「行動しない人」が聞いてくる典型的な質問
行動しない人の典型的な質問
「新しいことを始めるのに、不安は無かったのですか?」と言う質問をこれまで何十回も受けてきたように思います。
新しいことを始めようと思っている人がよくしてくるイメージなのですが、はっきり言うとこの質問をしてくるうちは新しいことは始まらないと思います。
行動する人は、始めることに不安はない
僕は仕事上で事業を始めたと人と話をする機会が多くあります。始めた経緯やきっかけを聞くことも多いのですが、何百人、何千人の事業者と話をすると多くが同じことを口にすることに気がつきました。
それは、
事業を開始する時はワクワクで頭がいっぱいであったこと。
結果、頭の中に不安が入る隙間がなかったと言うこと。
もちろん表現の仕方は人によって違うのですが、往々にしてみな最初は不安を感じていなかったと言うのです。この経験から逆説的に「新しいことを始めるのに不安は無かったか?」と言うことを聞いているうちは、おそらくその人はまだ行動するタイミングでは無い。新しいことをスタートすることは無いのだと考えるようになりました。
とある女性の例
ablabo.の蔦木由佳さんの例
先日、下記のサービスにてablabo.蔦木さん(食用油の職人)に聞いた話が象徴的でしたので、事例として紹介します。
ちょっとだけ彼女の経歴をかいつまんで説明すると・・・。
彼女と油の出会いは、小豆島で味わったオリーブオイルがきっかけ。
オリーブオイルから油づくりに興味を持ち、そのことを周囲に発信していると油づくりの名職人・神谷敬正氏を紹介される。
(高齢の神谷氏に後継者がいなかったため)出会ったその日に勢いで弟子入りを決める。
自分でも油絞りを始めようと、会社を辞めて融資を受けて油づくりの機器を買い込みablabo.の事業スタート。(ちなみに神谷氏に弟子入りしてから1年足らず)
話を聞いていると、勢いがすごい。無謀さがすごい。漫画か!?とツッコミを入れたくなるほどです。オリーブオイルがいくら美味しかったとしても、出会ったその日に職人の元に弟子入りしますか?経験もほとんどないうちに、借金までして事業スタートしますか?
ネタバレになるので紹介できませんが、上記以外にもツッコミどころ満載な人生遍歴だったのです。もう少し準備するとか、計画性持って行動するとか無かったのだろうかと、聞いているこちらが不安になる程。
そんな行き当たりばったりな事業展開でも、本人は不安は無かったのだと明言していました。
(自分で味わったオリーブオイルや、出会った職人の絞り出す食用油に確かな魅力を感じていたため)どうやったらその魅力が多くの人に伝わるだろうかということは悩みましたが、事業がうまくいくかなどの不安は感じませんでした。そんなこと考える暇もありませんでした。(蔦木さん)
僕も現在職業体験やキャリア相談をサービスとする会社を運営していますが、やはり「こういうサービスやりたい!」という思いと勢いで開始しています。
当初は計画なんてなかったし、どうにかなるだろうくらいにしか思っていなかった。とにかく形にしたいという思いばかりが先行して不安になる暇などなかったのを、この蔦木さんの話を聞いて思い出しました。
行動したいなら、ワクワクを育てよう
「新しいことを始めるのに不安を感じるか?」と言う質問をしているうちは、まだ新しいことは始まりません。
ワクワクよりも不安が頭を占めてしまっているうちは、まだスタートするタイミングではないのだと思います。
もし何か始めたいのであれば、その「始めたい!」という気持ちを経験してみることやその業界の人に話を聞いてみるなどでまずは温めることを意識してみてはいかがでしょうか。
きっとそのうち「始めたい!」の思いが爆発して、勢いで進める時が来るはずです。おそらくその時には将来に対する不安など感じている暇は無いでしょう。
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