子どもに自慢できる働き方を
先日、唐突に息子がYouTuberになりたいと言いだしました。だからYouTubeに登録したいというのです。
子どもが就きたい仕事ランキングでYouTuberが常にランクインしているという話は知っていましたが、うちの息子も御多分に洩れずその流れに乗っかってきました。
時代は変わったなぁと思いつつも、ちょっと戸惑いを隠せません。何かと世間を騒がせているYouTuber。とりあえず子ども向けのタブレットにフィルターを設定して許可はしましたが、撮影の方は今後の彼の盛り上がり次第で様子見ということで落ち着きました。
ちなみに、保育園に通う弟の方は将来の夢は警察官だとのこと。兄と一緒に「突破ファイル」というテレビ番組を良く観ています。その中にあるアイデア一つで難事件を解決する「突破警察」というコーナーがお気に入りの模様。おそらくその影響で警察官という仕事が上がってきたのだと思われます。
親のインパクト最強
少し前のニュースですが、子どものなりたい職業ランキングで「会社員」が一位になったと話題になっていました。ちなみに会社員が一位になったのは前代未聞だとのこと。
第一生命保険は17日、将来なりたい職業の2020年度のランキングを発表した。小学生の女子の1位が「パティシエ」だったほかは、男子の小中高生、女子の中高生のいずれも「会社員」がトップだった。同社は「在宅勤務が広がり、自宅で仕事をする親の姿を身近に感じた子どもが多かった」と分析している。
小学生の男子の2位は「ユーチューバー」、3位は「サッカー選手」。中高生の男子はいずれも2位が「ITエンジニア・プログラマー」で、技術革新が進む社会の変化を捉え、IT系の仕事が上位を占めた。
小学生の女子の2位は「教師・教員」、3位が「幼稚園の先生・保育士」と続いた。中高生の女子も、教師や保育士など資格を取得して働く職業が上位に目立った。医療現場の第一線で働く職業も人気を集めた。
(日本経済新聞 2021年3月17日 記事より抜粋)
ここで僕が驚いたのは、親の働く姿が子供に与える影響の大きさでした。テレビやインターネットで多くの情報を得られる今でも、一番子どもの職業選択に大きな影響を与えたのは親の仕事だったのです。
あれ、我が家は子どもたちから「会社を作りたい」という発言をもらえていないぞ、という話は置いておいて・・・。
テレビやインターネットの影響力に勝てていないのがちょっと悲しいところではありますが、改めて自分の仕事に向き合うスタンスを考えるキッカケになりました。
仕事を諦めている大人たち
話は変わりますが、僕の会社は職業体験やキャリア相談のサービスを提供しています。
興味深いことに、このサービスの話をすると「子どもの頃にあったら参加したかった」という反応をする方がとても多くいるのです。
でも、このリアクションを聞くたびに僕の心はざわざわしてしまいます。
その理由は、その言葉の背後にある認識に対する違和感です。
「子どもの頃にあったら」の後ろには大人になったら人生を変えることができないという認識を、「参加したかった」という部分からは、現在の仕事に対する納得感の欠如を感じるからです。
ちょっと乱暴ですが、この発言を勝手に解釈すると、次のようなことを言っているわけです。
自分は今の仕事に納得はしていない。けれど今更仕事で納得感を得ることは難しい。だから少なくとも自分の子どもには同じ道を歩んで欲しくない。
もはや諦めの境地というか、なんというか・・・。なんとも暗い気持ちになってしまいます。
もし今の仕事に納得感を持った人であれば、このような発言には決してならないはずです。
頑張れ、親たち、大人たち。
子どもの可能性を広げるために勉強させるのも、習い事に通わせるのも、多様な経験を積ませてあげるのも大切なことです。
実際に子どもはそのように情報を集めながら自らの仕事観を育み、選択を実行していきます。
しかし、日本経済新聞のニュースが示すように子どもにとって最も影響力があるのは私たち親です。その私たちが仕事に対して納得感を持てていなかったり、諦めのスタンスであったりしたらせっかく子どもに提供した機会が無駄になってしまうのではないでしょうか。
仕事の可能性や納得感、夢や希望を子どもに託すのでは無くまず親が仕事に向き合う。それが子どもにとって一番重要な学びになると思うのです。
子どもに胸を張ってオススメできるような働き方を自分が実践する。これが私たち親や大人が目指すべき仕事の在り方なのではないでしょうか。
頑張れ、親たち、大人たち。
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