽しさがあったりするのですが、Smartpayは日本企業でありながらそのダイナミズムも持ち合わせているんですね。国を跨いだ情報網、クイックかつダイナミックな意思決定。一例を挙げるとすると、多分純粋な国内企業なら、ひろゆきさんを自社のアンバサダーにするなんて、やらないと思います。

ひろゆきさんがSmartpayのアンバサダーに

報奨金1千万円業績アップコンペとかもそう。でもそれを実現してしまう。国内企業でありながら、外資系企業の気持ちよさも持ち合わせた会社に出会えたことは僕自身にとってとてもラッキーなことでした。インタビュープロセスの時はまだ会社のホームページもLinkedInページもなく、「本当にこの会社は存在するの?」と奥さんに怪しまれたりしましたが、それも今となっては笑い話です。

報奨金1千万円業績アップコンペ

グローバルな国内企業が数多く爆誕する予感

そんな会社激レアでしょ、と思う人も多いかもしれません。確かにそんなに多くはないでしょう。でもこれからこういう会社が増えていく気がしています。コロナが僕らのマインドセットに与えた影響は良くも悪くもあって、ある意味いろんな壁が乗り越えられるほどに小さくなりました。世界中のどこにいても仕事ができる。ということで日本を拠点にビジネスをする外国人も増えるでしょう。例えば友人の高橋君成くんがCBOを務めるVirtusizeも役員のほとんどは日本人ではありません。そしてさらにこの円安。ドルを持ってる人たちが日本に投資するにはめちゃめちゃお得な状況です。数ヶ月前の15%引きくらいで色々買えてしまうわけですから。逆にいえば、いいテクノロジーが手元にありさえすれば、世界中の投資家にアピールして日本で世界基準のビジネスを立ち上げることは、国籍がどこの人であれそれほど難しいことではないように思います。

ないなら作ってしまってもいい

もし国内にそんな会社がない!ということなら、自分で立ち上げるのも手です。Smatpayがまさにそんな感じです。参画した時はまだプロダクトも、オフィスも、ホームページも何もなかった。いまだに経費精算のちゃんとしたフォーマットがなかったりもします(鋭意策定中)。えーって思う人もいるかもしれませんが、それって何も描かれてない真っ白な紙。何を描いてもいいわけで(と言っても人気の出るような絵である必要はありますが)、絵心(ビジネスのビジョン)がはっきりしてるのであれば、やらない手はありません。僕も、GTMの計画を立て、それに基づいて採用をし、オフィスを開け、さらに人が増えたから自社オフィスを見つけてきて移転を決断しetc、日本のビジネスの全般(プロダクト開発とセキュリティ以外)を全てリードしています。「本社」ですから当然予算もしっかり自分が握っています。そんなことって本当に今までなかった。なので何度も言いますが、めちゃめちゃ気持ちいいんです。外資系企業にお勤めの皆さん、ぜひグローバルな国内SaaS企業にも目を向けてみてください。新しい発見がきっとあるはずです。

ここまで読んでいただいてありがとうございます。
このnoteを読んで、感想などあればどんどんフィードバックいただけたら嬉しいです。同じような経験をした方、キャリアに迷われてる方、なんでも相談してください。

私は実は国際公認ヘルスコーチという珍しいライセンスも持ってたりします(坂本達夫さんの「スタートアップ酒場 【株式会社Smartpay 3/3】リバウンド王坂本も絶賛‼︎超健康オタクでNYの学校へ‼︎糖質制限より大事なのは◯◯!!」をご参照あれ)。そして日本モンブラン協会を立ち上げ、その会長をやってたりもします。そんな話もいつかできたらと思います。

最後になりますが、5月25日に弊社オフィスでオフィスオープニングパーティを行います。EC事業者様限定なのですが、もし参加ご希望の方いらっしゃいましたら、下記ページご参照の上私までご連絡ください。最新のケーススタディを紹介したり、慶応SFC保田教授による今後のビジネストレンド解説など盛りだくさんで行います。残り枠があまりないのでもしかしたらお断りするケースもあるかもしれませんが、ご興味ある方はチェックしてみてください。

この #SaaSLovers リレーブログ、明日は 木本俊光さんがお届けする予定です。お楽しみに!



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