仕事を通して実現したいこと
とある友人の仕事の不満から
とある教職に就く友人が、残業が多いことをぼやいていました。
聞くと、先生の本業は生徒への指導であるはずなのに、イベントに向けた備品の製作やら、撮影した動画の編集やらで時間が取られて残業が発生しているとのこと。
平日は生徒がいるので、下校後または休日出勤するしかない。休みもろくに取れずにやってられないというのです。
教育に対する熱い思いを持っている人なので、実践したい教育と残業との狭間で葛藤している、そんな内容の話でした。
最初は立ち向かってた
詳しく聞いてみると、その学校では雑務も含めて対応できる人こそが「できる人」という風に考えられているため、関連する業務を疎かにすることはできないそうなのです。
だから休日出勤も当たり前。むしろみんな出勤しているから、自分が行かないと白い目で見られることもあるのだとか。
友人はその「できる人」像はおかしいと意見したり、環境に対して抗ったりもしていたようですが、どうしても周りからの視線が辛く、孤立してしまうため周りに合わせるようになっていったそうです。現在は違和感を抱えながらもとりあえず従っているのだとか。
傍目からも仕事にたいするモチベーションが下がっていくのを感じ、なんだかいたたまれない気持ちになってしまいました。
次第に諦めるように
この話を聞いて、本人の仕事の仕方が悪いとか、話の通し方に問題があると考える人も多くいると思います。
確かに雑務をしっかりこなし、周りに認められれば発言力もついて環境を変えていくこともできるはずです。
厳しい人に言わせれば、環境を変える努力を諦めてしまうのは本人のやる気の問題であり、単なる甘えだろうと切り捨ててしまうかもしれません。
中には転職すれば良いのではと言う人もいると思います。現状を変えるよりも他の自分に合った環境を探せば良いと考えるでしょう。
実際に多種多様な課題解決の方法はあるはずです。でも当事者として同じ環境にいたら、そんな客観的な視点を持ち続けることができるのでしょうか。そんな選択肢を考えられるものなのでしょうか。
今回紹介した友人以外とは別にも、意気揚々と仕事に就いたのに徐々に情熱を失い、気付けば仕事を割り切って続ける人をこれまで数え切れないくらい見てきました。
要するに当事者になると客観的な視点で物事を考えることができなくなるのではないでしょうか。
課題は職場の画一性・閉鎖性
月日とともにやる気が失われていってしまうこの問題。原因は本人にあると僕は思いません。むしろ職場の画一性・閉鎖性に課題があると思っています。
閉ざされた職場で仕事を続けるうちに、気がつかないうちに自分の中の選択肢がなくなってしまう(ように感じる)ことが一番の問題なのではないでしょうか。
同じ環境に長い時間身を置くと、見えなくなることがたくさんあります。慣れによって、気がついたら選択肢が極めて少なくなっている、または挑戦することも諦めてしまっている状態に陥ってしまうのではないでしょうか。
解決策は外部視点
だからこそ、職場の人とは違う考え方、仕事の仕方を実践する人と触れられる機会が必要だと思うのです。
外との接点があることで常に客観的な視点を自分の中で維持することができるようになるでしょうし、新たな情報から現状を解決するための具体策が見つかるかもしれません。
最近では副業によって外部視点を手に入れようといった動きも見られますが、実際のところ日々の業務に追われて副業どころではないという人がほとんどです。
そんな苦境に置かれた人にこそ外部との接点を提供したい。いろんな価値観、働き方の選択肢に触れる機会を作りたいと思っています。
それによって仕事に対する情熱を失わずに、挑戦し続けるための武器を手に入れて欲しいと思っています。これが僕の仕事を通じて提供したいことです。
【おとなの新路相談室】あなたのキャリアに第三者の視点を
〜社外との対話で思考を整理〜