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【期間限定☆1巻まるごと無料公開】ふしぎアイテム博物館「第3話 無敵クリーム」


「う~ん、どうしようかなぁ」
 部活帰りの下校中、うち──宇田川うだがわ椎菜しいななやむ。
 どうしよう、剣道部の合宿。
 ぜったい、行きたくない。行きたくない行きたくない行きたくない!!!
 サボったら……怒られるよなぁ。
 うち、いちおうレギュラーだし。後輩たちに示しがつかない。
 でも、うちには、どうしても合宿に行きたくないワケがあった。
 だって、合宿先には、アレがいる。
 想像するだけでおそろしくて、おぞましくて、体がふるえちゃうアレが!
「……うん?」
 うちは、立ち止まる。
 だって、道の真ん中に、扉があったんだもん。
 建物に備え付けられているんじゃなくて、ただ扉だけがある光景……十四年生きてきて、はじめて見たかも。
 なになに? アート作品? もしくはえスポットかなにか?
 扉はいかにも高級そうなデザインで。まさか粗大そだいゴミではないよね。
 なんとなく、うちは扉を開けてみた。
「えぃ?」
 変な声が出てしまう。だって扉の先が、長い通路になっていたから。
 急いで扉を閉めて、裏側にまわったのだけど、もちろん通路なんてない。


 でも、もう一度扉を開けると、やっぱり通路がつづいてる。
 どう考えても怪しい! ぜったい変! 異常!
 ……でも、だからこそ。
 うちは、通路に足を踏み入れていた。
 ぶっちゃけ不安はあった。でも、それ以上に、この先になにがあるのか、ワクワクしちゃったんだ。
 やがて、長い長い通路を抜けると、大きな部屋にたどり着く。
 その部屋にはたくさんのガラスケースがあって、中にはさまざまなモノがしまわれていた。
「いやいやいやっ、ここ、マジでなに……!?」
 少しの不安と大きな期待に胸をふくらませ、うちはキョロキョロ辺りを見まわす。
 すると見えたのは、『博物館の中ではお静かに』の貼り紙に、撮影禁止の看板。
 そうか、ここ、博物館なんだ! じゃあ、ガラスケースの中は展示品!
 通学路に扉、入ってみたら、博物館!
 あまりにもふつうじゃない現実に、頭がクラクラしてしまう。
 もしかしてここ、本格的にヤバい場所なんじゃ? そんな考えが頭をよぎった。
 でも、引き返そうとは思わない。うちの目は、展示品へと吸い寄せられていた。

【自白パック】
 このパックを顔面に貼られると、ウソがつけなくなり、どんな質問にも正直に答えてしまう。
 オマケで美白効果もある。

【ノロノロアロマ】
 においをぐと、体の動きも頭の回転も遅くなり、強制的にゆっくりできるアロマ。

【運だめしマニキュア】
 ると、なにかが起きるマニキュア。
 いいことが起きるか、悪いことが起きるか、塗ってみないとわからない。

栄光水えいこうすい
 ふりかければ、どんなモノでもキラキラ輝いて見え、その価値が高まる水。
 良い匂いもするので、香水としても使える。

「……うおぉ~」
 台座に備え付けられたプレートの文章を読んで、うちは小さくうなった。
 書かれている内容は、どれもふつうじゃない。
 でも、どの内容も、うちの心にズシンと響いたんだ。
 だって目の前の展示品たちは、なんかこう、ず~っと見入ってしまうような、奇妙で、フシギなオーラがあった。
 ここにある展示品たちは特別なモノ、そうとしか思えなかった。
 やがてうちは、その展示品──なんの飾りっ気もない丸いケースに気づく。

無敵むてきクリーム】
 このクリームに触れた生物は、一瞬のうちに死んでしまう。
 さらには、生物からの攻撃をすべて無効化する力もある。

 うちは無敵クリームから目がはなせなくなった。
 だって、このクリームは、まさにうちが求めていたものだったんだ。
 これがあれば、うちは、安心して合宿に行ける!
 もっとよく見ようと、ガラスケースに顔を近づけた、そのときだった。
「ようこそっ」
「うぎゃあっっ!?」
 ガラスケースの裏からひょっこりと、女の子が飛び出して来て、思わずさけんでしまった。
「あ~おどろかせちゃったね。ごめんごめん。ごめんですんだら警察はいらないって言うけど、うん、それでもごめんね?」
 とつぜん出てきたボブヘアーの女の子は、人なつっこい笑みを浮かべながらあやまった。
「い、いや、ちょっとビックリしただけ。うち、こんなんで警察呼ばないし……うん? きみ、ようこそって言った?」
「うん、じゃ、あらためて」
 女の子はピッと姿勢を正して、
「ようこそ、ふしぎアイテム博物館へ。ここはフシギなアイテムが集められた、世界で唯一の博物館だよ」
 と言った。
「ふしぎアイテム……」
 自白パック、ノロノロアロマ、運試しマニキュア、栄光水、無敵クリーム……たしかにフシギなアイテムだ。
「わたしはメイ。この博物館の館長──の助手をしているよ」
「ええっ?」
 小学生が助手?
「あははっ、うんうん、わたしが助手でビックリするよね」
 メイちゃんはいかにも人当たりのいい笑みを浮かべた。
「だけど、館長を見たら、もっとビックリするかも」
「館長?」
「うん、博物館の館長、宝野たからのヤカタさま。この博物館の創設者そうせつしゃにして、ここにあるフシギなアイテムの持ち主なんだ」
 メイちゃんは笑みを浮かべたまま、うちの顔をのぞきこむ。
「どうかな? よかったら館長に会ってみない? 館長も、あなたに会いたがってる」
「う、うちに?」
「そう、お客さんと話したいんだって」
 うちは、無敵クリームをチラッと見る。
 この、フシギなアイテムたちの持ち主……そんなの、ぜったい特別な人に決まってる。
 そんな人が、うちに会いたがってるなんて!
「おっ? 無敵クリームが気になる? じゃ、これも持っていこっか」
 うちがチラチラ見ていたことに気づいたんだろう。
 メイちゃんは慣れた手つきで、ガラスケースから無敵クリームを取り出した。
 どうしてメイちゃんは、無敵クリームを持っていくんだろう?
 わからない。でも、特別なことがまっている気がした。
「さあ、こっちだよ」
 そう言って、メイちゃんは歩きだす。
 わくわくソワソワしながら、そのあとを追って、うちも歩きだすのだった。

「私がふしぎアイテム博物館ミュージアムの館長、宝野ヤカタよ」
 連れていかれた館長室には、美少女がいた。
 目も、鼻も、肌も、髪の毛も、すべてのパーツが完璧だった。
 たしかに、これはビックリだ。
 まちがいなく、うちが人生で見てきた人の中で、いちばんきれい。
 きれいすぎて、なんだか、こわいくらい。
「お名前は?」
「あ、えっと、宇田川椎菜……です」
 館長さんは年下? 年上?
 わからないけど、この人から出る圧倒的な美しさにのまれて、なんか敬語になっちゃう。
「緊張しなくていいのよ」
 館長さんは、うちの心を見透かしたように言う。
 そのときの表情や口調がこれまた可憐かれんで、余計緊張しちゃうよ。
「ねえ椎菜さん。あなたはこの博物館を気に入ってくれたかしら?」
「あ、はい、それはもちろん。謎の扉が博物館に通じているのもヤバいし、それに、アイテムも、なんというかオーラがハンパなくって──」
「なるほど、アイテム」
 あれ? 館長さんの目が、一瞬光った気がした。
「あの、館長さん、この博物館ってなんなんですか? さっきも言ったけど、うち、扉からここに来たんです。扉だけが、道ばたにポツンとあって──」
「いいのよ、そんなこと」
 うちの言葉を、館長さんはさえぎった。
「いいの、そんなこと。ここは、私の博物館。私の愛する、世にもフシギなアイテムたちの展示場所。それが、答え。それ以上でも、それ以下でもないわ」
 人の言葉をさえぎって、しかも勝手に話を終わらせるなんて、ふつうに失礼。
 でも館長さんがやると、うちが余計なことをしゃべったのが悪かったんだって、そんな風に思ってしまう。
「椎菜さん、そんなことよりアイテムよ。なにか気に入ったアイテムがあるのかしら?」
「ヤカタさま、これこれっ」
 メイちゃんが、館長さんに無敵クリームを渡す。
「うふふ、なるほど、お目が高いわ」
 上品に笑いながらも、館長さんの目がまたもや光った──ような気がした。
「これは良いアイテムよ。手に入れるのに十億円はかかった……いや、それよりも、椎菜さん、どうして無敵クリームが気になったの? あなたは、スッと話してくれそうね?」
「え? まあ、話しますけど? ……えっと、うち、学校で剣道部に入ってて。今度、部活で合宿をするんです。それで、その合宿先というのが、なんと山奥で!」
「山奥だと、なにが悪いの?」
「それがうち、虫がめっっっちゃ苦手なんです!!!」
 つい、声が大きくなっちゃった。
 でも、一度ついた勢いは止まらない!
「小学生のとき、はちされたことがあって、それがいまでもトラウマで!」
 刺された足はヤケドしたみたいに熱いし、呼吸は苦しいし、吐き気はするしで最悪だった!
「というかそれがなくても、シンプルに気持ち悪くて! いまこうして〝虫〟って口にするのもイヤで!」
 話しながら、体中に鳥肌が立つ。
 あ~マジでムリ! とくにワサワサ動く足がムリ! なんか細かい毛が生えてるし!
「山って、ぜったい虫が大量にいるじゃないですか! いまからユーウツでユーウツで。しかも蜂の毒って二度目のほうがヤバいって説もあって、うちは一度刺されてるからもう──」
「ねえ椎菜さん」
 うちの言葉を、館長さんがさえぎる。
 上品な笑みと、やっぱり目を光らせながら。
「よかったら、無敵クリームを使ってみない? 私、あなたに無敵クリームを貸したいわ」
「え! いいんですか!? でも、展示品なんじゃ……?」
「アイテムは使われてこそでしょう? 私はアイテムを自慢したくて、この博物館を建てたわ。でもね、アイテムをただのおかざりにするつもりはないの」
「えっと、じゃあ、使わせてもらいます! ありがとうございます!」
「ええ、存分に使ってちょうだい。無敵クリームを肌に塗れば、虫に刺されることはないわ」


「……あ、でもっ」
 うちは、無敵クリームの解説文を思い出した。
「館長さん、無敵クリームって、ちょっと効果が強すぎますよね? 触れただけで死ぬって。もし、なにかのまちがいで、他人に触れてしまったら……」
「無敵クリームは、人間にはかないの。そうじゃないと、クリームを塗った本人が死んでしまうでしょう?」
 あ、たしかに。
「人間には効かないから、椎菜さんも、椎菜さんの周りにいる人間も安全よ。目に入っても、口の中に入れても、なんの問題もないの。無敵クリームは人間に害はない──博物館の館長として、そこは保証するわ」
 それを聞いたうちは、「わかりました」とうなずいた。
 館長さんの言葉には、強い説得力があった。
 この人は、アイテムのことでウソはつかない、そう思った。
 それから、館長さんから無敵クリームを受け取って、うちは館長室をあとにした。
 入ってきたときの扉のところまで、メイちゃんが送ってくれる。
「それじゃ、またね椎菜ちゃん。剣道部の合宿が終われば、扉はふたたび、椎菜ちゃんの前にあらわれるから」
「うん。いろいろありがとうメイちゃん」
「こちらこそ、ヤカタさまのワガママを聞いてくれてありがとう」
「いやいや、ワガママだなんて、うちのためにアイテムを貸してくれたんだし」
「ちがうよ」
「……え?」
「それは、ちがうよ」
 メイちゃんはやわらかい表情を浮かべながら、それでもきっぱりと言った。
「椎菜ちゃんのためじゃなくて、アイテムのため、だよ。ヤカタさまは自慢のアイテムに活躍してほしくて、椎菜ちゃんに無敵クリームを貸したんだ。ヤカタさまは悪い人じゃない。でも、良い人でもない。それを忘れないほうがいいと思うな」
 たしかに館長さんは、うちに同情したとか、そんな雰囲気は一切なかった。
 めっちゃ親切だからとか、そんな感じでもない。
 ……あれ? 館長さんてもしかして、うちにあんま、興味ない?
「そうそう、無敵クリームは回復アイテムじゃないから、ダメージを受けたあとに使っても、そのダメージは回復しないよ。注意してね」
 最後に、メイちゃんからそんな言葉をもらって、うちは扉を開いた。
 扉の先にあったのは、いつもの帰り道の風景。
 一歩進んで、ふり返る。扉は、跡形もなく消えていた。

 合宿当日。
 重い荷物を抱えて、うちら剣道部員はデコボコの山道を歩く。
 自然豊かな場所を歩くことで、肉体をきたえるのと同時に、心を豊かにできる──というのが顧問こもんの先生の言い分だけど、いまのところキツい、しんどい、帰りたいの気持ちしかない。
 でも、ほんとうならここに、虫こわいの気持ちもあったはず。
 うちは無敵クリームを塗ったときのことを思い出す。
 朝、家を出る前、うちはなんの飾りっ気もない丸いケースのフタを開けたんだ。
 中に入っていたクリームは、ドぎついハデな緑色をしていて、思わず「うっ」と顔をしかめてしまった。
 いや、いやいやいや、これ体に塗っていいの? かぶれない?
 合成着色料っぽいというか、有害物質感がスゴいよ?
 なんて思いながらも、うちは無敵クリームを指ですくった。
 だって館長さんの言葉がウソとは思えなかったし、無敵クリームを特別だと感じた自分の直感も、まちがいだとは思えなかった。
 おそるおそる手の甲に塗ると、クリームはスゥ~ッと肌に溶けこんで、あっという間に見えなくなった。
 でも、クリームを塗っているって感触は肌に残ったままだった。
 そして、その感触から伝わってくるのは、守られているっていう、たしかな実感。
 いまのうちは、クリームを体中に塗りたくっている。
 まるで、全身をよろいでガードしてるかのような、そんな安心感に包まれているんだ。
 さて、無敵クリームの効果はというと……これがもう最高だった!
 ハエも、蚊も、アリも、うちの肌に触れた瞬間、コロッと倒れて死んでしまったんだ。
 効果が強すぎて、散歩中の犬とすれちがうとき、まちがって触れないように緊張しちゃったくらい。
 今日のうちは、ぜったい虫に刺されない。
 蜂に刺されたときのあの苦しみに、もうおびえなくていいんだ。
 そう思うと足も軽くなって、うちはグイグイと山道を進んだのだった。
 二時間ほど歩きつづけて、やがてお昼の時間となった。
 お昼はバーベキューの予定なのだけど、すぐには食べられない。顧問の先生の指示で、山菜を採らなくちゃいけないんだ。
 山のめぐみをいただいて、自然に感謝しようと顧問の先生は言うけれど、はやく肉食いてぇ~としか思えなかった。
 やれやれとあきれつつ、うちは山菜を探して歩きまわった。だけど、これがぜんぜん見つからない。
 それでも、なんとか少しだけ山菜をみ、集合場所にもどったとき、すでにほかの部員たちは昼食を食べはじめていた。
 ありゃ。探しすぎたかな?
 スマホが使えれば呼び出してもらえたんだろうけど、山奥すぎて圏外だった。
「じゃ、いただきまーす」
 とりあえず、うちはお皿に盛られた山菜を食べてみた。
 だれが採ってきたのか知らないけど、フキノトウっていうらしい。
 なんか固くて、ぼそぼそして、シンプルにマズい。
 もう、いいや。残りは捨てて、バーベキューの肉でも食べよ──なんて考えた、そのとき、
 バタッ。
 そんな音がした。ふり向けば、部員のひとりが倒れていた。
「えっ、ちょっ、大丈夫!?」
 と、うちが言った瞬間、
 バタッ。バタッ。
 同時に、べつの部員たちが倒れる。
「……え?」
 なに? なにが起きてるの?
 気づけば、剣道部のみんなが次々に倒れ、地面にうずくまっていた。
【画像】
「し、椎菜……! それ、食べちゃ、ダメっ……!」
 そう言ったのは、剣道部の部長である桂木かつらぎ先輩だった。
 桂木先輩は苦しそうにお腹をおさえながら、地面にはいつくばっている。
「たぶん、それ……フキノトウじゃない、ど、毒草……!」
「そんな!? うち、いま食べちゃいましたよ!」
「は、吐きだしてっ……! 消化、する前に……!」
 は、吐き出してって、どうやって?
 というか、吐き出したところで、それで助かるの?
 え? ウソ? うち、もしかして、死ぬ……?


「あっ」
 死ぬ、で思い出した。
 そうだ、うちには、無敵クリームがある!
 うちは無敵クリームが入ったケースを、急いでポケットから取り出した。
「……ちょ、椎菜、なにを、やって……!」
 桂木先輩の言葉を無視して、うちは無敵クリームを指ですくい取る。
 そして、そのドぎつい緑色のクリームを、口の中に入れて飲みこむ!
 植物だって、生物だ。
 無敵クリームは生物の攻撃を無効化し、触れた生物を問答無用で死なせる。
 なら、無敵クリームで、胃の中の毒を無効化できるかもしれない!
「椎菜……それ、なに? そんな……体に悪そうな色の……」
「いいえ先輩、体に悪くはないんです」
 だって、無敵クリームは人間には害はない。館長さんが、保証してくれたんだ。
 ──そうそう、無敵クリームは回復アイテムじゃないから、ダメージを受けたあとに使っても、そのダメージは回復しないよ。注意してね。
 桂木先輩にも無敵クリームを飲ませようとしたけど、メイちゃんの言葉を思い出す。
 うちは桂木先輩に「まっててください」と言い残し、急いで山を下った。
 スマホの電波が届くところまで、とにかく全速力で!
「もしもし、はい、救急です! ……えっと、たぶん、毒草を食べてしまって──」
 こうして、うちの通報によって、山に救急車やドクターヘリが到着し、部員たちは病院へと運ばれたのだった。
 いまは治療ちりょうを受けていて、みんな命に別状はないとのこと。
「ほんとうに、ありがとう、椎菜……」
 病院のベッドで横たわる桂木先輩から感謝されたとき、正直悪い気はしなかった。
 でも、そのあとで、桂木先輩のお母さんから「あなたは娘の命の恩人よ!」と涙ながらに抱きつかれたときは、さすがに照れちゃったな。
 どうやらうち、ほかの部員やその家族からも、めっちゃ感謝されているらしい。
 ちなみに、山を下っている間も、救助を見守っている間も、うちの体調にはなんの問題もなかったんだ。
 やっぱり、館長さんの言っていたことはほんとうだった。
 無敵クリームは虫どころか、命の危機から守ってくれた。
 それも、うちだけじゃない。部員みんなの!
 ありがとう無敵クリーム! 最高だよ無敵クリーム!
 ……。
 …………。
 ………………そう、思っていたのに。
 山を降りた次の日、うちは家の中でとつぜんたおれた。
 意識を失ったうちは、救急車で病院に運ばれたんだ。
 検査の結果、倒れた原因は山菜の毒──じゃなかった。
 原因は、無敵クリームだった。

無敵クリームは、人間には害がないはずなのに、
どうして椎菜ちゃんはたおれちゃったのかな?

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◎感想ぼしゅう中!

つばさ文庫HPが、ただいまシステム障害の影響で見られません。
直るまでのあいだ、ココ↓から感想をぼしゅうしてるよ!
みんなの気持ちを、ぜひ教えてね!