メメタァっていう、あのメガネのボーカルのバンド
11月5日(日)「風のリズム」新潟Golden Pigsと、11月17日(金)新代田feverのワンマンと、2本のライブを11月中に観てきた。以前からCDやサブスクでよく聴いていたバンドで、ようやく生で体験することができた。
メメタァを知ったきっかけに関して、詳細は覚えていないのだが、おそらくはAnabantfullsという別のバンドがきっかけだったはずだ。色々検索して調べた結果、おそらくはメメフェス2022にAnabantfullsが出演するという告知のツイートをみた辺りが最初のメメタァ情報だった可能性が高そうだ。
なお、Anabantfullsもカッコいいバンドで、別途記事を書こうと思っている。
ちなみに本稿のタイトルは、「僕がメガネを取ったら」という曲の歌詞の一部をもじったものである。
メメタァの魅力
嗜好に関わることを言語化することは簡単なことではない。好き・嫌いという言葉を使うと、物事に優劣をつける価値基準があるように解釈されがちだ。ただ、そういう七面倒臭い話はとりあえず別の機会にしておこう。
ジャンルで言えば、とてもストレートなロックンロールである。
楽曲の良さ
演奏力
ボーカルの声質
など、他にもたくさんあるが、楽曲の良さに関してボーカルの声質はとても重要な要素だと思う。
とは言え、言葉で音楽の魅力はなかなか伝わらないので、Youtube動画を何点か貼り付けておきたい。
まずはストレートな楽曲から。サビのユニゾンの全力感がとてもよい。
また少し哀愁感を漂わせた楽曲も非常に魅力的だ。
このMVもとても良くできていて、特にエモいギター・ソロの部分の映像の感情表現が印象的だ。
また、バラードもある。個人的には先日のライブで聴けなかったのが残念だったが、いつかライブでも聴けたらいいなと思っている。こちらは動画なしの固定画像のみのものだが、この画像が楽曲にとてもよくマッチしていると思う。
ライブで発揮される魅力
ギタボの西沢成悟くんが作詞作曲を手掛けており、編曲を「メンバーのみんな」と印しているのが個人的にとても好感を持っている。作詞作曲は一人だけど、バンドとして楽曲を作り上げているんだという矜持を強く感じる。
バンドとして作り上げた楽曲の魅力をもっとも強く感じられるのがらいぶである。ワンマンライブの新代田feverも、「風のリズム」という複数のバンドが出演する企画ライブが行われた新潟Golden Pigsもライブハウスだ。
ライブハウスという場は、演者と観客の距離がとても近い。
メジャーなバンドやミュージシャンは、ホールやアリーナ、ドームなどの大きな会場でライブを行う。大きなセットを含め、ガッチリと作り込まれた大空間でのライブも魅力的ではあるが、単純に演者と観客の物理的な距離はとても遠い。その距離感を感じさせないようにするための演出が行われ、その演出も含めて楽しむのが大会場でのライブであるといえる。
そういう意味で、ライブハウスとホールやアリーナなど大会場の間には、キャパという数値とは別の大きな差がある。
演者にとっては、いわば「売れて」大きな会場でライブを演れるようになることを目標にしている場合が多いだろう。当然ながら、ライブハウスを主な活動の場としているバンドやミュージシャンの殆どは、サラリーマンやバイトなど他の収入源をもっている。いわゆるメジャークラスのバンドでも、ツアーはライブハウスのみという場合もなくはないが、その場合には対バン形式ではなく、ワンマンライブだけのツアーを組む。
ライブハウス
地方に住んでいるので、気軽に行けるライブハウスは近くにはない。なので、メメタァに限らず、ライブハウスでお気に入りのバンドを見るためにわざわざ東京に出かけたりもする。
ライブハウスは、メジャーではないバンドが演奏するところ、というのは一面で言えば正しい。しかし、メジャーではないバンドは演奏が下手で、楽曲がダメで、音も悪い、ということを意味しない。
ライブハウスにはライブハウスの魅力がある。ライブハウスでしか演奏できないバンドは売れてないし大したことはないと考える人もいるし、そういう他人の嗜好を否定はしないが、数値の多寡を判断基準にしている面もあるんじゃないだろうかと思っている。
このYoutube動画はメメタァが別のバンドのレコ発ライブに出演した、2021年9月のライブ演奏をYoutubeでライブ配信したものだ。演奏の冒頭、成悟くんが発した言葉がとても印象的だ。
ライブハウスという存在や、ライブハウスで演奏しているバンド、ライブを見に行く観客、ライブハウスを運営しているスタッフなどに対して、ライブハウスというキーワードだけで牙を剥いた奴らが多数いたことをわたしはこの先も決して忘れることはない。
ライブハウスが悪者にされ、誹謗中傷に晒され、攻撃の対象とされても、当然ながら悪いのはライブハウスでもなく、感染症でもない。感染症を口実にして、他者に敵意や悪意を剥き出しでぶつけることで溜飲を下げた連中の、その心根が諸悪の根源であることは当然だ。
感染症を口実に他人を攻撃した連中は、恐らく何も失ってないだろう。しかし、悪者にされたことで生きる糧を奪われたり、生きる意味を見失わされた人たちがたくさんいたことに、一瞬でも想像したことがあるだろうかと問うてみたい。そんなの自分には関係ないことだと答えるだけだろうが。
上のYoutube動画でのライブは、そういう意味でとても貴重な記録になっている。選曲も全力の演奏も胸熱でとても素晴らしい。彼らは生き残り、ちゃんと前に進んでいる。
音楽を聴くということ
かつてはレコード盤やデジタルになってCDという、物理メディアが音楽を聴くために手にするものだった。
テクノロジーの進化がもたらすビジネス形態の変化によって、物理メディアがなくても音楽を手にすることができるようになった。しかし、音楽を聴く、ライブを体感するという行為自体は、基本的に変わることがない。
サブスクというシステムは、リスナーとしては安価に大量の楽曲を聴ける環境をもたらした。それはひっくり返せば、制作者側へのペイが減っていることも意味する。
かつてはメジャーなどの契約や、死語になったがインディーズなどのチャンネルがなければ、楽曲を流通に乗せることが極めて困難だった頃と比較すると、サブスク配信やYoutube動画などは、制作者にとっては参入障壁が大きく下がっていることも意味する。
わたし個人にとってもメメタァのことを知って最初に検索したのがYoutubeで、次にApple Musicのサブスクだった。そこには魅力的な楽曲が溢れていた。
だから、ライブに行く機会を探っていた。先にチケットを取ったのはワンマンライブの方だったが、その直前に新潟でもライブがあり、タイミング的に行けることが分かり、チケットを取った。トップ画像はその「風のリズム」のライブ後にサインしてもらったCDだ。
余談だが、新潟のライブの直前に、ライブハウス近くのコンビニからコーヒーを買ってきたメメタァのメンバーとたまたま遭遇し、思わず「メメタァのみなさんじゃないですか!」と声をかけて驚かせてしまった。そこで少し会話を交わし、ライブ後にはグッズを買い、CDにサインしてもらい、集合写真も取って、いろいろ話もすることができて、交流することができたことがとてもいい思い出になっている。
もちろん、ワンマンの方が演奏時間も長く、観客もメメタァガチ勢ばかりでそれはそれで楽しかった。しかし、フェス形式の対バンライブは、メンバーをより近くに感じられるいい機会でもある。
などと、言葉をいくら連ねても音楽の良さは伝わらない。なので…
うまく言えないけど 好き好きなんだよ〜