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元蘭プロ選手が語るプロになる最も大事な要素。プロとアマチュアの違い

今回は、プロとアマチュアの最大の違いについて元プロ選手のムスタファ・アハマド氏に話を聞いた。ムスタファ氏は5歳の時に地元のクラブでサッカーを始め、12歳でFCフローニンゲンのアカデミーにスカウトされ、19歳までプレー。その後、当時オランダ2部のSCフェーンダムとプロ契約を結び、4年間プレーした。その後は5部のアマチュアクラブVV Rodenで10年プレーし、故郷フローニンゲンのアマチュアクラブVV Groningenで引退。現在はVV Groningenのトップチーム監督を務め、6シーズン目を迎えている。

ムスタファ氏はプロとアマチュアの一番の違いはメンタルであり、プロになるのに一番大事な要素だと断言する。

現在は8部クラブで監督を務める

「プロはサッカーにすべてを捧げている。毎日、週を通して練習し、トレーニングに集中し、サッカーを学び、ハードワークを続ける。サッカーに対する集中度が圧倒的に違うんだ。一方、アマチュア選手は違う。練習は週に2回か3回だ。仕事が中心で、サッカーへの真剣度も異なる。ビールを飲んだり、練習をサボったり、試合中に喧嘩したり——サッカーに100%集中していないんだ。」

プロとアマチュア、両方を見てきたムスタファ氏には、サッカーに集中していない選手はすぐに分かるという。酔っぱらって練習に来る者、文句ばかり言ってプレーしない者——そうした選手は決して勝ち残れない。才能があってもステップアップ出来ないという。

現在はアマチュアクラブの監督を務めるムスタファ氏だが、「アマチュアクラブだから、選手にそこまで厳しく要求はしない。それでも、サッカーに集中していない選手はすぐに分かる。そして、そういう選手は試合で良いパフォーマンスができない」と語る。

ムスタファ氏が率いるクラブには、プロ入りが期待される若手選手がいる。彼は技術、頭脳、フィジカルのすべてにおいて突出しているが、それが最大の理由ではないとムスタファ氏は言う。

「彼の最大の強みは、メンタルだ。いつも最後まで残って練習をしている。他の選手がパーティーに行くときも、彼はグラウンドに残り、練習を続ける。しかも、常にコンスタントにだ。彼はいつもハングリーで、学ぼうとし続けている。それこそが最も大事なことだ。」

そして、プロになれるかどうかに才能はさほど関係ないとも語る。

「プロになるのに才能は必要だ。でも、ほんの少しでいい。6部でプレーする選手には皆、才能がある。でも、彼らとプロの違いは何か? それこそがメンタリティーだ。サッカー選手になりたいなら、幼い頃から自分を律し、サッカーに真剣に取り組み続けること。サッカーに集中すること。他の選手が休んでいるときもサッカーをする。それを続ければ、必ずプロになれる。なぜか? 練習すれば誰でも上手くなり、上手くなるには練習するしかないからだ。」

クラブの練習風景

周囲に流されず、誘惑に負けず、自分を律してサッカーに集中し続ける。その強いメンタリティーを持つ選手こそが、プロの舞台にたどり着けるのだろう。

特に心に残ったのは、「練習すれば誰でも上手くなり、上手くなるには練習するしかないからだ」という言葉だ。一歩ずつは短くとも歩き続ければ、ゴールにたどり着く。サッカー選手に最も必要なのは、続けるという事なのかもしれない。そして続けるには折れない強い精神力が必要だ。それこそがサッカー選手になる為の、夢を叶える為の一番の素質なのかもしれない。


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