岐阜というアイデンティティ

この間、大学の友人と久しぶりに会った。
実に卒業式以来だ。
ほとんどがそうであるが、そう言われると全く会ってない気がして驚いた。
今までそんなに会うことがなかったからだ。
大学の友人と話が盛り上がるのはもちろん大学時代の話。
とりわけ話にでてきたのは、僕のあだ名が「ぎふ」だったことだ。
僕は1年生の頃、岐阜から1人ででてきたため、友人が誰もおらず、はじめはどこかのコミュニティに所属することも困難だった。
4月1日に同じ学部の新入生同士で会って仲を深めておいて、入学式までのイベントをそこで作った友人と乗り越えるためのイベントが会った。
正直ここでどうにか友人を作らないといけないと思っていた。
10人ほどのグループに分けられ、その中に1つ学年が上の先輩がいて話を盛り上げる役目を果たしていてくれたのだが、まず、自己紹介をした時に、僕以外が全て愛媛出身だった。
先輩も含めてだ。
会話の内容と言葉が分からない。
詰んでいた。
その日は大人しく全体で行われたイベントの1つのイントロクイズだけ全問正解して帰った。
この時点でかなり困っていた。
その後どうにか少しずつ友人は増えていったが、パフォーマンス大会というイベントが行われることになり、割り振られた人達には自分のことを知らない同級生と先輩まみれだった。
そこで意外なアイデンティティとなったのが、岐阜出身ということだった。
愛媛出身の人や近くの広島、岡山の人は岐阜がどこか分からないことや、なんでわざわざると思うことが多く名前を言う前に毎回そこでひっかかられた。
毎回説明するのがめんどくさいのとそれで顔と名前を覚えて貰えるならと思い、あだ名が「ぎふ」となった。
ただ、1年経って今後後輩に
「この人は岐阜っていうの!」
「岐阜って呼んでください!」
って言った時にその理由説明するのはめんどくさいし、地名て、岐阜て。と思ったので徐々に変えていったのだが、今でも根強く岐阜と呼ぶ友人もいる。
今となってはこちらが貴重に存在というのも面白い。
そう呼ばれていたことを忘れないように、それも大事な思い出なのでその友人にはずっと岐阜と呼んでもらいたい。
他の人は普通に「つばさ」
とでも呼んでください。

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