雷魚は外来種?
今日はみんな大好き雷魚(ライギョ)について
少しお話しします。
いや、ちょと待って、ちょと待って、お兄さ~ん、雷魚ってなんですの? 説明しろと言われましても、意味わからんからできまっせ~ん
って顔してるね。
安心してください、僕が説明しますよ!(とにかく明るい中村)
こちらが、我が家で飼育している雷魚です。湖で釣って、連れて帰りました(笑)
今日はこんなにも愛くるしく、かわいい雷魚について軽〜く語りたいと思います。
1.雷魚とは?
雷魚は釣り人たち中では割と有名でターゲットにされている魚種ですが、実はこれ本当の名前ではないのです。
実は、雷魚とはスズキ目タイワンドジョウ科に分類される3種の淡水魚の総称なんです!
その3種とは、
・カムルチー
・タイワンドジョウ
・コウタイ
です。
多くの人は「ライギョ(雷魚)」という名前の魚だと認識していたと思います。
僕も飼育してから知りました(笑)
(そもそも雷魚なんて知らねーよというツッコミはスルーします)
2.雷魚の由来
では、なぜライギョと呼ばれるようになったのか?
漢字で書くと「雷魚」と表記されます。
これは、悪天候の時に地を這って移動する姿や、人に噛みつき、雷がなっても離さないといわれらつきました。(もちろん人にバシバシ噛み付くような魚ではありません)
地を這って移動するなんて、本当に魚?と思われるかもしれませんが、ライギョは空気呼吸もできるんですよ。
上鰓器官(じょうさいきかん)と呼ばれる器官が存在するのです。上鰓器官だけでは生きていくことはできませんが、普通の魚よりは陸に強いんでしょうね。
だからこそ、こういう言い伝えがあるのだと思います。
(実際、僕が家に帰った時に部屋の床でピチピチ跳ねてた時は笑いました)
3.3種について
では、雷魚と呼ばれる3種について紹介していきます。
・カムルチー
全長70〜80センチになる大型魚です。
アムール川以南のロシア沿海地方から、朝鮮半島・中国まで分布します。
日本には1923年頃に朝鮮半島から奈良県に持ち込まれ、現在では琉球列島除く全国各地に分布しています。
水流のない穏やかな環境、ハスなどよ水生植物が多く茂った場所を好みます。湖沼・池・河川の中下流域や湾処、溜池などに生息しています。
日本で雷魚というと、一般的にはコイツを指すと思われます。釣りで狙われるのもコイツです。
・タイワンドジョウ
全長40〜60cm。カムルチーよりやや小型です。
中国福建省以南、ベトナム、フィリピンなどに分布します。
日本には1906年に台湾から大阪府に移入されました。現在の日本での生息地は沖縄県、香川県、兵庫県、和歌山県の4県です。
湖沼・池・河川や湾処、溜池などに生息します。
(神奈川に住む僕は野生のタイワンドジョウを見たことがないので、いつか釣りに行きたいものです)
・コウタイ
全長30cm。3種の中で一番小型ですね。
台湾と長江以南の中国に分布します。日本では、大阪府、沖縄本島、石垣島に移入により定着していますが生息水域は極めて局所的で、個体数は少ないとされています。(レアキャラですね笑)
主に、池沼や渓流に生息しています。別名キャリコスネークヘッドとも呼ばれ、ペットとして飼育されることも多いです。↓
たしかに他の2種と比べると、小さく色も綺麗なので飼いたいと思いますね(笑)
4.3種の見分け方
では、この3種類はどうやって見分けるのでしょうか?
大体は生息地でわかるのですが、サイズ的にも見分けが難しいカムルチー とタイワンドジョウの見分け方を記します。
正確な見分け方は、背鰭と臀鰭の軟条数を数える方法。タイワンドジョウの背鰭軟条数が40から44本であることに対し、カムルチーは45から54本です。臀鰭軟条数はタイワンドジョウが26から29本であるのに対して、カムルチーは31~35本であることで見分ける事ができます。
↑こんなの海洋大生以外は数えません(笑)
そこで見た目で大雑把に見分けましょう(笑)
(ぶっちゃけ見分ける必要もないのですが....)
おおよその見分ける方法は、多くの場合タイワンドジョウの斑紋は3列で、カムルチーに比べて斑紋が小さく、数が多いです。
(コウタイは生息地が限られており小さく、見た目でわけれるでしょう)
5.ライギョは外来種?
さて、このnoteのタイトルの話に触れましょう。
ここまで読んだ皆様は、お気づきでしょうが
雷魚(3種)は外来種です。
日本以外から運び込まれていますね。
ここで、一度外来種の定義を明確にしましょう、
"外来種"とは、「人の活動によって本来の分布域の外の国や地域に導入(移動)された生物種」のことを言います by 環境省
この定義通り、カムルチー ・タイワンドジョウ・コウタイの3種は他の地域から移動された生物なので外来種です。
しかし、雷魚は外来種であって、特定外来生物ではないのです!
はい、またよくわからない単語が出てきましたね。すみません、解説します。
"特定外来生物"とは「日本の在来種の生態系を壊す恐れのある外来種・人間に危害を与える恐れのある外来種・農林水産業に被害を与える恐れのある外来種」です。 by 環境省
つまり、要約すると人間に悪影響を与える外来種ということです。
有名どころを挙げると、オオクチバスやブルーギル、アメリカナマズなどの在来種の生態系を壊す恐れがある生物です。
特定外来生物に指定されてる生物は、飼育・販売・保管および運搬・輸入・放出などが禁止されています。
この特定外来生物リストに雷魚の名前はありません。
(もう少し詳しく話すと、特定外来生物の他に、生態系被害防止外来種があるのですが、ここにも雷魚の名前はありません)
何が言いたいかというと、雷魚はただの外来種!
いまのところ被害のない外来種としての立ち位置であることです。
(実は雷魚は在来種説も最近浮上してきたのですが、長くなるので、この話はまた今度話します笑)
環境省HP(https://www.env.go.jp/nature/intro/2outline/iaslist.html)
5.まとめ
ここまでは、
・雷魚は総称であって、カムルチー ・タイワンドジョウ・コウタイのことを指すよ!
・雷魚はただの外来種だよ!
という話をしてきました。
しかし、ここで勘違いをして欲しくないのは、私が雷魚がただの雷魚好きで、雷魚を擁護したいわけではありません(笑) (好きなのは間違いないですが...)
伝えたいことは、
外来種はいくつかに区分されていること、あくまで人間の損得で特定外来生物と認定されており、生物自体に罪はないことです。
たしかに、在来生物にとって特定外来生物は害です。しかし、もとを辿れば人間が持ち込んでることに帰結します。
外来生物側の立場からしたらたまったもんではありません。人間の都合で連れてこられて、人間の都合で殺されるのですから(泣)
僕が特定外来生物でしたら、「理不尽の極み!」とハマカーンばりに叫んでます。(伝わらないかな...)
つまり、特定外来生物だからといって一方的に悪いイメージを持つのでなく、今一度考えてほしいのです。外来種のこと、自分の行動を!
このnoteを読んで、外来種について興味をもっていただける人が増えると嬉しい限りです。
ここまで読んでくださりありがとうございました。引き続き、生物や水産の情報を発信していくのでこれからもよろしくお願い致します。