起業する。覚悟を決めた瞬間の話
「この仕事をやろうと、覚悟を決めた瞬間は?」
自営業をしているとよく聞かれる質問の一つですが、これがなかなか回答するのが難しいもの。
ぼくの場合、もしかすると前職の頃に上司に理不尽に怒られたときかもしれないし、同世代が書いたとある本を読んだことかもしれないし、創業パートナーに出会ったことかもしれないし、とあるベンチャーを訪問した際かもしれないし、事業の企画書を書いた時かもしれないし・・・etc。
考えだすと数多くの覚悟を決めた(っぽい)出来事があります。でもそれって裏を返せば何か明確な出来事があって覚悟が決まったわけではないのです。
積み重ねで覚悟が決まる
覚悟の瞬間を問う側からするとドラマチックな出来事を期待しているのでしょう。でも実際に行動している側の現実は「特定の覚悟を決めた瞬間」などは存在しないのです。
僕の場合は上記のようにたくさんの覚悟の瞬間がありました。そのうちの一つが決定打になったというよりも、多くの出来事を経験しているうちに積み重ねによって徐々に覚悟が決まっていったのが本当のところです。
何か一つの出来事で気持ちが固まったわけでは決してありません。
仕事の覚悟は恋愛のそれと一緒
これ、わかりやすく伝えるために恋愛に置き換えて説明してみましょう。
例えば「今の彼または彼女と付き合おうと決めた瞬間、または結婚しようと決めた瞬間っていつだったの?」と聞かれたらあなたは何と答えるでしょうか。想像してみてください。
おそらく必死に過去を振り返って、あの時かなぁ・・・多分あの時だなぁ・・・と答えを絞り出すと思います。
もちろん中にはあの瞬間に恋に落ちたとか、結婚を決めたとパッと頭に浮かぶ人はいると思います。
でも、多くの人ははっきりと答えられないもの。何かしらの瞬間を思い起こして言葉にしてみても、なんだかしっくりこないのではないでしょうか。
それはきっと相手と一緒に過ごす時を重ねて、いつの間にか好きになっていった。ないしは結婚したいと思うようになったからだと思います。
要するに、一つの出来事で気持ちを決めた訳ではなく、数々の出来事の積み重ねで想いが固まったのが実際のところなのです。
だから、いつ?と聞かれてもうまく答えられないのです。
動き出さないと覚悟は生まれない
話を戻しますが、仕事の覚悟も恋愛と全く一緒です。何か特別な出来事一つで突然覚悟が決まるのではありません。
最初はただの勢いだったり、イヤイヤだったりとスタートした仕事。それでもあれやこれやと続けているうちに、いつの間にか本気になっていたり、覚悟っぽいものが自分の中に生まれてくるのです。くどいようですが、特別な出来事があって突然覚悟が決まったりするものではありません。
言い換えれば、覚悟を決めたいと思うならやってみるしかないのです。動き出さないと覚悟は生まれません。覚悟が決まらないからまだ始めないといというのは本末転倒なのです。待っていても覚悟は決まりません。
【おとなの新路相談室】から一歩を踏み出そう。