バーには二種類の人がいる。
これまでにも何度か書いていますが、僕はバーに一人で出かけるのがとても好きです。寂しがり屋であるという部分はもちろんなのですが、知らない人と話をするのがとても好きなのです。
僕にとっての最大のストレス発散なので、もうずっと出かけられずに鬱々しています。今日はバーに通えていた頃を思い出して書いてみました。
バーには二種類の人がいる
かれこれ10年以上も一人でバー巡りをして気が付いたことがあるのですが、バーにはものすごく大雑把に分けると、「似たようなものへ興味」を持っている人と、「新しいものへ興味」を持っている人の二種類の人種がいます。
どちらに属するのかというのは初めてあった時の会話のパターンですぐにわかります。
お互い初めてお話しするので、相手のことを知ろうとするのですが、その際に共通項を見つけようとしてくる人は「似たようなものへの興味」を持っている人である可能性が高い。質問した内容と自分と重なる部分があれば話を広げていきますが、重ならない場合は次の話に展開していきます。
会話のイメージでいうと、例えば色恋の話、賭け事の話、またはグループで仕事の愚痴を話しているのが多いのがこの手のタイプ。強い酒を飲ませあっているのもこっちのタイプが多い気がします。
それに対して、「新しいものへの興味」を持っている人の場合は共通項を探ろうという質問はしません。例え質問の答えに自分と重なる部分がなかったとしても、さらに話を深掘りして相手のことを聞いていこうとします。
一人で訪れることが多く、お店でいろんな人と会話をすることを好みます。話す内容は賭け事や酒の話はあまりせず、比較的仕事について語っているイメージが強いです。飲み方も比較的穏やか。
ちなみに、僕は気分によってどっちのタイプが多い店に行くかは使い分けていたりします。
新しいものへの興味から生まれる会話
話は飛びますが、以前知り合いに紹介してもらった地元のとあるバーに一人で初めて行った時のこと。行った時間が早かったため、たまたまマスターと二人きりで1,2時間話すということがありました。
ちなみに、そのお店は客層は「似たようなものへの興味」を持った人がメイン。しかし、マスターは話をしてみるとどちらかというと「新しいものへの興味」を持っている人でした。
僕自身の自己紹介もかねて、現在の仕事について話をする。するとそのマスターの人当たりの良いこと。僕の話を興味を持って聞いてくれるわけです。お酒の力もあり、僕も自分のことを話す話す。仕事から会話は発展し、最近仕事以外で仕掛けたいことの話まで展開していきました。
その中の一つに、バーを作るという構想があるのですが、その具体的な企画内容や戦略まで話は及びます。すると、その企画の中にマスターの参考になることがあった模様。
「あ、それいただいていいですか!ぼくもやってみたい」
「やば、なんかできそうな気がしてきた」
という風に、今後のお店展開の参考に取り入れようとします。そうなると、僕も気分を良くして今度はマスターのバーでこんな仕掛けをしようとか、イベントやろうとか、ワイワイと盛り上がり始めます。(まあ、飲み屋でよくあるその場だけの盛り上がりかも知れませんが)
先日その話題の中から発展した
これがもしマスターが共通項を探るパターンの人だったらどうでしょう。
地元のバーだったので、何中出身ですか?じゃあ誰々知ってますか?というような共通項を探るだけの会話に終始してい可能性も十分にありえます。
その場合、その晩の事業案についての盛り上がりは無かったでしょう。僕も仕事の話はもちろん、新たな企みについてマスターへ共有することもありませんでした。彼にとっての新しい展開アイディアも得ることはできなかったはずです。まあ、それはそれで刹那的で楽しかったのかも知れませんが。
とても些細な話ですが、新しい人や情報に出会った際、共通性を求めるのか、違いを楽しむのかによって、同じ出会いでも活かし方や展開の幅は大きく変わります。
その後、そのマスターが実際にその夜話したことを仕事に取り入れるかはわかりません。
もしかすると単なる酔っ払いのたわごとくらいに捉えて話を合わせてくれていただけかも知れません。
まあそれはそれとして、少なくとも今までにない仕事の仕方の引き出しが増え、新しい発想が生まれたはずです。
これだけ変化が求められる今。今回はバーの話で書いてみましたが、おそらくこれ人間関係全てに当てはまる話だと思います。
この「新しいものへ興味」をちょっと持つだけで、新たな情報に触れる機会が増えるし、それを行かせる可能性が大きく変わるんじゃないかなぁとマスターの姿勢を見ていてふと思ったわけです。
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