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「ボーイッシュが 怖い場所だと思った娘の話」

ある日、子どもが「泣いた理由」を思い出してメモしてみようと思った。

どんなことで、今日は泣いたんだっけかな?と思い返しながら。

そして、その日のないた理由は

「朝日がまぶしすぎたため」だった。

冷静に考えるとおかしい。

泣いているときは、あやしたりしているので、面白いなんて考える余裕はない。しかし、書いてみるとそんなことで泣いたのかと可愛くて愛おしくなる。これはいいぞと思って試しにTwitterでつぶやいてみた。

いままでにない反響があった。おもしろくなってメモをどんどんふやしていった。

「おかあさんに抱っこしてもらいたくておかあさんを呼んだのに

僕が来たため

僕は笑顔で近づいただけです。

奥さんはちょうどご飯の準備をしていて抱っこできなさそうな雰囲気があったはず。じゃあ代わりにとそばにいったら泣かれてしまった。

結論としては仕方がないが悲しい。


どんどんいきましょう。次は

「かんぴょうまきを食べようとして自分の手を食べてしまったため」

娘と回転寿しを食べに行って、お茶をそそごうと視線をそらしたら「あーん」って泣き声がして、みたら3歳の娘が泣いている。

どうしたのかきいたら、「たべちゃったーおててたべちゃったー」とのこと。

食べちゃうのか。うんうん。

ないよ。そんなこと。なかなかない(笑)

「ボーイッシュというのが、怖い場所だと思ったため」

これなんかすごい。

意味がわからない。

その日僕が選んだ娘の服装がちょっと男の子ぽい感じだった。

奥さんが「ちょっとボーイッシュすぎない?」といったとたん、こどもがくいついてきて、「え?なに?ボーイッシュってなに?」と聞いてくる。

幼稚園に行く前だったこともあり、男の子みたいなこととか伝えると、行くのが嫌になってしまうのではないかと思いあやふやにした。

それがいけなかったようだ。

車に乗った途端「いやだー!ボーイッシュがこわいー!いきたくなーい!」と

大騒ぎ。ボーイッシュという響きが怖かったようだ。


大人は絶対泣かないところで子どもは泣く。

あらためて子どもっておもしろいと思う。

こういう経験を何百回、何千回と繰り返して僕らは大きくなっていった。

そうして、いろんなことで泣かなくなってしまった。

たまには泣いてみるのもいいかもしれない。

素敵な音楽を聴いたり、映画をみたり。

でも、かんぴょうと手を間違って食べて泣くというのは避けたいものだ。


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鈴木翼
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