岡康道さんを偲んで
あのひとがまだ生きていたら何て言うだろうか
そんなことを思うことってないですか?
私の場合、さくらももこや天野祐吉さんだったら…ということをよく考えます。
大学を卒業して、広告業界を目指した私。
なんとか小さな広告会社に引っかかり、広告マンとして社会人の一歩をスタートしました。
しかし華やかな広告業界を夢見た私に待っていたのはひたすら飛び込み営業をする日々。CMや撮影現場に立つことはおろか広告をもらうことから始まるのです。
それでも広告業界に身を置いているんだ!という自負だけは捨てずにこれたのは広告業界で輝くスーパースターたちの存在。
広告批評を手に取り、広告関連のセミナーや出版イベントに足繁く通い、スーパースターの空気だけを吸いにいくことが自分にとってのモチベーションだったのです。
もちろん話を聞くだけで「クリエイティブになれる」わけではありません。
当時を振り返れば、憧れを持ち続けたからこそ踏ん張れたのかも。
広告界のスーパースターがいたから頑張れた
佐藤可士和さんや箭内道彦さん、森本千絵さん、そして小霜和也さんなど彼らのクリエイティブを見て、いつか自分もこんな仕事したいと思っていました。
そして小霜さんもいなくなってしまった。
そんな憧れのひとりがTUGBOATの岡康道さんでした。岡康道さんの話を最後に聞いたのが2019年のAdvertising Week。あまり体調が良くないのかな?という印象だったのを覚えています。
それでも岡さんの言葉はやはり重かった記憶だけは残っている。
そして間もなく2020年に逝去されてしまいました。
岡康道さん率いるTUGBOATの広告はとにかくカッコよく、ユーモアセンスも抜群でした。
特に私は「ダイワハウチュ」が好きだった。
カッコ良さというユーモア
岡さんはいつだってカッコよく、憧れの存在。そんなスーパースターがいないというのは寂しいものです。
コロナに打ち克つクリエイティブを岡さんならどんな表現をしてくれるか。
「この広告は岡康道かー」「次の表現はそうきたかー」
ワクワクさせてくれるひとがまたいなくなってしまったという事実は、それだけ自分も確実に歳をとっている証拠。
岡康道さんのカッコ良さを忘れずにこれからも生きていきたい、そんな展示会を見に行けて良かったと思います。
展示会最終日の前日だったこともあり、会場はかなり混雑していました。
岡康道さんの展示会は10/24日曜まで。東京青山スパイラルにて。
改めてご冥福をお祈りします。そしてありがとうございました。