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道づくりの技術① 「盛土と切土」

※本コラムは、まだまだ未熟ないち林業家が、諸先輩方からの教えや、自身が仕事する中で気づいたことを、まとめたものです。多少なり、勘違いや間違いがあるかもしれませんが、ご了承ください。もしよろしければ、教えてくださると嬉しいです。


道づくりの技術を図説していきます。
最初は、盛り土と切土について。
本当に基礎の基礎から、こまめにまとめていきます。


林業note【道づくり①】.001


山を横から見たらこんな感じ。
この斜面に、水平の道をつくります。



林業note【道づくり①】.002

必要な道幅は機械の大きさによって違いますが、
ここでは、僕の勤める会社でいつも使っているサイズのものを。



林業note【道づくり①】.003

一番わかりやすいのは、この形。
茶色の三角形分の土を掘り(切土と呼ぶ)、平らな道をつくる。
この方法を「全切り=オープンカット」と呼びます。
ただ、切土はそのまま捨てるわけにはいきません。
土を捨て置くと、雨とともに下流へ土砂が流れてしまいます。
どこか別の場所へ運搬する手間がかかります。



林業note【道づくり①】.004

と、いうことで基本はこのイメージ。
山側の切土をそのまま谷側へ盛り、その場で土を処理します。
ただ、一度土を切り崩すと、土の間に空気が入って、柔らかくなるので、
盛土は、しっかりと締め固める「転圧」という作業をしなければいけません。
これを怠ると、機械が何度も通るたびに、
盛土側(赤線の部分)がどんどん沈んできて、作業がしにくく、
また転落の恐れもあり、大変危険です。



林業note【道づくり①】.005

実際は、こんな感じ。盛土は直角に切り立ってるわけではないので。

ちなみに、先ほど述べた「転圧」という作業は、
盛土の上(赤線の部分)からすればよいというわけではありません。
盛土の斜面側(黄色の部分)からも転圧が必要です。
重機の重み、その圧力は、真下にかかるわけではなく、
山の斜面方向にかかるため、横からも締め固めなければ、
土がどんどん横へ横へ、広がっていってしまうのです。
この斜めに転圧する、という作業が、
重機の扱いに慣れないと、難しかったりします。


そんなことを踏まえながら、実際の道の写真も。
ちょっとは見え方が、変わってくるでしょうか。あまり変わらないでしょうか。笑。

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では、今回はここまで!
このマニアックな記事が、どれほど楽しんでもらえるかわかりませんが、
続編、ご期待いただければ、やる気が上がります!

※追記2020/05/16
本記事を公開したところ、先輩方からフィードバックをいただきました。
不十分な点もご指摘いただいたので、より深く、より実践的な道づくりの技術を、続編でまとめましたので、そちらもぜひ。
道づくりの技術② 「段切り段盛り -盛土と切土」

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つばさ

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