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事件はすぐ隣で起こっているのかもしれない。石田衣良『炎上フェニックス 池袋ウエストゲートパークXVⅡ』

今回も読み始めたらページをめくる手が止まらなくなりました。

石田衣良さんのIWGPの最新刊『炎上フェニックス 池袋ウェストゲートパークXVⅡ』を読了しました。

Withコロナの時代を書いた物語

主人公の真島誠は、工業高校を卒業後、家業の果物店を手伝いながら、池袋のトラブルシューターとして、ストリートで起こったトラブル解決に奔走します。

IWGPシリーズ17巻目は、「P活地獄篇」「グローバルリングのぶつかり男」「巣鴨トリプルワーカー」と、表題作の「炎上フェニックス」の4つの物語が読めます。

今回の舞台は2020年の夏から2021年春頃までとなっており、いつもはたくさんの人で賑わう池袋の街も閑散としています。

それでもマコトのもとには、トラブルに巻き込まれた人からの相談が来るわけで…。

タカシやゼロワンといった仲間と協力して、事件解決に勤しみます。

時代を反映したテーマ

表題作の「炎上フェニックス」や「巣鴨トリプルワーカー」は、今のトレンドを題材にしています。

舞台は池袋だけど、日本のどこかで起きている問題が描かれています。

「グローバルリングのぶつかり男」なんて、恐怖で身震いしましたもん。最近起きた事件ともリンクするから、腹も立ったし。

小説の中の出来事ではあるけれど、もしかしたらすぐそばで起きているかも知れない。今回は、そんなことも読んでいて感じました。

現在起きていることを書いた小説はたくさんあります。その中でもストリートをテーマにしたIWGPは、日本の底辺で起きている問題をあぶりだしているような気がします。

政治家には、もっとこういう所を見ろって言いたい!彼らの利益にはならないから見ようともしないのでしょうか?

マコトがどんどん若くなっていく

マコトたちの年齢がある時期からアラサーの設定になっていて、どんどん離れていく。最初からの年齢設定で年を取っていたら、あまり変わらないようなきがするんですが…。

別に良いんですが、どうしてもIWGPを読む時、マコトは長瀬君をイメージしてしまいます。

いま、映像化したらタカシなんて誰がやるんだ。窪塚洋介以外考えられないのだが…。

なんか、愚痴っぽくなってしまいましたが、今回も面白かったです。

前作はガツンと締める感じだったけど、17巻目はなんというか得体の知れない怖さがありました。

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