Google を辞めた時を振り返ると、「退職はマーケティングである」 と思った話
今回はビジネスキャリアです。
「退職はマーケティングである」 という考え方から退職をうまく進める方法をご紹介します。
退職では 「飛ぶ鳥跡を濁さず」 が大事です。円満な退職をして辞めた後も縁が続くためにはどうすればいいかを見ていきましょう。
退職は芸術である
今回の背景は、ある本を読んで退職について考えさせられたからです。
本のタイトルは 「嵐」 に学ぶマーケティングの本質 (射場瞬 (いば ひとみ) ) です。
この本の中に 「Quitting is art (退職は芸術だ) 」 と書かれていました。
Quitting is art とは、退職を決めたら辞めるまでは芸術作品を創るように丁寧に心を込めて全力で取り組むという考え方です。
退職はマーケティングである
この話を読んで思ったのが、自分にとっては 「Quitting is marketing」 、つまり 「退職はマーケティングである」 です。
マーケティングを展開する上で大事なのは、「誰に」 「何の価値を」 「どう届けるか」 です。
5W1H に当てはめると、誰にが Who 、何の価値をは What 、どう届けるかが How です。
✓ マーケティングの全体像
ターゲットとなるお客さんを決める
お客さんへの提供価値 (商品・サービスを使うことによるメリット) を明確にする
価値提供のための具体的なマーケティング施策を実行していく
ここで話を退職に戻すと、会社を辞める時にマーケティングの Who, What, How をしっかりと決めて進めると、良い退職プロセスになります。会社を辞めてからも大切な人とは縁がつながった状態にできます。
マーケティング的な退職方法
では Who, What, How の3つの順番で 「退職の挨拶」 に焦点を当てて退職の方法を見ていきましょう。
Who: 退職を伝える相手
過去に自分が会社を辞めた時を思い返すと、例えば最後に会社員だった Google にいた時は伝える相手を大きく3つに分けました。
✓ 退職を伝える相手
直接会う、またはリモート会議で伝える人
直接は会えないが個別のメールで伝える人
一斉送信の退職メールを送る人
What: 伝える内容
伝える内容を考える時に相手にただ一方的に話すのではなく相手にも何かメリット、つまり退職の挨拶を通じて価値を得られるようにしました。
具体的には退職や転職、独立をすることに至った経緯、何を考えて、どんな悩みごとがあったか、困ったこと、これをやっておけば良かったもの、決断の決め手、キャリアの考え方です。これらを通して相手にもキャリアでこれまでを振り返ったり、今後のことを考えるきっかけになればと思ってのことでした。
また、他に伝えた内容はこれまで一緒に仕事をできたことへの感謝、会社を辞めても機会があればまた何か一緒にやりたい気持ちも伝えました。
How: 伝え方
先ほどの Who (誰の) のところで触れたように、退職あいさつの方法は次のようないくつかのパターンがありました。
✓ 伝え方
直接会って伝える。例: ランチに誘う, 1対1の会議
リモート会議で
個別のメールで長めに書く
一斉送信の退職あいさつメール
もちろん関係者の全員に直接会って伝えるのが理想ですが、時間が限られ退職のあいさつ以外にも仕事の引き継ぎや退職の事務手続きもあります。
退職までの限られた時間を最大限に有効活用し、伝え方を決めるために 「誰に」 「何を伝えるか (提供価値) 」 を明確にし、その上で How である伝え方に落とし込みました。
あらためてやったことを振り返ると、退職のプロセスにはマーケティングと共通点があります。「退職とはマーケティングである (Quitting is marketing) 」 なのです。
まとめ
今回は自分の退職の時を振り返って、マーケティングの考え方を取り入れた退職の方法をご紹介しました。
最後にポイントをまとめておきます。
✓ 退職はマーケティングである
マーケティングを展開する上で大事なのは、「誰に」 「何の価値を」 「どう届けるか」 にある
会社を辞める時も、退職を伝える相手に、伝える内容を明確にし、退職までの限られた時間で伝え方を決めると良い
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